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はんちょう さんのレビュー一覧
はんちょうさんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.85pt |
レビュー数13件
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この作品の評判がイマイチなのも知っていましたが、貴志先生の著書は一通り読みたいと思い手に取りました。
読み終えた感想としては、やっぱりうーんな感じ。 以前読んだ「クリムゾンの迷宮」と同じく、登場人物の描写が浅くてイマイチ感情移入出来なかったり、キャラクターの造形や戦闘しているシチュエーションのイメージができなかったり。 一気読みさせる筆力はさすがではありますが、「クリムゾンの迷宮」と同じくこの作品も漫画やアニメ・映像向きかなあと思いました。 何よりもがっかりだったのは、皆さんがおっしゃる通り物語の着地点ですね。 合理的に終わらせるにはやっぱりそうなるかあと予想しつつも、貴志先生だからとついつい期待しちゃいますね。 この作品のメインテーマは将棋。 自分は比較的将棋やチェスなどのゲームについて知識がある方なのでその分楽しめましたが、そのあたりに疎いとさらにつまらないかもしれません。 作品自体の純粋な評価は6点ですが、ヒロインとのシーンでの「早逃げ」に大爆笑させて頂いたので+1点。しかも早逃げに失敗してるし(笑)。 ある行為を将棋用語に例えているんですけど、表現力というかワードセンスが相変わらずスゴいですね。 |
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貴志作品を読むのは今回で8作目。
猟奇的ホラーや青春ミステリー、SFに本格物などなど、作者の引き出しの多さには毎回驚かされて来ましたが、今回はSFファンタジー。 以前から聞いていた評判通り、その期待を裏切らない素晴らしい作品でした。 何しろ物語の世界観や設定が独特かつ秀逸で、あっという間に物語に引き込まれてしまい、文庫本3冊の大ボリュームが逆に物足りないくらい。 今から1000年後の世界なんて自分では考えたこともないし想像も出来ませんが、貴志流のホラーテイストなのにその構築された世界が異様にリアルに感じました。 物語の場所が現代の茨城県神栖市というのが、渋いというか奥ゆかし過ぎます。 この作品はミステリーというカテゴリーには入らないとは思いますが、読み物としては間違いなくオススメできる超一級のエンターテイメントです。 今までこういうファンタジー系の小説は小野不由美さんが個人的にダントツでしたが、今作で貴志流ファンタジーに魅了されまくりました。 この物語の1000年前や1000年後の話もぜひ読んでみたいです。 そんな称賛の中、あえて一つだけ不満を言わせてもらえれば・・ 所々に出てくる難しい漢字。あんなのルビなしでは読めません(笑)。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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どんな作品でも多かれ少なかれ好みが分かれますが・・
好みとか語れないくらい、度を越えて作り物めいていて、もう話がメチャクチャ! 物語の進行、殺人動機、トリック等々、ミステリーというかもはやファンタジーレベルで推理する気も起きず。 せめてロジックだけはしっかりしていて!と思うも、それすらも曖昧な感じですし。 そのようなワケで、ウワサに聞いていた衝撃の結末にも全くビックリ出来なかったです。 読みものとして楽しませたいエンターテイメントなのか、読者に挑戦させたい本格的な推理ものなのかも中途半端な感じで、作者の意図が最後までワケワカメ。 個人的にこういうネガティブなレビューは書くべきではないと思うんですけど、それにしても読書に費やした時間を返して欲しいくらいやりきれなかったのでレビューしておきます。 おかげさまでこのサイトで知って読んだ作品は面白いものが多いのですが、そんな中今のところダントツで寒い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読み始める前は火星で起きたSFサスペンスのような作品と思ってましたが、実際に読んでみてこんな場所が世の中にあるとはビックリ。
インターネットで調べて見ると、本当にカバーのイラストみたいな風景で自分もいつか行ってみたいと思いました。 逆に、こんなロケーションを見つけて物語の設定にしようと考えたアイデアはさすがです。 本作はサスペンスというよりエンターテイメント作品ではありますが、ゲームみたいにドキドキする設定や貴志先生お得意のホラー色も加わり、序盤から物語に心を奪われ最後までノンストップで読んでしまいました。 ほぼ閉ざされたサバイバルな空間において、激変してしまった追っ手の存在が猟奇的でとても恐いです。 が、皆さんおっしゃる通りそこまでの話の流れや盛り上がりを考えると、ラストは少し残念な感じ。 主人公以外のキャラが薄いので、エピソードを加えるなどして登場人物の作り込みをもっと深くすれば良かったかもしれません。 ゲーム自体のエンディングはあれがベストだったにしても、作品としてもう一捻りあれば最高でした。 この作品は漫画にもなっているようですが、確かにそっち系のメディアの方が表現しやすいし面白く描ける内容かもしれません。 何はともあれ、読みやすく面白かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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少年犯罪という重いテーマに誘われ、序盤から物語にグッと引き込まれましたが、中盤以降明らかに登場人物に少年犯罪者多過ぎ(笑)。
とても綿密なプロットで見事に回収されて終わるのですが、作り物とはいえあまりに現実離れした設定が個人的には苦手でした。 この人があそこに繋がってあの人がここに繋がるって、世の中そんなに狭くない!・・フィクションだから致し方ないんでしょうけど、いつも以上にそんな印象を持ってしまいました。 それはきっとこの作品が少年犯罪という超現実的なテーマだからこそ、そこにギャップを感じてしまったのかもしれません。 それと、そんな繋がりまくっている登場人物たちがとても薄っぺらい感じがして、イマイチ感情移入出来ませんでした。 良い評判を聞いていただけに少し残念でしたが、文章自体は読みやすくてあっという間に読了。 可もなく不可もなくの6点です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「これがミステリー?」「作者の偏見的な歴史観だ」等々、少なからず批判的な感想もあるようですが、読み物としては一級品のエンターテイメントだと思います。
物語はアフリカ・日本・アメリカのパートに別れており、まさに「静と動」のようなメリハリがあって退屈することなく一気に読むことが出来ました。 「十三階段」を読んだ時にも感じたことですが、作品を作る上での作者の取材は恐ろしいくらい徹底しているので、細かいところまでとてもリアルで引き込まれてしまいますね。 そして、このような圧倒的スケールを持つ物語をたんたんと纏めてしまう筆力にもビックリ。 元々映像系が出自の作者だけあって、もしもこの作品をハリウッド映画で実写化できたら原作よりもスゴいものが出来上がるかもしれません。 が、そんなことは絶対に無理なんじゃないかなあとも思ってしまいました。 そもそもタイトルの「ジェノサイド」とは「大量殺戮」の意。 本文中のアフリカパートにおいて殺戮描写が幾度となく出て来ますが、まさに鬼の所業のような、人を人と思わなければ出来ない惨殺シーンが描かれております。 こんな恐ろしいことが実際に行われているのか真偽のほどは定かではありませんが、もし映画を作製するにしてもこの惨状を抜きにしては作品の意趣がそがれることになります。 でもあんな惨殺シーン、文章でもしんどいくらいなのに、ましてや映像なんか絶対に見たくないですから。 最後までドキドキの展開が続き、エンディングの感じからは続編を期待してしまいます。 確かにミステリーというカテゴリーには当てはまらないかもしれませんが、SF冒険小説と思って対峙すればとても楽しめる作品だと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みの問題もありますが、評判につられたせいかちょっとガッカリ。
物語の特異な設定、その後のストーリー展開にはかなり引きこまれましたが、それだけに中盤から終盤にかけての明らかな尻すぼみ感がとても残念。 1人目の殺人内容が暴かれるあたりまではとても良かったのですが、その先中盤からは犯行も推理も細部の造りこみがなんとも「雑」な感じがしてしました。 設定のアイデアは素晴らしいものの、そのあたりの良さを生かしきれなかったのかなあという印象です。 とりわけエンディングにはシックリ来ませんでした。 結局のところ、この犯人はなぜそんなにお金が欲しかったかがよく分からなかったので全く感情移入が出来ませんし。 そもそもあまりに高額な賞金が現実離れし過ぎていて、たとえフィクションと言ってもちょっと引いてしまうような。まるで「ライアーゲーム」みたいな感じで。 最後までドキドキ感はありそれなりに楽しめましたが、こういうリアリティーの無いストーリーは漫画やアニメなどのメディアの方が合っているのかなと個人的に思いました。それでも以前にテレビで見た映画版よりは良かった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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とても気持ち悪い描写があることで有名だったので、読みたいと思ってから手に取るまでかなり時間が経ってしまいました(笑)。
どんでん返しが待っているこの手の小説には、どこかしらに無理が生じてくるので少し苦手ですが、この作品は核心のネタがとてもシンプルだったので、最初から最後まで割りと自然な感じで読めました。 物語がエピローグから始まるゆえ、犯人が最初から分かっているだけに引っ掛かるんでしょうね。 この作品の肝ではありますが、最初に申しました通りかなり猟奇的な殺人描写があるので、その辺りを受け付けられない方ですと評価が少し変わってしまうかもしれません。 それさえ問題無ければ、全編を通しての作者の筆力は素晴らしく、仮にどんでん返しが無かったとしても読み物として十分な作品だと思いました。 |
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読み物としてはそれなりに面白かったですが、評判につられたせいか期待しすぎてしまった。結局のところ、自分の好みに合わなかったというか。
どんでん返しを秘するこの手の小説は、必ずどこかに無理が生じてしまいます。特に、言い訳めいたネタばらしがイヤ。 そのせいか何ともスッキリしない読後感ですし、そもそもあまり感動するようなストーリーでもなかった。 |
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「ミステリー史に残る感動の名作」という触れ込みにひかれて読みましたが、切ないような、心が熱くなるようななんとも言えない読後感がありました。
「主人公=犯人」というこの手の小説におけるエンディングは、最初からだいたい想像出来てしまいますが、それでも最後まで主人公を応援せずにはいられませんでした。 それは、著者の巧みな心理描写もさることながら、最初から最後まで(まさしく最後の一文まで)「家族を守りたい」という優しさが主人公の秀一にあるからだと思います。 タイトルの「青の炎」は主人公の静かなる怒り・揺るぎない意志の例えで度々本文中に使われてますが、隠れたメッセージとして「青春」を現しているんだろうと思います。 本書はバリバリの犯罪推理小説ではなく、倒述推理形式をとった青春小説として読んだ方が良いでしょう。 伏線の張り方がいつも巧い著者だけあって、冗長さや緩慢さなど一切感じない見事な作品の一つだと思います。 |
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スラップスティックでB級サスペンスな味付けながら、本小説はそんなことは関係なし!
話の根幹は「旅」。中年男が自転車で青森を目指す傑作ロードノヴェルです。 訪れた土地、宿や飲食店などの細かい叙述で、旅の感じがダイレクトに伝わる文章がとても良いですね。 何よりも主人公の桐沢を含め、物語に登場する人物がとても魅力的で、本作のロマン溢れる世界に引かれていきます。 自転車、旅行好きの方でしたら、よりいっそう魅力的な小説かと思います。 |
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元々叙述トリック系は苦手ですが、「最後の2行で全く違う物語になる」的な裏表紙の宣伝を見て購入。
「恋愛小説が犯罪小説に変わるのかな!?」くらいな想像で読んでいたので、読了後は何とも言えない拍子抜け感でした。 というか、ネタ自体もそんな驚きも無いですし。 恋愛小説として読めばそれなりに面白いのかもしれませんが、ワタシ的には読む前からワクワクしていた分マイナス評価となってしまいました。 |
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