■スポンサードリンク


非澄 さんのレビュー一覧

非澄さんのページへ

レビュー数3

全3件 1~3 1/1ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.3: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

この設定を受け入れられるか否か

(電子書籍で読んだためか、作中の固有名詞に漢字間違いと思しきところが多く見られました。原著が近くの書店にも図書館にも見つけられないため正誤確認できず。私の読んだ通りの記述でいきます)

タイトルだけ見ると凄惨な連続殺人を扱ったコッテコテの本格ミステリと思われるかもしれない。わりかしその通りなのだが、如何せんびっくりなストーリー展開である。

たったふたりのミステリ愛好会・明智恭介&葉村譲のコンビは、謎の少女・剣崎比留子の仲介もあり、映画研究会の夏合宿に参加できることになる。
大きな湖のほとりに佇むペンション・紫湛荘(しじんそう)。明智はミステリ好きならついつい行きたくなってしまうシチュエーションや、映画研究会に届いた脅迫状の謎につられて半ば強引に合宿参加を打診していた。
しかしそこでは“現実”には有り得ない連続殺人が勃発し、参加メンバーたちもペンションに閉じ込められ脱出することが不可能になってしまう。
美少女探偵・剣崎比留子、ミステリ愛好会代表・明智恭介、ふたりのワトソン・葉村譲、三人の運命と殺人事件の真相は・・・?

タイトルからも予想できるであろうし、比較的序盤でコトは起こるのでネタバレを隠す必要もないのかもしれないが、この作品の舞台・設定は現実には有り得ない。そんな理由から殺害方法(凶器? 犯人?)も予想しようがなく、リアリティを求める人には違和感も強いかもしれない。
とは言えそんな前提も一度受け入れれば、紛うことなき本格へと様変わりする。性質の分からない殺人犯ではあるが、きちんと推理に筋は通っているし、細かな伏線ひとつひとつも丁寧に回収され、無理なく作品を作り上げていると言える。なにより有り得ない世界だからこその斬新さがウリとなって活きてくる。
美少女探偵という設定も言うほど軽い印象は受けないし、終わってみるとやはり本格ミステリだなぁと満足できる。

結局は世界観を受け入れられるかどうかに尽きるだろう。ゲーム世代には親和的だが、推理しながら読むミステリファンには不向きかもしれない。ただ相性を差し引いても、読まず嫌いはもったいない完成度であることは指摘しておきたい。
屍人荘の殺人
今村昌弘屍人荘の殺人 についてのレビュー
No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

ここ最近で一番の当たり

いわゆる「クローズド・サークル」で『そして誰もいなくなった』モノ。本ミス3位はダテじゃない。
1980年代アメリカ(U国)。ジェリーフィッシュなる飛空挺(気球)が世に出回り始め、その新作の極秘研究がある研究所で進んでいた。そして完成を見たそのジェリーフィッシュの航空試験中に、添乗者が1人、遺体となって発見された。次々に起こる異常と殺人。犯人は誰で、どこから来たのか?漣&マリアの警官コンビが真実究明のため駆け回る。

伏線の貼り過ぎのためか、解決編を見てもそこまでスマートな印象を受けない。ただ、そのいずれにもきちんと説明をして筋を通しており、作品自体の完成度はかなりのもの。完結編の予想も高難度となっている。

警察の漣&マリアのやり取りはテキトーな印象を受けるが、漣の執拗な嫌味などは親しみやすさを与え、読者サービス的な意味合いも強そうである。

なにより派手なシチュエーションと「読ませる」展開は圧巻。特に後者はすごく、ここまで夢中になってページを捲った作品もいつ以来か思い出せない。お見事、と言うほかない。

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)
市川憂人ジェリーフィッシュは凍らない についてのレビュー
No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

十角館の殺人の感想

きれいにまとまっていてしかも見事に騙されました。
台詞が多く展開も早いので、本を読むのが苦手な人にもオススメできます。
評判通りです。参りました。

11/7 評価を9から10に。
十角館の殺人 (講談社文庫)
綾辻行人十角館の殺人 についてのレビュー