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永遠の0
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永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1513件 1161~1180 59/76ページ
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戦争モノで重い話なのかと思って躊躇しましたが、百田さんの作品なんで図書館で借りて読みました。 あっという間に読みきってしまい、自分の子供にも将来読んで欲しいと思い、購入しました。 事実と違ううんぬんと★1つの方もいらっしゃいますが、小説なんで。 正確な事実を希望される方はノンフィクションを読めば良いと思いますが・・・・ 通勤で多くの作家の本を読んできましたが、私の中ではベスト1です。 | ||||
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このレビューを書いている現在、私は高校生です。 この作品を読んで私は感動したというよりも考えさせられました。特にマスコミに対して考えさせられました。私は常日頃から親や学校の教師たちに新聞を読め・ニュースを見ろと教えられてきました。新聞やニュースをみることによって知識を蓄え、社会に出ても恥ずかしくないようにと今までさんざん言われてきました。 もう一つ、言われることがネットの情報は信用性がないので信じるなということです。たしかにネットは誰でも書き込むことができ事実とは大きく異なることもあります。新聞などの情報媒体に比べても信用性は低いでしょう。しかしネットの情報が信用性が低く、新聞やテレビのニュースの情報が必ず正しいというわけではありません。 各社の新聞を見比べるとけっこう主義主張がバラバラです。テレビのニュースも偏向報道が目立ち、利潤を追い求めるためだけに報道しているとしか思えないところがあります。 どの情報媒体の情報が正しいとは言いません。しかし世間では新聞・報道番組は信じれるという風潮が存在しているのは確かです。この風潮を打ち砕かないとマスコミに簡単に騙され扇動されるのではないでしょうか。 この作品を読んで、戦争の悲惨さが改めて分かり二度と戦争を起こしてはならないと強く思いました。そしてそのためには何が必要なのか?一国民として考えていきたいです。そして自分が今まで正しいと思っていたことが本当に正しいのかどうかをしっかりと見極めて生きていきたいです。 この作品に出会えて本当に良かったです。自分をを見つめなおすことができました。 | ||||
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今からたった70年ほど前に日本は戦争をしていた。 まぎれもない事実であり、忘れてはならないこと。 戦争を扱った小説というと、敬遠してしまう人もいるかもしれない。 本好きな自分もその一人だったから。 でも、読んで良かったと思う。 死と命の重さを描きながら、それが重く沈んだ作品にならないのは、作者の文体なのか、零戦が登場するからなのか。 とにかく零戦が大空を舞う姿が脳裏に浮かぶ。 技術者とパイロットのプライドの結晶、零戦。 その描写には、ページをめくるのがもどかしいほど。 余談だが、作者の百田氏の「風の中のマリア」も読んだが、空中を疾走する表現は見事だ。 戦争は絶対に反対だが、現代社会にあっても、人はみな闘っている。 仕事で、家庭で、病気で……等々、社会で。 今の平和に感謝しつつ、自分の零戦に乗って明日も、飛ぼうと思う。 | ||||
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とにかく面白いです。 またゼロ戦パイロットの視点から 戦争当時の社会の矛盾、そして 人として懸命に闘った主人公の姿が 伝わってきます。 現代日本で忘れてはいけない、大切な エッセンスが詰まった物語です。 是非、多くの人が読むことを期待します!!! | ||||
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壬生義士伝の太平洋戦争版という感じで泣けました。 家族持ちには涙を我慢できませんね | ||||
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戦争を知らない私が読んだからなのか、わかりやすく戦争のことがつづられているように思います。色んな意味で涙が止まらない本です。最後はきれいな終わり方で、戦争を綴った本の読んだ後のような重いものは感じられませんでした。 オススメです。 | ||||
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私は戦争を知らない28の男ですが、この作品には本当に引き込まれました。 もともと理系で、歴史はからきし苦手だった私は、幸か不幸か中立的な立場で太平洋戦争、特攻、零戦について読むことができたのではないかと思います。しかし… 生まれて初めて、自分の太平洋戦争についての知識の無さを日本人として"恥ずかしい"と感じました。それこそ、戦時中の日本は今の北朝鮮と同じで、国民はみな教育によって洗脳され、喜んで死んでいった。時代の犠牲になった可哀想な人達…くらいにしか思っていなかったのですが。 この作品を読んで考え方が変わりました。詳しくは本文に譲りますが、本当に感動の一言に尽きる作品です。日本人ならぜひ一度読んで欲しいです。 良い映画を観て涙した後、なんとも言えない澄み切った心の感じありますが、この作品を読んだ後、正にその時の感覚がありました。 今回、はじめてレビューしましたが、読後、どうしてもレビューを書きたいと思ってしまったのは私だけでしょうか。 戦争が好きな人も、戦争が嫌いな人も、私よりもっと若い10代の人達も、どうかこの作品を手にして読んで欲しい。 | ||||
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今の時代に生きる青年が、戦争の時代を生きた人から聞く話、ということで この小説が、とても貴重なのだと思う。 特攻隊が、9.11のテロと同じだという表現が出てくる。 えっ、と思う。 そんな風に思うひともいるのかと驚く。 新聞社のエリートが言う言葉として出てくるが、 それに対して、戦争を生きてきた人物は、新聞が果してしまったそのころの 役割について怒る。 今、本当のことが報道されない、そんなところにも現代につながるところもあるのだろうなと思う。 当時のことを語る人物がいて、それを聞く若者がいる。 何のために、今まで生かされたのか、それは、宮部のことをその子孫に語るためだった、とその老人は言う。 間に合った。 この本を書いてくれたことで、間に合った、と思う。 私も、読んで間に合ったと思う。 知っているつもりだったこと、なんとなくそう思わされていたんだと思う。 決して美談ではない特攻隊のこと、改めて知った。 生きること、生きられること、大切に思いたい。 | ||||
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きっかけがあって久しぶりにこの本を開きました。 「名作」「傑作」と冠するには個人的にはしっくりこないですが、平成のエンターテイメント作品として万人に勧めたい良作と評価します。 それに何より、完成度を横に置いても私はこの作品が好きです。 思想的にこの作品の主張が100%正しいかどうか。 戦争描写がどこかで読んだ内容である。 現代パートの登場人物がステレオタイプすぎる。 恋愛場面がチープに感じられる。 他の方々が書いていらっしゃる批判部分は、確かにある程度は感じられます。 ですがそれをさておいても、戦争の中で生き抜いていかなければならかった人々の葛藤・家族愛・矜持などは否定できないじゃないですか。 現代でぐらついている日本人の、根っこの大事なところを見直させてくれる良質のエンターテイメントなのです。 この本を読んで所々で涙ぐむことは決しておかしなことじゃないし、涙ぐめる人が私は好きです。 太平洋戦争マニアの方々から戦争知識の次元で批判されると、この作品の良さはまったく伝わりません。 私の父母双方の親族にも、宮古島・ガ島など戦地に赴いた人たちがいました。 ですが、彼らの中で生きて戻れた人たちも、決して戦争体験は口にしたがらなかったそうです。 それはこの作品で辛い体験を話す老人たちのように、思い出したくも無い悲惨な体験だったと思うのです。 だからこそこの作品は、戦争を知らない世代がこの100年の間に日本にこんな時代があったのだと知る「入門書」として最も優れていると思います。 思想的に・記録的に正しいかどうかは、その後読んだ人の中で興味があれば別の本で調べればいいと思います。 (そもそもそんなに、盲目的に反戦的でも戦争賛美的でも無い作品だと思います。) 「第二次世界大戦には色々な考えがあるから、そのことは頭の片隅に置いてね」と前置きした上で、中学生の人が夏休みの読書をするのにはうってつけの作品だと思います。(勿論戦争を知らない、我々大人の人にもね!) アメリカやヨーロッパの人達にも「日本人個人個人はこんな風に戦争を生き抜いていました」と知っていただきたい作品だし、個人的には中国や韓国の人達にも……カメラの前で燃やされちゃうのかなぁ(笑) | ||||
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25年前に亡くなった父は、予科練の少年兵で、 特攻のために赴いた九州の大村で終戦を迎えました。 父に読ませたかった小説です。 プロローグで 米軍空母の元乗組員が、 急降下してきた“悪魔のようなゼロ”について語ります。 それから この小説が始まります。 26歳。司法試験をあきらめかけてニートをしている“ぼく”−健太郎。 健太郎の姉でフリーライターの慶子。 6年前に祖母が死んだとき 初めて今まで祖父だと思ってきたおじいちゃんとは 実は血がつながっていないことを知りました。 そして今 慶子は、本当の祖父、祖母の最初の夫、 特攻隊で死んだ宮部久蔵について調べ始めます。 最初は姉のアシスタントというスタンスでしたが 宮部久蔵を知る人物と会い、話を聞いて行くうちに、 “ぼく”は徐々にのめり込んでいきます。 最初にあった元海軍少尉から 祖父が“臆病者”であったと聞かされショックを受けますが、 しだいに 多くの証言から、宮部久蔵の真に勇気のある姿が見えてきます。 読み手も 少しずつ形になっていく宮部という人物にからめとられていくように 目が離せなくなります。 妻や子どものために必ず生きる。 だから命が惜しい。 あの時代にあって そう公言してはばからなかった優秀な熟練ゼロ戦乗りの宮部は なぜ、終戦間際の特攻で戦死したのか…。 最後の運命的なクライマックスに胸を突かれました。 戦争によって学ぶ命の重さ、尊さを考えさせられます。 詳細な取材に基づいたすばらしい小説です。 | ||||
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司法試験になかなか合格できずにやる気を失っている26歳の主人公とフリーライターの姉が、戦争で特攻して亡くなった自分達のお祖父さんがどんな人だったのかを調べていくことになる。 お祖父さんを知っている人を見つけ出し訪問し、当時の状況を聞いていく。 どんな状況や思いで戦地で戦っていたのかが語られていく。 そして意外な事実を知ることになる… この本は小説なのですが、当時の戦争の状況や空中戦などの表現もリアルで、胸の熱くなるシチュエーションもたくさんあり、夢中で読んでしまいました。 私がこの本を読んで最初に感じたのは、今の日本では生きることが当たり前すぎて、生きることの貴重さや大切さや楽しさなどが実感できなくなっているな、ということです。 生きる可能性を高めるためにあらゆる努力を惜しまずやり続ける主人公のお祖父さんを見ていると、大した努力もせず将来の心配ばかりしながら生きている自分が嫌になりました。 もっと今生きていることを実感して有意義な人生を送ろうと思いました。 特攻についての我々の誤解や、日本軍の幼稚とも思える戦い方の批判なども織り込まれており、当時の戦争の状況も含めて、筆者が読者に伝えたかったことではないかと思います。 この本はたくさんの人に読んでもらいたいと思います。 | ||||
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日中戦争から終戦直前まで名パイロットであった祖父の軌跡を平成の若者である孫が取材調査する。 祖父が歩んだ人生の終盤が明らかにされる中で、読者は太平洋戦争の大まかな実像を知ることとなる。 太平洋戦争の戦況はもちろんだが、祖父と出会った人達とのインタビュー中で、日本軍が抱えていた組織的な問題、ゼロ戦に浮き彫りにされる日本の兵器の弱点や兵器を生産する日本の工業技術の脆さやらが語られ、大局的に見てもあの戦争がいかに無謀であったかが判る。 そんな勝ち目の無い戦争を最前線で戦ってきた兵士たちの過去を振り返っての本音が綴られている。 特に、最前線の戦いに生き残り、復員し、結婚し、家庭を築いた兵士が語った幸福感が泣けた。 太平洋戦争のことをよく知らない若者や女性が太平洋戦争の実像を知るには良い本だと思う。 ただ小説として見ると、祖父がなぜ最後の最後で特攻に赴いたのかという孫が追い求めてきた疑問への答えには今一つ納得できなかった。 妻と子供と再び暮らすという望みを叶えるため、卑怯者呼ばわりされ、出来得る努力をしてきた祖父が、ああもあっさりとその望みを捨て去るであろうか? 生き残る幸運を手に入れたのに、それを手放すなんて理解できない。 妻と子と平穏に暮らすという望みは、祖父にとってはその程度の物だったのかと興醒めした。 確かに世間的に見れば、祖父の行為は立派だが、妻子への愛は、「良い人」であることより深くなかったということか。 なんか祖父が良い人過ぎて違和感を覚えた。 そんなことで、巷で言われるほどの感動はなかった。 でも、面白い本でした。 | ||||
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自分は戦争をテーマにした本を読んだ事が無かったから、この本を読むのに若干抵抗があった。しかし中身を見てみると、主人公も自分と同じで戦争の話を全く知らない。だからその主人公が戦争を体験した人達の話を聞くときに、あまり身構えずに読めた。 ページ数の多さ、そして戦争という重いテーマにもかかわらず、読んでいた数時間が本当にあっという間だった。 この本を読んで本当に良かったと思う。 友達に勧めたい本だった。 | ||||
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私の父は7年前に他界したが、戦争では志願して少年飛行兵になったと聞いていた。 この本を読ませたかった。 父に感想を聞いてみたかった。 主人公の本当の祖父である宮部は、あんなに生に執着していたのに、なぜ特攻隊として戦場に散ったのか・・・・。 命を惜しまない者などいない。 けれど、そんなことは言えない軍隊という組織の中、宮部の取った行動がいろんな者たちに影響を与えた。 生きる・・・ということ。 家族を守るということ。 戦争ということ。 今の日本で戦争で犠牲になった人たちのことを忘れてはいけないことを痛感させられた。 特攻隊はじめ多くの軍人がどんな想いで死んでいったか、教えてくれた一冊になった。 読んで良かったと思う。 | ||||
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「大空のサムライ」はじめ、海軍航空隊のエースたちのファンだったので作品の存在は知っていたが、しばらく敬遠していた。 理由は「あの」朝日新聞で絶賛つきの広告で載っていたからだ。それでもう「ドン引き」してしまった。あの朝日流の論法で、坂井三郎はじめ西澤、笹井、岩本、赤松らの戦いを侮辱されたら、ちょっと忍耐の限界を超えると思ったからだ。もし、そんな本だったら、ビリビリに破いて捨てたに違いない。 でも、読んでみたら・・・イイ! 全然「反戦左翼」作品ではない。特に、坂井、西澤、笹井中尉らについては登場人物達が敬意を込めて語ってくれるので嬉しかった。 もっとも、最初主人公の姉が「私は、反戦思想の持ち主・・・」とかほざいたところでかなりうんざりしたし、「この頭でっかちクソ女、黙ってろ!」とも思ったが。正直、この姉がかなりウザい。なんで登場させたのかがわからない。これさえなければ、最高傑作だったのに。 ただ、この姉の平和ボケ論に、元軍人が「そんなことは、実際に紛争地に行ってしゃべってこい」と一刀両断するところや、姉の求婚者として出てくる「モロに朝日新聞な記者」の最高に腹立つ独りよがりな「平和論」を元特攻要員が完璧に言い負かすところは最高に気持ちよかった。 かといって、この本「戦争賛美書」ではない。徹底的な特攻作戦批判論である。 よく「靖国史観信者」が誤解するのが、「特攻を作戦論として批判することと、特攻で死んでいった英霊を批判することは、完全に別だ」という点である。 本書は、祖国の愛する者たちの為に特攻で死んでいった英霊については、元軍人たちの口を通して無限の敬意を表している。その一方で、「作戦論としての特攻」については徹底的な批判している。これは極めて納得のいくストーリーだ。 私は、以前から歴史も戦史も読んでいたから、本書を読んで「泣く」ということはなかった。そこしやはりフィクションである。それより気になったのは多くの方のレビューを見て、「うわあ・・・こういう歴史を知らなかったって人がこんなにいたのか・・・」と、そういう歴史教育の実態の貧しさの方が恐ろしくなった。 およそ世界で日本人ほど、自国の歴史を知らない国民は類がない。 その意味では、「歴史や戦史は読まないけど、小説なら読む」という人に、歴史を少しでも知ってもらう意味で、本書は非常に優れた作品であったと思う。 | ||||
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見事! と書いてから、『影法師』の感想もこの一言で感想を始めたことに気が付いた。 やはりこれは本物の作家だ。この読みごたえはどうだ。 前に読んだこの作家の2冊、『ボックス!』と『影法師』も面白くてかつ内容が濃かったし、 またこの作品の素材が太平洋戦争、それも特攻ということで、 重厚な内容であることは想像はしていた。 が、あらためて作家の力量に感服する。泣かせる。 特攻隊員として死んだ謎の祖父について、 孫であるジャーナリストの姉と、語り手となる弟とが、 複数の人物の証言をもとに迫っていく、という話。 生きて家族の元に帰りたい、と当時としては異端の発言をし、 臆病者とも見られながらとんでもない飛行技術を持っていた男とはいったい何者なのか。 人物をめぐる謎解きの物語でもあり、その点は『影法師』とも似ている。 素材は重いが娯楽的要素も十分、ミステリー的な仕掛けも見事。 そしてその結果明らかになるのが深い人間の真実であるというのがもっと見事。 この作家は放送作家としてのキャリアがあるが、小説はこれがデビュー作という。 そこへこの重い素材を取り上げたというのは、 おそらく前々から、太平洋戦争当時の軍、 あるいは戦後の国家に対する半端ではない義憤があったのだろうと思う。 そうした強い思いが感じられる。 しかしそれはいわゆるイデオロギーとは違った、何よりも人間の生き方の問題であるのは、 ほかの作品を読んでも感じられることだ。 あえてまとめるなら、人間が生きていくための真実、 何を大切に生きていくべきか、というような思いとつながるように思う。 そういう意味でとても倫理的な作家だろうという気がする。 構成としては、姉弟の取材に対して複数の人物が証言し、 それによって祖父の人物が浮かび上がる、という形だが、 そうした証言は謎解きの材料というだけでなく、 それぞれの生きた戦争を映し出し、悲惨な時代を鮮やかに蘇らせる。 当然ながらそれは単純なものではない。 生きたいという強い思いがむしろ死につながる皮肉など、 苛烈な運命を生きる人間が背負わねばならない複雑さ重さを描き切ってみせる。 だからこそ最後に涙を誘われる読者が多いのだろう。 以前、サッカー元日本代表の松井選手がこの本を読んでいるとTVで紹介されて、 ちょっと驚いた覚えがある。 松井選手も言っていたが、特攻のことなどよく知らない若い世代が読むといいかもしれない。 また知ってはいても表面的なレベルで済ませているもっと上の世代も、 もっといろいろ考えるためのひとつのきっかけとして、読んでおきたい本という気がする。 | ||||
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何気に手にとって読み始めましたが、ストーリーに引き込まれました。戦争中でありながら誠実であり続けた主人公の生き方に共感を覚えました。そんな生き方は自分のためだけではなく、自分への誠実さがやがては家族を支える大きな財産となっていく。最後の展開はありきたりな印象がありましたが、それでも感動を与えてくれました。久しぶりに感動した一冊です。終戦記念日の今日、このレビューを書きました。 | ||||
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太平洋戦争について知らない人におすすめです。 素直に感動して涙しました。 フィクションですが、遠くない昔に多くの日本人が 戦争で亡くなったことを考えさせられました。 仕事でつらいことがあっても、戦争や特攻に比べたら なんでも無いと思いました。 今の恵まれた環境に感謝です。 20歳の息子がいますが是非読ませたい一冊です。 | ||||
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40歳手前の女です。 もともと太平洋戦争には興味があったけど、 詳しい知識がないので戦争ものは敬遠していました。 この本との出会いはアマゾンで評価の高い作品を探していたことからです。 ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、人間魚雷、戦艦大和、山本五十六など 聞いたことしかない程度の知識でしたが、内容を理解し楽しむために何の障害もありませんでした。 また、読み終わったあとにはそれらの知識を豊富に持っている自分に驚きます。 この作品の特にすぐれたところは言葉の存在を感じさせないところです。 目の前に情景をありありと再現するために、説明に過不足がないのです。 日本の小説は物語といえど、作者の主義主張を全面に押し出しているものが少なくありません。 そのために、文章が邪魔をして物語の中に入り込むことが難しくなります。 しかし、『0』はあくまで透明な文章の向こうに映画さながらの情景が見えます。 不要な文章がないからです。 それだけに、健太郎と姉が議論する場面は興ざめしてしまいがちで、非常に残念な点ではありますが、 全体としてこれほど優れた作品にマイナスをつけるわけに行かないので星5としました。 映画化が決定されたようですね。 今でも、宮部が握った操縦桿の感触と、海面の輝きがまぶたに残っています。 映画ではどういう風に再現されるのか、それも一つの楽しみになっています。 | ||||
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自分の国に誇りを持てない国民が国を護っていけるのか。 昨今の領土問題の危機は決して政治家だけの問題ではない。 私達日本国民の覚悟が問われています。 先の大戦の記憶を消された私達は、 国の未来を信じて命を懸けて戦った、たった70年前の あの戦争の記憶を取り戻すことから始めなければなりません。 著者は本書を紹介するTV番組で執筆動機を、 「戦争を経験した伯父や父が世を去ろうとしているのを見て、 戦争経験者が今日本の歴史から消えていくんだな、 じゃあ伯父や父から聞いた戦争の話を書きたいと思った。」 と語っています(http://www.youtube.com/watch?v=vyck8SujIgo)。 本書の素晴らしいところは、 説教臭いところが一切なく、また甘ったるいラブストーリに堕することなく、 予備知識がなくてもかなり忠実にあの戦争のアウトラインを掴むことができ、 あの戦争の敗因(今の日本にもそのまま通じる)は何かを考えさせられ、 日本の未来の為に命を賭して戦った祖父や曾祖父の生きざまについて思いをはせることができることです。 そして、それでいて最後まで一気に読ませる圧倒的に面白い小説に仕上がっているところがすごい! 多くの日本人が読み、大切な記憶の空白を埋めるきっかけになって欲しいと思います。 映画化が決まりましたが、陳腐なラブストーリーにされてしまわないことを祈ります。 | ||||
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