八日目の蝉

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八日目の蝉の評価:

4.06/5点 レビュー 425件。 A ランク

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平均点4.06pt

Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全556件 541〜556 28/28ページ
No.16
(5pt)

文句なしに、面白い。

どうしょうもない男に不倫の果てに捨てられて、それでも一目その男の妻が生んだ赤ん坊を見て帰るつもりがつい誘拐してしまい、そこから始まる逃亡生活。もう愛情もない男の子供など欲しいものなのか?いや、女はいつのまにか母親になってしまう悲しい生き物なのだろうなと思いました。それは、自分が生んだ生まないは関係なく、愛情をかけられる何かを見つけた時、母親になってしまうのだろうなと思いました。そんな大切な愛情も世間とか現実の前には八日目の蝉のように過ぎ去れば、ただの抜け殻になってしまうのだろうけれど、愛情がつまった土の中のような逃亡生活でも、蝉は確かに息をして輝いていたのであろう、どんな深い愛情がこれ以上にあるのかなと思います。母親は偉大だ。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.15
(5pt)

ラストが素敵!

ようやく地上に出てきたと思ったらたった7日で命を終えてしまう蝉。
もし、自分だけが8日目も生きていたら・・・・。
他の仲間が見ることが出来なかったモノを見ることができたと喜ぶか、
もしくは、自分だけ生き残ってしまったことを悲しむか・・・。
決して簡単に答えられることではないように思う。
両親の愛情をたっぷり受けて育つこと、
それってかけがえのない幸せだと思うけれど、
でも、血の繋がった両親がいないことが必ずしも不幸だとは
言い切れないとも思う・・・。
薫の両親には何だかイラつきばかりが残る。
確かに数年ぶりに我が子が戻ってきても戸惑うだろう。
でも、もう少し愛情を注ぐことが出来たのではないかと思えてならない。
もともとが夫の不倫から始まっているということが
この夫婦を私が受け入れることができなかった要因だと思う。
夫の不倫相手に嫌がらせをする妻というのも
何だか醜く見えてしまうし・・・・。
読了後、この本を読みながら、
私はずっと希和子を応援していたことに気づかされた。
彼女のしたことは犯罪以外の何物でもないけれど、
でも彼女と薫の幸せを願わずにはいられなかった。
幸せな時間をありがとう、という言葉は、
確かに的外れなものだけれど、
でも、あの時間がこれからも希和子を支えていくのだろうと思う。
「どうして私だったのか?」という薫の思いは最もだと思う。
彼女は犠牲者・被害者以外の何物でもないのだから。
ごく普通に生きることすらできなかった彼女・・・。
でも、未来は明るいものであって欲しい。
爽やかで逞しさを感じさせるラストが素敵。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.14
(5pt)

母性の悲しみ

子供の産めなかった私には、主人公の気持ちがよくわかる。
人の子供でも、赤ちゃん 育ててみたかったもの。まして、愛する男の子供なら・・と
思う。幼気な可愛い手で、しがみつかれてみたい。ママと呼ばれてみたい。
そんな気持ちが高じて、主人公は誘拐・逃亡してしまったと思う。
その命と願いを守るために、逃げて、逃げて、見つかりそうになったら、
世話になって人にも背を向けて逃げまどう日々。
さぞ切ない日々だったでしょう。
逃亡生活を描いた前半は緊迫感があり、引き込まれました。
後半は成長した子供の話ですが、基本的にはこの物語は女性の話。
男性の読者には 深い気持ちは理解出来ないと思います。 
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.13
(4pt)

引き込まれる

0章で起きてしまう赤ちゃん誘拐事件。1章では、犯人が捕まるまでの逃亡生活がスリリングに展開する。そして2章では、事件が被害者に与えた影響が、成長した彼女の生活と回想を織り交ぜて描かれている。
赤ちゃんと2人でなんとか生きていこう、という犯人を応援する視点に引き込まれてしまっている自分がいて、2章で「あなたは子どものころ、世界一悪い女に連れていかれたの」という言葉が出てきたときには、思わずはっとさせられてしまった。
この小説を読むことで、ひとつの出来事が視点によってだいぶ違ったものに感じられる、ということを改めて教えられた。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.12
(5pt)

入り口を間違えたピュアネス

 1章が切ない。犯罪者に共感してはいけないと思いながら、希和子と薫のきずなの深さにグッと涙がこみ上げる。どう考えてもゴールが幸せであるはずがないからこそ、今この瞬間の幸せを引き延ばしてあげたい。
 そしてその極限状況の中で出会う、底辺の人々の奇異さを、かえって自然に感じる。同病相哀れむというか、社会に背を向ける人たちは、それはそれで引き合うのだなあ、と思う。薫がけなげでいとおしい。
 2章はまた恵里菜の皮肉な生活が描かれる。希和子そっくりの不倫は、読者を含めた全ての人を傷つける。
 希和子と恵里菜の絆は、入り口を間違えた。でも、その純粋さ・美しさは否定されるべきではない。ラストに救われる気がした。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.11
(5pt)

どうか皆が幸せに

角田さんのラストにはいつも気持ちが救われる。人物全員の先に見える光が、私自身にも見えた気がした。それほど読後感の爽やかな本だった。
不倫相手の子を連れ去り、血のつながりもないその子を全力で愛する。本来なら許されない犯罪者である彼女に、なぜか心が動いた。私自身思いっきり入り込んでしまったのだろう。薫が、またあの島に戻ろうとひとりでアパートを出たことがあったが、薫があの島での女との生活を愛しく感じたかと思うと、その事実に、なぜか安堵感がこみ上げてきた。
毎日、ニュースで見る様々な犯罪の背後にも、そんなドラマがあるのかと思う。もちろん犯罪は許されることではないのだが。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.10
(5pt)

すべてを捨てても、だた一つ大切なものを守りたい強さ

不倫相手の赤ん坊を誘拐して逃げる女。
どうしようもない男のために人生棒に振ってバカだな・・・と、どこか冷めた視点で読んでいたのですが。
中盤、追い詰められて、迷うことなくなにもかも捨てて逃げ出そうとするところでなぜか、不意に泣けてきました。ほんと突然に、何かが私の中で弾けたように。
その後も、ずっと、心を揺さぶられるというか。(陳腐な表現しかでない自分がもどかしい)
もしかしたら私が今現在、女で、小さな子供がいて、夫がいて、住むところがあって、平穏に暮らしていられるからかもしれません。
そんな平凡な日常を、どんなに願っても手に入れることのできない主人公の、「ただこの子と一緒にいられるだけでいい」という強い思いと行動は、私に何かを訴えてくるのです。
主人公は犯罪を犯し、身勝手な行動で周りを不幸に巻き込んでいるのだとしても、とりあえずそれは置いといて、今この瞬間の、二人の幸せが続いたらいいのに、と思わせます。
捨てられないものだらけなのに、持っているものの大切さも理解していない。そんな自分に気づかされた一冊です。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.9
(4pt)

血のつながりも、恋愛を超えた愛

著者はじめての長編サスペンス。
実際にあった事件の小説化なのかな?って思ってしまうほど
リアリティがありました。
揺るがないあたたかい愛情に包まれた作品だから重さや暗さがない。
角田さんだからこそ成せる技です。
血のつながりってなんなんだろう・・・。
薫ちゃんへの希和子の愛情はまさに母親そのもので、
2人の中間に不倫相手の男性なんてもはや存在しないほどに強固なものになっていた。
果たして薫ちゃんにとって、実の両親と暮らすことが幸せだったのか、
それともあの島で希和子と暮らすことが幸せだったのか・・・。
でも、「なぜ私だけが」と思ってきた被害者意識を、
「なぜ私たち家族が」と広く感じられるようになれば、
壊れていた家族はきっと再生する。
この家族はこれから新しい家族を迎え、
やっとこれから本当の家族になっていくのだな、と
光を感じるラストがすがすがしかった。
できれば希和子のために、
サスペンスではなく、親子の愛情を描いた作品として読んであげてほしいです。
住民票も保険証もないのに、
若い女が赤ん坊を抱えて知らない土地で生きていけるなんて不可能な話。
でもこの都合の良さにはあえて目をつむります。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.8
(5pt)

子供が愛しい。

ここに出てくる誘拐された子供は、私が忘れていた我が子と接した当時を思い出せるほど、丁寧な描写がたくさん出てきます。
どうして、ここまで、小さな子供のしぐさまで描けるのだろう。
読んでいて、わが子が小さかった頃を一つ一つ思い出して、懐かしくて涙が出てきました。
ストーリー自体もはらはらどきどきでおもしろかったのですが、もう一人の主人公の誘拐された子供が愛しくて読んでいて胸が締め付けられる思いでした。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.7
(5pt)

泣ける

この本を読み終えた時、泣いていた。べつにどの登場人物に共感するわけでもないし
同じような体験をした人もいない。妊娠もしていないし、堕胎もしていない。
内容的には辛辣な部分が多くある。しかし何故だが、読み終えた時とても優しく
せつない気持ちになるのだ。
角田光代さんは、全作品通して言いたい事は同じような事に思える。
女同士の友情、母親への懸念、めぐりくる立場の変化、家庭、主婦、そういったものだ。
この作者の作品で「彼女のこんだて帖」という、ほぼ自分のエッセイも混じっているのかも
しれないと思わしき母親への気持ちを、料理という題材を使って書いたものがある。
それと同じように、この八日目の蝉でも、「家庭の味」「料理」といったものが
リアルに描かれている。
彼女の書く文章や人と人とのやりとりには温度があるのだ。じめっとした、女同士の
閉ざされた世界で守る永遠の処女性のようなもの。それを尊く思う気持ちと
毛嫌いする気持ちが混在するのは何も少女に限った事ではない。
大人になってもなお、それをひきずったまま殻から出られない女性を書かせたら
この人の右に出る者はいない。
この本はミステリー仕立て(謎はないのだが)になっていて、先が気になり
どんどん読み進めていく事ができる。そして最後にはやりきれないせつなさと
ほっこりした優しさ暖かさ、そして失ってしまったものへの憧れなどを感じられるだろう。
みんなが未来に向かって歩き出そうとしている終わり方もいい。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.6
(4pt)

子供に与えられた試練の大きさ

ひな鳥は、最初に見たものを親鳥と思って慕うという話を聞いたことがあります。時として親を失った異種の動物の子供を育てたというエピソードで語られる動物もいます。物ごころつく前に一番愛情を育ててくれたもの=親という式はちっとやそっとでは崩れないだろうけど、最初の親(と思っていたもの)が断りなしに消去されて、次候補というものが補充されたとき、すぐにそれを<=親>と認めるのはどんなに大変な作業だろう。と、同時に、自分ではない誰かが愛情を注いできたものを、突然=わが子と認識することも非常に難しいことであろうと思う。その子供の目の中には、きっとまだひとつ前の愛情記号が色濃く残っているだろうから。
本書のテーマとは少しずれているのだけれど、一番強く想起したのは、そういうことでした。血のつながった親子でも、子=親という絆がしっかり組めない親は増えつづけていると思うけれど、(実際、本書は、実の親よりも、仮の親のほうが、子どもとの関係は自然なのだが)そういう子供が、これから成長して、世の中に増えて、親というフィルターを通さずに、どういう世界観を持つのか、自分と世の中のつながりをどう考えるのか、とても気になる。
ミステリーなので、内容は伏せます。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.5
(4pt)

早く先が読みたいと思える本

不倫相手の赤ちゃんを誘拐してしまう女と
誘拐された子供の話。
前半は犯罪者になった女の視点からの逃亡生活。
後半はさらわれた子供が成人し、その視点からの
なぜ他の誰でもなく自分がさらわれたのか?という憤りや
さらわれたから変わってしまった家族との距離、
女がなぜ犯罪に走ったのか、さらわれた子供の
両親が女に対してどのような苦しみを与えたのか。
が書かれている。
久しぶりに先が読みたくて、途中で中々やめられなかった作品。
細かく考えてしまうと、頻繁に熱を出したり病気になる
赤ちゃんが保険証もない女に子供になるまで無事に
育てられるのはおかしいだろうと指摘したくなるけど
これは物語なのでそれもありと思って読んだ。
前半の逃亡生活のほうが、ハラハラしてミステリー
じみていて面白く読めるかな。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.4
(5pt)

引き込まれました。

最近では「薄闇シルエット」も良かったのですが、これはさらに良かったです。
ぐいぐいと引き込まれ、つい最後まで読まされる本。
一つひとつの事件の背景にあるそれぞれの事情や思いについても考えさせられます。
誰が、何が正しいのかはわかりませんが、そんなもどかしさも丁寧に描かれていて満足しました。
大変読みやすい構成で、テンポも良くオススメです。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.3
(5pt)

どこからでも生きてゆける

赤ん坊をさらって育てる。それは社会的にみて、当然犯罪です。
だけど、その赤ん坊を心から愛して育てていても
それはやはり罪なのでしょうか。
この本を読んで、そんなことを考えました。
流転する人生を生きる主人公の印象は、なぜかいさぎよい。
そして感じたのは、人はどこからでも生きていけるということでした。
ヘコんでも、なぎ倒されても、放り出されても。
読後は爽やかです。
世間からみた幸せ、という幻想にふりまわされなければ
どんなところでだって幸せを感じることができるのだということを
あらためて感じさせられました。
瀬戸内海をずっとみつめていたい、そんな本です。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.2
(4pt)

素敵な小説!

角田光代「八日目の蝉」
別れた不倫相手の夫婦にできた赤ちゃんを、
誘拐してしまった女性とそれに関わる人々の物語。
本の紹介にはサスペンスと書いてあったが
これがサスペンスにあたるかどうかは疑問かな。
あえていうと最初から犯人が分かっている倒叙もの。
しかし、誘拐した女性がどうなるか、誘拐された子供や
子供を誘拐された夫婦がどうなっていくのか、そして・・・
と、はらはらするという意味ではサスペンスの一ジャンルか?
小説「空中庭園」で家族の絆の意外なほどのもろさと人間性の
不条理を描いた作者が、別の形で提示する家族や人間の絆。
そんな一般論は別にしても、ストーリーテラーとしての
作者の本領が発揮されていて、とても面白い小説だった。
登場人物が、ぽろっと口にする言葉に味わいがある。
この小説の中心的な物語とはずれて、子供の時に感じたこと、
大人になって振り返る子供の頃、親と子供の間で抱く思いの
違い、子供時代から大人への独立心、そのようなものも
あわせて感じることができるのも、この小説の楽しみかも。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.1
(5pt)

読書の楽しさを教えてくれる一冊

不倫していた相手の家庭に忍び込み、生まれたばかりの赤ん坊を盗み出し、その子と一緒にいたいがために逃げ続ける女性…
安定した文章、テンポのよさ、最後まで維持される高いテンション、ここのところのダントツ一番、角田光代ってこんな感じのも書くんだ、読書の楽しさを教えてくれる一冊って皆に言いたくなります
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165