(短編集)

私が語りはじめた彼は

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評判

私が語りはじめた彼はの評価:

3.83/5点 レビュー 46件。 D ランク

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平均点3.83pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全44件 41〜44 3/3ページ
No.4
(5pt)

美しい文章ってこういうことをいうのか!

 美しい文章、うまい文章、というのはこういうもののことを言うのだと、実感した。 文章自体美しく、そして、内容も痛みを伴った美しさ。 村川という男女関係に奔放な大学教授を核とした6つの短編集。 村川自体は直接登場することなく、彼の存在によって人生に影響を受けた人々の人生が描かれている。 その6つに共通するのが身体のどこかにあけられた穴。 美しくも痛ましい穴が、彼らの中に開いて、そしてそれを自覚しつつ彼らは生きていこうとする。 あるものは虚しく、あるものは強い意志の元に。 ラストにはとくにラストらしい終わり方。 最後はうまくきれいに終わらせてくれるあたりもとても良い。 それが、とってつけたような簡単なわざとらしい感じになっていないのも、この人は本当にうまい作家なんだなぁと思わせる。  すごい。作家って、そう簡単になれるもんじゃない、と、自分との才能の差を実感させられる。作品。
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4104541036
No.3
(4pt)

愛から出づるもの

 ぐいぐい引きこまれて読みました。帯の金原瑞人氏の絶賛の言葉がなくとも、(帯が過剰に誉めている場合は、大抵半信半疑で読み始めるのですが)充分満足できる作品だと思いました。 暴露や殺人?絡みのミステリーの要素あり、愛を巡る心理的展開あり、軽さに流れ過ぎない程よいテンポに引っぱられて、全6章を一気読みでした。 章ごとに関係する人物が重なっていき、その関わりのおもしろさに、どこで繋がるのか?どう決着がつくのか?と、一人先走ってしまうほど。 「かつて、たしかに愛は存在した。」・・・帯のその言葉が、読了した時点で立ち上がってくるのです。愛を奪う者と、奪われたものとの間にある確執。そこから飛び出ることで、精神の安定を保とうとする元の妻。父を奪われたことで、人を恨むことを覚えた子供たち。章が進むにつれて、様々な謎が重なりあい、絡みあい、登場人物たちの内的世界の描写に魅惑させられました。人の心の襞、多面的な愛の様相、凄みをおびた執心、壮絶さ。暗くほとばしるような愛の物語を、三浦しをんさんは、語りきってくれました。
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4104541036
No.2
(5pt)

題名秀逸、珠玉の連作短篇集

題名はある詩人の作品の一部を流用したものだそうだが、とても美しく心に残ることばだ。ふと我に返ると、背表紙の題名に突き動かされている自分に気づく。以前「ロマンス小説の七日間」(角川文庫)を読んだことがあったので、ぼくの中における三浦しをん観が180度ひっくり返った。ある大学教授がキーパーソンとなって様々な愛のかたちが描かれている。些細なことかも知れないが、男と女がいて、爪を切る場面があって、「月を切る」という表現が出てくる。ハッとさせられるような研ぎ澄まされたことばが到るところでスポンと作品全体におさまっている。ストレートには描かれていない愛の断面に、ぴったり添うような不思議な情緒を醸し出していると思う。読み終えたあと、心の中が静かになった。
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4104541036
No.1
(5pt)

愛だけではなく

~そこには彼を愛する人がいた。心底愛してしまった人がいた。けれども彼だって、愛される限りの人ではない。彼も、求め愛した人なのだ。でもそれだけでは足りないらしいのだ。結晶、残骸、予言、水葬、冷血、家路という連作短編集。三浦しをんの日本語が好きです。強く信念の通った一つの言葉が語り手を通して伝わってきます。~~それは辞書にも百科事典にも表せません。彼女の特別なものなのです。だから私には語れません。ただ、読んでください。~
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4104541036