漆黒の王子
評判
漆黒の王子の評価:
3.90/5点 レビュー 10件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1〜14 1/1ページ
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漆黒の王子の評価:
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
これまで、高校生のハルタとチカのコンビが活躍する連作青春ミステリ短編集「退出ゲーム」や、2008年発表の第3作目の長編「1/2の騎士」などを楽しんできたが、この第2作目の本作品も、高品質なミステリ作品であると思われました。
この作品は、「上側の世界」と「下側の世界」という二つの章が交互に描かれて、物語が進行します。
この「上側の世界」では、ある地方都市の暴力団組織の組員が次々と怪死するという事件が発生。
「ガネーシャ」と名乗る人物からの脅迫状がメールで届いていることから、「殺人」と思われるのですが、「殺しの痕跡」が見当たらず、眠ったらそのまま、目覚めずに死亡していたという状況。
どうやって、犯人は犯行に及んでいるのか、という「大きな謎」が提示されます。
一方、「下側の世界」では、都市の地下に江戸時代に作られた暗渠で暮らす人々が描かれます。
この部分は、登場人物達が現実から遊離しているような感じで、著者の作品が、ファンタジー+ミステリの作風と言われるのもここからきているものと思われます。
しかし、この著者の作品は、その作風とはそぐわないような「社会性」も組み込まれているのが大きな特徴です。
私は先述の短編集や長編を読むうちに、巻末の「参考文献」を読書の途中で見るようになりました。
読んでいる途中では、どうしてこんな書物が「参考文献」なの?と感じてしまう書名が並んでいます。
ところが、ラストにくると、これが、物語展開にうまく適合する。
なるほど、そういう発想で、結びつくのか──と。
たまたま最近は、古典的ミステリを再読してきたこともあって、これぞ21世紀のミステリだ──と強く感じてしまいました。
ミステリの誕生から、150年以上経ちましたが、常に進化しているということを実感させる良作です。