水の時計

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

水の時計の評価:

3.93/5点 レビュー 29件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.93pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 21〜35 2/2ページ
No.15
(4pt)

作者の中でも消化不良の部分があったのでは?

全体的に出来のよい作品だとは思う。
でも、もう一つこちらの胸に迫ってくるものがない。
小さな謎を先送りにして読者を引っ張ろうとする手法があざとく感じられもする。
やはりデビュー作なのだから真っ向勝負でよかったのではないか?
ただ書ける人であるのは間違いないと思う。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.14
(2pt)

キレイで純粋な話を期待してはいけない。

本の裏にあるあらすじを読むと、なんとなく透き通った
キレイな話を期待してしまうのだけど、決してそんな話じゃない。
寓話ということで、幸福の王子を背景においた作品なんだけど、
妙に生々しくて(ほめてない)気持ち悪かった。
幸福の王子は、おもしろいんだけどそれをリメイクした本作がおもしろいか、
とうのはまったく別の話しで、本家にあった可愛らしさがなくなった分
ちょっと受け付けなかった。
構成はオムニバスで様々な境遇の人に臓器を届けていく。
ただ、先入観なしに読めば読めないことはない。
臓器を届けることがメインではなく、その届けられる人のエピソードが、
メインになっているので、純粋に短編として楽しめた。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.13
(4pt)

こんな夫婦になれたらいいな

臓器や角膜など提供を望む患者とそれを与えたい人間、決して相容れない関係に対して踏み込んだ作品。人の命の尊さに感動した。特に感動したのが、心臓疾患の夫に黙って家を出た余命3ヶ月の妻の話。余生を海外で過ごそうとずっと話していたにも関わらず、何も言わず離婚届けに印鑑を押して出て行ったのは、その告知を聞いた夫が平常心でいられず心臓発作を起こしてしまうと心配してのことだった。それに気付いた夫は、なんとか妻の最後を看取ることができたが、そんな妻と一緒に感動したり夢を見たこの心臓を取り替えたくないという夫の言葉にも感動した。こんな夫婦になれたらいいなと思う。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.12
(4pt)

きれいな月明かりが浮かぶ作品だが、内容は脳死や臓器移植と医学的にも重いテーマ

脳死と判定されながら、月明かりの夜に言葉をしゃべることができる葉月は、高村昴をつかって自分の臓器を移植が必要な人に分け与える。葉月と高村昴は実は不思議な因縁があるという。
テーマは脳死や臓器移植と医学的にも重いテーマですが、この小説の描きかたが絶妙なこともありますが、きれいな情景が浮かぶような作品に仕上がっていると感じました。まるで、きれいな月明かりが目に浮かぶようである。
最近は、医療裁判が多くなったという。もっと医師は患者の立場に立って説明をする必要はあるだろう。医師と患者が共にコミュニケーションが取れればいいのである。患者も患者だが医者も医者という感じだ。お互いに気持ちのいいコミュニケーションを心がけたいものだ。
臓器移植というものも理想と現実の間でギャップがあるなという感じがするね。臓器移植自体は認められているとは思うが、お金がかかるという事情はあるようだ。裏でいろいろ動いているという感じもする。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.11
(4pt)

童話をベースにしたミステリー

 童話「幸福の王子」をベースにした、臓器移植を扱った物語です。どういうわけか月の晩に会話だけはできる葉月は、自分の臓器を必要としている人に移植することを望み、主人公に依頼します。そのときの理由はただ単に主人公が凄腕のライダーであることだけですが……実は葉月と主人公の昴には、意外な縁があったのです。そこらへんが一気に発覚する第五幕&最終幕が、やはり一番好きな場面です。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.10
(5pt)

透明感

この一言に尽きる。「透明」
透明すぎてつかみどころがないというのも事実。
死ぬことも生きることも出来ない少女が望んだことも、少年に課せられた義務も、透明なのに残酷。
何だか考えさせられる話。長編なのに、短編集を読んでるような錯覚さえ起させられる、緻密な物語。
一度読んでみて欲しい。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.9
(3pt)

少年のその後が知りたい

脳死・臓器移植・家族・生きること。
それぞれが絡み合って、私たちにたくさんのことを考えさせます。
自分の臓器を提供する少女と、それを運んでいく少年。
臓器を貰う、違った境遇の人たち。
みんなに人生があって、なにが幸せかは人には分からないなぁと思いました。
非現実的な背景があるので、身近には感じませんが、主人公の少年の苦悩は伝わってきます。
ドナーからどんどん臓器がなくなっていき、それでも臓器提供を希望する脳死のドナー。
ちょっと怖いような気持ちにもなりました。
それでも、最後の臓器を提供し終わり、本当の死がやってきた少女と、臓器を運びつづけた少年の未来がどうなるのか、、、微妙なところで結末しているのが、なんだか物足りない気持ちになりました。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.8
(5pt)

☆★

これは「病」と「幸」との関係を書いたミステリー作品です。本作はそれぞれの人の人生をオムニバス風に詩的、幻想的な筆致で語られます。       この物語の冒頭に有るのは オスカー・ワイルド氏による童話「幸福の王子」の要約です。像で有る「王子」は一羽のつばめに頼み事をします。身に付けている金箔や宝石を貧しい人々に届けて欲しいと言う。さっそく、つばめはルビーやサファイアを剥がし人々に分け与えたのです。本作はこのワイルド氏の童話を元に繰り広げられています。主人公は、暴走族「ルート・ゼロ」の幹部で有る高村昴は、警察に追われているところを謎の初老の男に助けられる。昴は、閉鎖されたホスピス(病院)に連れて行かれ、そこに入院している葉月と出会い昴は、彼女の奇妙な依頼を受けます。               本作は「幸福の王子」の話をただ丸々なぞるだけでなく、<生><死>の狭間を「寓話」として成立させています。さまざまな人間関係、それぞれの思い、事情、現実を現代社会を生きる人々を通し観ていきます。        個性的なキャラで展開されていく本作はどんどん続きが読みたくなります。 改めて人間とは一人ではどんなに頑張っても生きることは出来ない。たとえ一人でもイイから自分のためにいてくれるからこそ諦めずに進んでいけるのだと思いました。次回作にも、さらに期待デス☆
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.7
(5pt)

ひさびさの大ヒット

脳死判定と臓器移植にまつわる話です。人物、自然、建物の表現がとても丁寧でシルエットが自然と浮かんできます。それがまたノスタルジックで、ある意味、不気味でもあります。ひとつひとつの臓器にまつわる内容がオムニバス風に書かれているのですが、どれひとつとっても、短編作品としても十分なほど、丁寧に書かれています。なおかつひとつひとつのテーマがきっちりとあり、どれも現代社会を表すポイントをついた内容です。ストーリーは最後まで結果がわからず、息を抜けない作品でした。横溝正史賞受賞作品は、このところ、サイコテーマが多く感じますが、その中でもこの作品はひさびさのヒット作品と感じました。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.6
(5pt)

生きること、死ぬこと

第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。脳死と診断されながらも、月のでる夜に限りって言葉を話すことのできる少女、葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷かつ哀しい運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を移植を必要としている人々に分け与えるということであった。それが実現されたとき、葉月は安らかな死をむかえられるのか…。生と死の狭間を克明に描いた、物語です。脳死を使ってこんな物語を描けるとは…とその題材に驚きました。
水の時計 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 水の時計 (角川文庫)より
4048793012
No.5
(2pt)

『幸福の王子』に頼りすぎ

 なんやかんやで読むのに時間がかかったが、大して面白くなかった。寓話「幸福の王子」を持ち出した所は、非常に興味をそそられ、また期待も大きくしたのだが、悪い意味で新人らしくあまり上手いとも言えない文章がどうも受け付けられなかった。『あたえるじゆうとあたえないじゆう』などと言って臓器移植へ倫理観的立場からの問題提起をしている。しているのだがその答えは小説の中には無く、自己完結的に、問題は解決したようなしていないようなというようなもどかしい場所に放置されている。『読者に考えさせる余地を残しているのだ』と言えるのかもしれないが、この貧弱な筆致に促されるような想像力などあいにく持ち合わせていない。(以下は少しネタばれになるかも) もう一つ気になるのは、タイトル「水の時計」の扱いのいい加減さだ。大体作中にタイトルをこれ見よがしに出現させる小説にろくなものは無いと思うのだが、この小説も例外ではない。30ページ目ぐらいに『水の時計』がその由来とともに出てくるのだが、『人間のからだの組成の90%は水で、その水が月の引力に引っ張られる事で脳死患者の時が動き出す』というのはあまりに酷すぎるのではないだろうか。何の情緒も無いというか、ロマンチストに対する冒涜というか、反リリカルというか。正に看板に偽り有り。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.4
(4pt)

モチーフは「幸福な王子」。テーマは臓器移植

モチーフは「幸福な王子」。テーマは臓器移植。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。脳死と診断されながら、月明かりの夜だけは特殊な装置を使って話をすることのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない葉月が望んだのは、自分の臓器を、移植を必要としている人々に分け与えること―。葉月の臓器の運び屋に選ばれたのは、暴走族・ルートゼロの幹部、高村昴。葉月がたったひとつ望んだこと。それは、臓器移植先を昴に選んでもらうこと。臓器移植を望む人、必要とする人はたくさんいるが、その中から昴は何故その人を選んだのか?各ケースごとの人間模様を丁寧に描いている。ラストは、キレイに冒頭とリンクし、ひとつの美しい物語を形成する。あまりにキレイで、あまりに美しくまとまってしまったせいで、なんとなくこぢんまりとしてしまったのが反対に残念な気がしてしまうほど。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.3
(3pt)

ちょっと漫画っぽい?

テンポよく最後まで、トントンと読めます。章の最初に、章の伏線的な短い文章があるのも、映像的で演出がいい。お話も、臓器移植という、なかなか重い話題を疲れさせることなく読ませてくれて、面白かった。ペラペラやってたのが、いつしか一気読みになっていたので・・・。でもちょっと、漫画っぽい印象なのが気になった。てわけで、★3ツ。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.2
(5pt)

オスカー・ワイルドの幸福の王子が好きな人はぜひ

幸福の王子の役割を果たすのは、交通事故で脳死状態に陥った少女。特殊な装置によってある時間帯だけ彼女の心のうちを言葉にすることにできる。生前ドナーカードを用意していなかったが、彼女は自分の体の一部一部を移植できる人に与えたいと強く願う。その願いを託された少年は希望をかなえてあげるが、、それは生きているのに精神病のレッテルを貼られた自分の兄と脳は死んでいるのに器具によって生きている少女をいったい生きているのか死んでいるのかと同一視する気持ちからだろうか。後半少年と少女の過去のつながりも明らかになりとにかく最後まで一気に読んでしまった。テンポもよく◎
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826
No.1
(4pt)

みどころのある新人

オスカー・ワイルドの「幸福な王子」を下敷きにしている、というだけで、なかなかみどころのある作家だと思う。臓器移植についての問題提起も含みつつ、ミステリーとしても上出来。主人公が、本当は勉強もできる孤児の暴走族、というのが嘘っぽいし、ところどころ「デビュー作」っぽい青さがあるけど、面白かった。頭が良さそうな作家なので、今後こぢんまりまとまらないで欲しいですね。
水の時計 Amazon書評・レビュー: 水の時計より
4048733826