フラッタ・リンツ・ライフ

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評判

フラッタ・リンツ・ライフの評価:

4.68/5点 レビュー 28件。 B ランク

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平均点4.68pt

Amazonレビュー一覧

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全61件 41〜60 3/4ページ
No.21
(4pt)

戦争論

戦闘機を操縦しているシーンの描写が長く続くところがあったが、あまりイメージできなかったので、この部分については適当に読み飛ばして読んだ。
全編を通じてこの作品に込めた森博嗣の生命に対する哲学が感じられたので読んでよかったと思っている。だから4つ星にした。
ただし、物語の終盤では主人公の言葉を借りて作者自身が戦争(というよりも戦闘行為)に対する持論を展開しているが、この重要なポイントで全く共感することができなかったこともあり、あまり好きな作品とは言えない。
世の中には戦争に直接関わる人間や実際に戦闘行為をする側から語る映画や小説がたくさん存在するが、これら多くの作品に共通して言えることは、彼らには戦争の大義名分だとか政治的な意味とは関係ないところに自分の行為に対する確固たる動機があるということである。
主人公や草薙水素にとって戦争とは空を自由に飛ぶことなのだそうだ。
「人は力を持っている。力に憧れている。力が欲しい。それが自由だと知っているからだ。・・・僕は飛べる。それが僕の力であり、自由なのだ。そして飛び続けるために、僕は戦う。・・・」と述べている。俺は正直こんな考えの人間が嫌いだ。
自らの刹那的な開放感や自由のために、人間は生きているのではない。自分の行為がどのように世の中に波及効果を与え、生存する人々やバトンタッチをする後世の人々のためにどのような世の中を実現していくのか・・・、それを想像する知性がなくなったら、人間は野獣同然である。なんだか自由を振りかざして権利ばかりを主張して暴れまわった全共闘世代の若者の論理のようで全く共感できなかった。
でも逆に言えば、クリタがキルドレであり、永遠の生命を持つ体であることがそのような思考を不可能にしている、つまり逆説的に生命が有限であることこそが戦争回避への一つの道筋であるとでもいいたかったのだろうか?俺にはそれを読み取ることはできなかった。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.20
(4pt)

戦争論

戦闘機を操縦しているシーンの描写が長く続くところがあったが、あまりイメージできなかったので、この部分については適当に読み飛ばして読んだ。
全編を通じてこの作品に込めた森博嗣の生命に対する哲学が感じられたので読んでよかったと思っている。だから4つ星にした。
ただし、物語の終盤では主人公の言葉を借りて作者自身が戦争(というよりも戦闘行為)に対する持論を展開しているが、この重要なポイントで全く共感することができなかったこともあり、あまり好きな作品とは言えない。
世の中には戦争に直接関わる人間や実際に戦闘行為をする側から語る映画や小説がたくさん存在するが、これら多くの作品に共通して言えることは、彼らには戦争の大義名分だとか政治的な意味とは関係ないところに自分の行為に対する確固たる動機があるということである。
主人公や草薙水素にとって戦争とは空を自由に飛ぶことなのだそうだ。
「人は力を持っている。力に憧れている。力が欲しい。それが自由だと知っているからだ。・・・僕は飛べる。それが僕の力であり、自由なのだ。そして飛び続けるために、僕は戦う。・・・」と述べている。俺は正直こんな考えの人間が嫌いだ。
自らの刹那的な開放感や自由のために、人間は生きているのではない。自分の行為がどのように世の中に波及効果を与え、生存する人々やバトンタッチをする後世の人々のためにどのような世の中を実現していくのか・・・、それを想像する知性がなくなったら、人間は野獣同然である。なんだか自由を振りかざして権利ばかりを主張して暴れまわった全共闘世代の若者の論理のようで全く共感できなかった。
でも逆に言えば、クリタがキルドレであり、永遠の生命を持つ体であることがそのような思考を不可能にしている、つまり逆説的に生命が有限であることこそが戦争回避への一つの道筋であるとでもいいたかったのだろうか?俺にはそれを読み取ることはできなかった。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.19
(5pt)

生へ

空にいるときは、鮮明に。地上では、霞のような感覚。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.18
(5pt)

生へ

空にいるときは、鮮明に。地上では、霞のような感覚。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)より
4122049369
No.17
(5pt)

いろんな人に読んでいただきたい本

 今まで読んできたスカイ・クロラシリーズの中で一番感動しました。
 主人公の周りにいるさまざまな人の心情も想像でき、心の葛藤なども上手く表現されていたと思います。読んでいて、無理なくスッと感情移入できました。
 また、情景を表す単語が羅列的に並んでいるページもあり、一枚の絵を見ているかのように感じたところもあります。
 情景描写と感情描写とが入り混じって、読み手に大きなインパクトと細く長くの余韻を残してくれます。読んで損は無かったです。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.16
(5pt)

いろんな人に読んでいただきたい本

 今まで読んできたスカイ・クロラシリーズの中で一番感動しました。
 主人公の周りにいるさまざまな人の心情も想像でき、心の葛藤なども上手く表現されていたと思います。読んでいて、無理なくスッと感情移入できました。
 また、情景を表す単語が羅列的に並んでいるページもあり、一枚の絵を見ているかのように感じたところもあります。
 情景描写と感情描写とが入り混じって、読み手に大きなインパクトと細く長くの余韻を残してくれます。読んで損は無かったです。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)より
4122049369
No.15
(5pt)

ミステリーです。

私だけか??ミステリーだと思うのは。いつも、読み始めてしばらく経つまで、主人公が誰だかわからない・・。これって私の解読力がないから?って戸惑ってましたけど、これが「わざと」かかれてるんだよね??と思いました。いやはやもうこの本を読んでる頃には、このシリーズにはまっていて、特に哲学的な思考っていうのかな?主人公の回想とでもいいますか?そこが、読んでて潔くてきれいと感じました。いつ死んでもいい・・というかその覚悟ができている戦闘機乗りの思考・・・。なるほど・・と。この本を読んで、本当にあ・・・これってミステリーなんだね??と思いました。興味深いです。この映画のアニメのイラストがさわやかでかわいらしい表紙ですが、いやいや・・・深いです。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.14
(5pt)

ミステリーです。

私だけか??ミステリーだと思うのは。いつも、読み始めてしばらく経つまで、主人公が誰だかわからない・・。これって私の解読力がないから?って戸惑ってましたけど、これが「わざと」かかれてるんだよね??と思いました。いやはやもうこの本を読んでる頃には、このシリーズにはまっていて、特に哲学的な思考っていうのかな?主人公の回想とでもいいますか?そこが、読んでて潔くてきれいと感じました。いつ死んでもいい・・というかその覚悟ができている戦闘機乗りの思考・・・。なるほど・・と。この本を読んで、本当にあ・・・これってミステリーなんだね??と思いました。興味深いです。この映画のアニメのイラストがさわやかでかわいらしい表紙ですが、いやいや・・・深いです。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)より
4122049369
No.13
(4pt)

この話が一番好きです。

このシリーズの中では、この本の主人公だけが何にも囚われていない、すべての関心が、ただ飛行機と空にだけ向けられていると思います。
だから読んでいて、とても気持ちがいい。
他の4冊は幾分主人公が他に関心や執着を持っている感じがするのです。
この本の主人公は自分の周囲で起こる、自分を含めた出来事をあるがままに受け入れるだけ。
抗いもしない。疑問も持たない。
これってある種、究極の生き方のような気がします。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.12
(4pt)

この話が一番好きです。

このシリーズの中では、この本の主人公だけが何にも囚われていない、すべての関心が、ただ飛行機と空にだけ向けられていると思います。
だから読んでいて、とても気持ちがいい。
他の4冊は幾分主人公が他に関心や執着を持っている感じがするのです。
この本の主人公は自分の周囲で起こる、自分を含めた出来事をあるがままに受け入れるだけ。
抗いもしない。疑問も持たない。
これってある種、究極の生き方のような気がします。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)より
4122049369
No.11
(5pt)

理由はない

傷つかないようにして生きていくためにどんどん鈍くなっていく。
ぶあつい殻に包まれて自分がどんな形をしているのか分からなくなった。
摩擦がないように生きていく、周りに適応してい生きていく、
そんなことを考えているうちに自分が行きたい方向も見えなくなった。
生きるためだけに生きる。シンプルなことなのに。
瞬時の判断で飛ぶ方向を見定めるパイロットは飛ぶために飛んでいる。シンプルに。
自分のために生きている、と言いたい。誰かに言うのではなくて、
自分に対して正直にそう言えたらいい、と思った。
会いたいと思うこと、生きていてほしいと思うこと
自分がその人に影響するか否かに関わりなく
その気持ちを言葉で定義したくない
それは生きていくことと同じくらい切なくなるものだと思う。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.10
(5pt)

理由はない

傷つかないようにして生きていくためにどんどん鈍くなっていく。
ぶあつい殻に包まれて自分がどんな形をしているのか分からなくなった。
摩擦がないように生きていく、周りに適応してい生きていく、
そんなことを考えているうちに自分が行きたい方向も見えなくなった。
生きるためだけに生きる。シンプルなことなのに。
瞬時の判断で飛ぶ方向を見定めるパイロットは飛ぶために飛んでいる。シンプルに。
自分のために生きている、と言いたい。誰かに言うのではなくて、
自分に対して正直にそう言えたらいい、と思った。
会いたいと思うこと、生きていてほしいと思うこと
自分がその人に影響するか否かに関わりなく
その気持ちを言葉で定義したくない
それは生きていくことと同じくらい切なくなるものだと思う。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.9
(4pt)

キルドレの秘密

いつの時代の何のための戦争か。この小説には物語の背景説明は一切ない。プロットの拘束を受けないストーリー展開は、あくまでも自由だ。
スカイ・クロラシリーズ第4弾は、天才撃墜王クサナギが管理職に昇格し内勤となってしまう。今回大空で活躍するのが、クサナギの一番弟子・クリタだ。キルドレのくせに娼館に通ったりするが、散華を操る腕は確かなようだ。
キルドレの秘密が一部明かされたり、一般小説的な要素が多少盛り込まれているが、このシリーズにおいて物語の起承転結などどうでもいいディテールに過ぎない。
散文詩のように描写される空中戦闘シーンは、何度読んでもみずみずしい輝きを放っているし、生と死、愛と戦について、戦闘の合間に哲学的自己問答を繰り返すクリタがいとおしい。
多少青臭さは感じられるものの、小説内容自体が浮世離れしているため生臭さは感じない。世間のしがらみを逃れて、大空を自由に飛び回るキルドレのように、このまま何の種明かしもされずに尻切れトンボで終わってほしいシリーズだ。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.8
(5pt)

『スカイ・クロラ』シリーズ第四巻!

21世紀に蘇った『かもめのジョナサン』とも云えるのではないか。
SF的なキャラクター設定を採りながらも、
本シリーズの中身は、実は純文学である。
他人を痛いまでに希求する寂しさを
大空の透明な孤高で昇華する主人公たちに
私たちが果たせない孤独の処理を託してしまう、そんな物語だ。
本書は第四巻ではあるが、
時間軸的には第三巻にあたる。
シリーズを通した主人公、クサナギの
パイロット後期時代が描かれている。
管理職に出世したクサナギを語り手から外し
同じキルドレのクリタに語り手を変えている。
これにより、クサナギのより透明な人物像と
苦悩が深く表現されている。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.7
(5pt)

死を詩で織りなす彼ら

オリジナルは2006年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』第4作。森氏のblogによれば『スカイ・クロラ』はあと一冊で完結のようだ。
森氏の詩的な文体と主人公たちの舞台たる『空』は何にも増してマッチしている、と森氏のファンの大多数の思っていると思う。まるで機関銃のように照射される詩的なフレーズに痺れる。溢れ出るような死を詩で織りなすような世界。森氏の真骨頂だ。森作品の中で永く後世に残っていくのはS&MでもなくVでもなくましてや四季でもなく、絶対に他の誰にも書けない『スカイ・クロラ』だと思う。素晴らしい。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125009864
No.6
(5pt)

死を詩で織りなす彼ら

2006年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』第4作。森氏のblogによれば『スカイ・クロラ』はあと一冊で完結のようだ。
森氏の詩的な文体と主人公たちの舞台たる『空』は何にも増してマッチしている、と森氏のファンの大多数の思っていると思う。まるで機関銃のように照射される詩的なフレーズに痺れる。溢れ出るような死を詩で織りなすような世界。森氏の真骨頂だ。森作品の中で永く後世に残っていくのはS&MでもなくVでもなくましてや四季でもなく、絶対に他の誰にも書けない『スカイ・クロラ』だと思う。素晴らしい。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.5
(5pt)

綺麗

 一番奥にある「綺麗」を表現すると、この本になるのだと感じました。素晴らしいです。色々な感情を突き抜けて引き込まれます。言葉にする事が難しい何かを得る事が出来ます。多くの感情の表現を単語として置き換える事を知っているはずなのに、自分の知っている言葉では表す事が出来ないもどかしさを感じます。しかし、そのもどかしさは嫌なものでは全くなく陶酔してしまいます。
 真剣に読書をしたい人はお勧めの本です。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.4
(5pt)

詩的で独特の世界

なにも言わずに読みましょう。
森ワールド全開です。好きです。
ミステリのほうでも垣間見える森ワールドの死生観が純粋に徹底的に表現されており、非常に考えさせられ、現実逃避には最適です。
純粋な死生観で構築された世界に、さりげなく差し挟まれる「日々の暮らし」とか「大人の思惑」とかが、しなやかに際立つように記述され、差し挟まれる側にどっぷりと浸かって何も考えずに暮らす毎日に、ちょっとした緊張感を与えてくれる良い本だと思います。
こういう世界を想像できるのは、や俗世から離れている象牙の塔で暮らしてらっしゃるからかしらんとうらやましくなったりします。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.3
(5pt)

森氏の世界

待望の『スカイ・クロラ』シリーズ第4弾。
詩的な文面で綴られる生と死の輝かしさが、この上なく美しい。
生きることに対する虚しさや、やり切れなさといった感情は『女王の
百年密室』でも触れられているけれど、このシリーズはその傾向が
より顕著だと思う。
第5弾ですべてが完結するとき、そこに提示される答えを愉しみに、
わたしはたぶん何度もこれを読み返すだろう。
空の画像を用いた装丁も非常にクオリティが高い。
かなりお勧めの本です。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398
No.2
(5pt)

生と死の近さを感じる

スカイ・クロラシリーズ第4作です。
相変わらずすばらしい映像、透徹した視線、自分の体が希薄になるように感じる世界です。私が生きている社会の、道徳という名のお約束を欺瞞であると感じさせるものです。本当に大事なのはなんなのか、繰り返し繰り返し問い詰められるようで、考えずにはいられません。
装丁もとても素敵で、しおりの色はきれいな藤色でした。
今回のお話は、前3作とずいぶん違うように思いました。
既出の人物であるクリタが主人公なのですが、彼が3人の女性との関係の中で、たった一人の人だけが大事なのだという選択ができる自分に気がつくのです。彼は、彼女に危険が迫ったら、命を投げ出してもいいというのです。でも、その女性とは触れたことはないのです。触れるつもりすらもないのです。
私は、彼の感情を、恋愛だと思います。
恋愛は、本当はこういうものなのではないだろうかと思うのです。
ただ、それに対して、彼はなんらの積極的行動もしないのです。
それは、必要ないからでしょう。それでいいというだけなのです。自覚したことで十分で、だから何か違うのか、という気持ちが漂っているのです。
それは、諦めかもしれませんし、そういう気持ちすら、本当はこの世には必要ないからかもしれません。
永遠を生き、死を生の延長として、いつか撃墜されるために空を飛ぶ、緩慢な自殺を図り続けている彼なら、そうかもしれません。恋愛を恋愛のみで完結させているのだと思うのです。
今回の装丁が、紫なのは、そういうたそがれの、喪の色に通じるからでしょうか。
ぜひご覧になってください。
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Amazon書評・レビュー: フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeより
4120037398