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賢者はベンチで思索する



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【この小説が収録されている参考書籍】
賢者はベンチで思索する
賢者はベンチで思索する (文春文庫)

賢者はベンチで思索するの評価: 4.18/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

久里子、二十一歳。

『ファミレスの老人は公園で賢者になる』
『ありがたくない神様』
『その人の背負ったもの』
以上連作三中編を収録。

ジャンル分けするなら「日常の謎」系のミステリという枠に入りそう。
主人公七瀬久里子の身の周りで起こる三つの事件が描かれます。
すなわち「犬殺し」「レストラン異物混入」「児童誘拐」。
どれもガチのリアル路線ではなく基本温かいテイストなんですが、人間関係というものの奥をざっくりえぐる苦みあり。

でもじつはこの作品の魅力は、ミステリであると同時に青春小説ってところかも。

久里子は二十一歳。服飾系専門学校を卒業したものの望んだデザイナーにはなれず、ファミレスでバイトをしながらいまいち冴えない日々を過ごしています。
仕事が見つかるあてもないし、恋は片思いだし、バイトの後輩の女の子を見ていると自分の歳を感じてしまうし、弟は引きこもりの浪人生だし、お母さんには小言を言われてばかり。

この久里子の若さゆえの冴えなさを作者の近藤さんが上手に温かく描き出しています。共感できる人は多いんじゃないかな。おれは好き。

ちなみに『ふたつめの月』は、二十三歳の久里子を描いた続編です。彼女のちょっと前進した姿が楽しめます。そして身の周りではあいかわらず事件が….。
賢者はベンチで思索するAmazon書評・レビュー:賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.3:
(3pt)

期待して読んでみたが、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされた

巻末で本書の解説をしている作家の柴田よしきが、近藤史恵がデビュー以来15年もかかって、遂に「サクリファイス」でブレイクしたことを我が事のように大喜びしつつ、「みんな、遅いよっ!!!」、「まったく、みんなはいったい何を読んでいたのだっ」といっておられる。実は、私もそんな読者のうちの1人であり、「サクリファイス」で初めて接した近藤史恵の高い筆力に感銘を受け、「この人の著作なら、他にも面白いものがあるのでは」と思い、「エデン」から本書と、読み進めていったのである。 

本書は、21歳のフリーター久里子と謎の老人、国枝を主人公とする連作中編ミステリ集であり、3話が納められている。しかし、このうち、第三章の「その人の背負ったもの」こそ水準以上のミステリとして読めるレベルにあるものの、前二章については、ミステリとしては拍子抜けするほど単純過ぎて、おおよそミステリ小説といえるほどのレベルにはないと思う。

たしかに、本書には、柴田よしきが「近藤さんは、女の子、を愛しているのだと思う」といっているように、久里子と同世代の女性が読んだら、「こんなこと、あるよね」、「そんな気持ち、わかるよね」と共感できる世界が描かれているとは思うのだが、それは、それ以外の読者層が格別共感できる世界ではないということの裏返しでもある。また、ミステリとしての魅力に乏しい前二章も、第三章の伏線になっていることは事実なのだが、本書がミステリ小説としての体裁を取っている以上は、前二章についても、単なる伏線程度の価値だけでなく、ミステリ本来のレベルをもう少し上げてもらわないと、ミステリ・ファンとしては物足りなさしか感じられないのだ。

柴田よしきは、同業者のよしみもあってか、「近藤史恵の作品は質が高く、読んで面白いものばかり」、「どの作品も秀作、傑作揃いでハズレがない」と、本人もこそばゆく感じるのではないかと思うほどの激賞振りなのだが、私は、少なくとも、「エデン」と、この「賢者はベンチで思索する」を読んだ限りでは、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされてしまったとしかいいようがないのである。 

賢者はベンチで思索するAmazon書評・レビュー:賢者はベンチで思索するより
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No.2:
(3pt)

すぐそばにもありそうな感覚

05年05月の単行本を文庫化,3編の連続短編集です.
『日常の謎』と呼ばれるジャンルになると思いますが,
人の持つ『小さな悪意』というものが描かれているため,
ちょっと重ための事件や話題が多いような印象を受けます.
またそれらは,なにげない会話などからも伝わってくるため,
身近に思いあたる節があったりと,苦々しさをおぼえることも.
反面,主人公の心が晴れていく終盤は心地のよい読了感で,
謎解きがわかりやすく,やや物足らないところもあるものの,
せつなさから一転するラストには,つづきを期待させられます.
ただ,同じ著者の別シリーズと似ているところが気になり,
主人公の性格や役割など,ハッキリとした違いはあるにせよ,
特定の場所を中心に,日常の謎と小さな悪意が描かれる展開は,
今ひとつ,この作品だからこそというものが見えづらかったです.
賢者はベンチで思索するAmazon書評・レビュー:賢者はベンチで思索するより
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No.1:
(3pt)

自分が定まらない時期に読む本

21才の主人公は希望の会社に就職できずアルバイト中弟は二浪中家族と同居しているが両親の心配な思いが重荷で、自分も不安が混在そんな主人公久理子にベンチであう時だけ賢者になる不思議な老人国枝さん久理子のバイト先ファミレスではもたもたのおじいさんになる国枝さんでも公園では賢者なのだ久理子が悩み困っている問題を解決してしまう自分が定まらない21才の女の子が、社会へ向けて自分の足を踏み出すまでの間、年齢が大きく離れた老人と友人になり、自分の本音を語れたことで本当の自分が見えるようになる。そこにミステリーがからむので読み易いと思う
賢者はベンチで思索するAmazon書評・レビュー:賢者はベンチで思索するより
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