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(短編小説)

パルテノン



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【この小説が収録されている参考書籍】
パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語

パルテノンの評価: 4.00/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

粋でいなせなギリシア人

「ギリシアにはすべてが有ったし、それは今もある。ギリシア人は2500年前にあまりにも先に進み過ぎた。すべてを経験してしまったから今は寝転がって他の世界が追いつくのを待っているんだ。」(本文より)
 イヤ~アテネの雑貨屋のおやじ、粋なことを云うねえ。
 「見なよ」と、おやじは続ける。
 あそこで地図を売ってるばあさん、インチキ占い師なんだけど、どういうわけかピタリと良く当たると云う評判で、今じゃガイドブックにも載ってるそうだ。それから、その向かいのビル、持ち主はやり手の社長で商売始めて直にあれを立てちまった。 もっとも同業者に妬まれて、今じゃどこか外国に雲隠れしちまった。 ああ~ほら、今通った二人連れ、いい男と禿げの。 いい男の方は今売出し中の政治家、禿げはああ見えてなかなかいい絵を描く画家だ。あの二人は幼馴染みでよく一緒にいるところを見かけるよ。
 と、この街にはいろんな奴がいるよと笑い飛ばす。全く粋なおやじだ。 もう何十年もそこに居て嫌なものも見ているだろうに、その土地を愛し、そこで暮らす人を愛しく思う。 ギリシアはこのおやじの様な人達が支えて来たんだろうな・・・きっと。 
 2500年前にすべてを経験してしまったから今は寝ころんで世界が追い付くのを待ってる。 イヤ~何とも粋だ!
パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語Amazon書評・レビュー:パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語より
4408534579
No.3:
(2pt)

ごめんなさい。習作だと思います。

柳さんの作品は、”今まで知らなかった世界”を見せて下さるので、とても勉強になり、興味深く読まさせて頂いています。
この作品も例外ではなく、”パルテノン建設とその背景”という、今まで見たことの無い世界を見せて下さいました。

しかし、ワクワクしませんでした。
”美しさ”が作品の重要さだと思いますが、目の前に浮かんできませんでした。

この後に続く秀作群の前の練習台に留まったと思います。
パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語Amazon書評・レビュー:パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語より
4408534579
No.2:
(5pt)

ギリシャの民主主義

   オリンピックの放映タイトルのアクロポリスの丘に聳え立つパルテノン。廃墟と化した今でもあの美しさ、完成時は、限りなく壮麗で光り輝いていた。事実、欧米の王宮や官公庁、銀行等権威のある歴史的な建物の多くは、これを模したかその強い影響を受けたものが多く、未だに、これを凌駕する建築物は無い。   この本は、情報網を駆使したデルポイの巫女・アリストニケの神託、英雄で裏切り者・不世出の軍略家テミストクレスの数奇な人生と、このパルテノンの建設の3部作になっているが、最後の話は、ギリシャの文化文明史的な側面が良く出ていて小説以外の面白さもあり楽しい。   幼馴染である、ギリシャ民主制の黄金期を築いたペリクレスが依頼し、歴史上屈指の彫刻家フェイディアスが神殿建設の監督を引き受けてパルテノンの完成を見るが、フェイディアスの宙に浮く神殿構想と審美眼の卓越性を描いて飽きさせない。大英博物館のパルテノンのフリーズの断片にショックを受け、プロピュライアを上り詰めて仰ぎ見て感激したあのパルテノンが、往時の姿で蘇るような気がした。   このパルテノン編は、二人の芸術や政治論、本来のプラトニックラブ(フェイディアスと美少年との愛で描かれている)、寡頭派との政争、哲学者との対話、ペリクレスのバルバロイ妻への愛等など絡むサブテーマが豊か。ギリシャの民主主義と民会、オストラシズム(陶片追放)の描写が、シェイクスピアやプラトンの一篇を髣髴とさせたり、直接民主主義が如何に脆弱で危険かを示すなど興味深い。        
パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語Amazon書評・レビュー:パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語より
4408534579
No.1:
(5pt)

ギリシャの民主主義

オリンピックの放映タイトルのアクロポリスの丘に聳え立つパルテノン。廃墟と化した今でもあの美しさ、完成時は、限りなく壮麗で光り輝いていた。事実、欧米の王宮や官公庁、銀行等権威のある歴史的な建物の多くは、これを模したかその強い影響を受けたものが多く、未だに、これを凌駕する建築物は無い。
   この本は、情報網を駆使したデルポイの巫女・アリストニケの神託、英雄で裏切り者・不世出の軍略家テミストクレスの数奇な人生と、このパルテノンの建設の3部作になっているが、最後の話は、ギリシャの文化文明史的な側面が良く出ていて小説以外の面白さもあり楽しい。
   幼馴染である、ギリシャ民主制の黄金期を築いたペリクレスが依頼し、歴史上屈指の彫刻家フェイディアスが神殿建設の監督を引き受けてパルテノンの完成を見るが、フェイディアスの宙に浮く神殿構想と審美眼の卓越性を描いて飽きさせない。大英博物館のパルテノンのフリーズの断片にショックを受け、プロピュライアを上り詰めて仰ぎ見て感激したあのパルテノンが、往時の姿で蘇るような気がした。
   このパルテノン編は、二人の芸術や政治論、本来のプラトニックラブ(フェイディアスと美少年との愛で描かれている)、寡頭派との政争、哲学者との対話、ペリクレスのバルバロイ妻への愛等など絡むサブテーマが豊か。ギリシャの民主主義と民会、オストラシズム(陶片追放)の描写が、シェイクスピアやプラトンの一篇を髣髴とさせたり、直接民主主義が如何に脆弱で危険かを示すなど興味深い。
        
パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語Amazon書評・レビュー:パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語より
4408534579

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