1Q84
評判
1Q84の評価:
3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全716件 221〜240 12/36ページ
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1Q84の評価:
3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク
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読んでいて自然に引き込まれ、非常に面白かった。
村上春樹の長編というと(特に初〜中期のものは)、ストーリ展開で読ませるというよりは
どちらかといえば、複雑に絡み、入り組んだ心理描写の糸を読み手に紐解かせるような
展開のものが多く、それに疲れた挙句、根底に流れる救いようの無い孤独感や喪失感に
苛まれることになり、そこまで極端では無いものでも根底に流れる鬱っぽさに気持ちが
参ってしまうものが多かった。
心に強く訴えるものはあるがしかし、“面白い”と言える物では私にとっては、なかった
のだ。
例えば、「ノルウェイの森」などは作品として優れていても、面白いか面白くないかの
評価軸では少なくとも私は全く感想を述べられない。
その点、本作には分かりやすい“面白さ”がある。
軸をなす2つの話の展開が比較的テンポよく進み、早く次を知りたいと思わせるドキドキ感
で飽きることがなく、“面白い”と素直に感想を述べられる。
ストーリーは、“何かどこかが正常と違ってしまった1984年”という設定で、架空の世界
を表現していながらも、途方も無く現実とかけ離れた物語として描かれてはいない為、
“もしかしたらこんなことって有り得るかも・・・”的に(あるわけないですが)、頭の中で
ストーリーをイメージさせ易く、題材も過去にあった社会的な出来事をモチーフにしたもの
であることなど、十分に私の興味をひいた。
又、村上春樹らしく登場人物の描写が非常に緻密なので、ストーリー自体が浮つかず
しっかりしていることにも好感を持った。
別々の物語が一体となった時、本作が“20年前の過去一点に端を発する二人のラブスト
ーリー”であることに気付かされて(いい意味で)唖然とさせられ、物語の世界観も私は
拒絶感無くスムーズに受け入れられた。
個人的には、新しい村上春樹を見た思いがし、読んで大変によかったと思っています。
(実はまだ、読んだのは2巻まで、3巻は買ったばかりでまだ読んでいない。)
冒頭のタクシー運転手のセリフに“あんなこと言うタクシー運転手はいないだろ”とか、
又、性描写への非難しかしない人達は、私に言わせればピント外れも甚だしい。
“個人の感想”なので批判するつもりは毛頭無いが、そのうちに“月が2つ出ている
なんてわけわからん”と言う人が出てくるに決まっているとも思うが、お話にはならない。
少なくとも、様々な小説を読みなれている方の感想・レビューでは無いでしょう。
(本作の場合、確かに少し特異なものも含まれてはいますが、この程度の性描写は官能
小説では無くても一般小説で普通にありますよね・・・。本作でなぜそれが比較的大きく
取り沙汰されるのか全く不思議です。)
本作は読みやすい部類だとは思いますが、総じて村上作品は暗喩による言葉の置換えの
多い文体や複雑な心理描写の上に成り立つ作品構成が、平易なものとは言い難い部分が
あるのでその結果、比較的はっきり読み手を選びます。
少なくとも普段、読みやすい軽いものばかり読まれている方や、いろいろな作家の小説
を読み慣れていない方には難しい(面白さが分からない)、若しくは、合わない、ことが
多いはずです。
突き詰めれば、単に好みの問題だけの場合もありますが、この作家の場合は、一部、
読み手の読解力に作品の評価が左右される場合も多くあるでしょう。(面白いと思わない
なら読解力が無い、と言っているわけではありませんので念のため。単なる好みも当然、
作品の評価に影響するはずでそれはごく自然なことです。)
その意味からは、元来、万人受けする作家ではないはずなので、宣伝効果(或いは「宣伝
しないこと効果」)ではあるのでしょうがバカ売れの状況には確かに疑問があります。
つまり、全ての人にとって“売れているから面白い小説”とは全く言い切れない。
“これが何故、ベストセラー本なの?”という比較的多くの感想がそれを示している。
傾向としては本作にもそれを僅かに感じますが、村上作品の根底に流れる鬱っぽさが
私には合わず(ずっと昔に読んだ「ノルウェイの森」を引きずっているかもしれない)、
実はあまり好きではないのですが、軽くて読み応えの薄いものばかり読んでいると、筆力
のある作家として、時々読みたくなる作家の1人です。