正雪記
評判
正雪記の評価:
3.91/5点 レビュー 22件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1〜3 1/1ページ
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3.91/5点 レビュー 22件。 B ランク
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日本史はマニアというほどではないが、江戸時代の反乱には少し興味がある。
特に由井正雪は、横山光輝が二度も漫画に起用しているので、前から心惹かれていた。
歴史小説として読んでみたかったので、ちょうどよかった。とはいうものの、正雪という人物には記録がほとんど無いらしい。本書も歴史小説というよりは伝奇時代小説である。
上巻は染屋職人のせがれ小太郎が、出世を夢見て江戸にやってくるところから始まる。
徳川幕府によってたくさんの大名が潰され、巷には浪人が溢れかえっていた。
彼らの困窮ぶりは悲惨の極地であった。小太郎は浪人救済のために生涯を捧げることになる。
島原の乱では浪人たちを指揮して手柄を立てようと試みるが、松平信綱の陰謀に潰され、命からがら脱出する。
下巻では正雪と名を変え、軍学師匠として大勢の門弟に慕われる。
埋蔵金を探し当てたり、様々なタイプの美女や美少女が周囲を彩ったり、大衆時代劇の王道展開が続く。
それなりに面白いけど、心に響くものがない。
本書の正雪は、反乱の首謀者ではないのだ。決起しようとする若者を止めるばかりで、行動しない。
終盤に紀伊家にある提言をするのだが、またもや潰される。
徳川の浪人政策は、放置というより積極的な絶滅を狙っているようだ。
武器と武力を持つ集団は将軍家だけで良いと考えたのだろう。
それならば浪人が反乱を企てるのも当然だと思うが。歯がゆいなあ。
書かれた時代と掲載誌が「労働文化」であることを考慮すると、権力者に対する抵抗と挫折を描きたかったのだろう。主役が正雪ではハッピーエンドになるわけもないが、大衆エンタメとしては暗すぎてカタルシスに乏しい。