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聖殺人者イグナシオ
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聖殺人者イグナシオの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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人間が差別をする根元的な理由みたいなものが透けて見える作品。 埋めがたい劣等感や満たされない承認欲求を満たす、最後にすがる最悪の手段が差別という行為だとこの作品は描いている。 | ||||
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イグナシオは追いかけてきたジャズ喫茶のマスターを蹴り殺してしまう。 マスターは同性愛者で美しい容姿をしたイグナシオに肉体関係を迫ってきたからだ。 その前は友人の後頭部をバットで殴って事故に見せかけて殺してしまう。 イグナシオは殺人を犯し続ける。計算と情動の間の中で。 | ||||
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非常に背徳的な内容であり、小市民である僕にイグナシオの殺人動機はほとんど共感できない。萬月先生は小市民的思考が嫌いらしい。そういう世間の常識に真っ向勝負で挑んだエンターテイメントだと思った。IQ180の天才にして美貌の少年が肉体労働で鍛え上げた体を持つ。実社会ではイケメンというだけで生きて行ける今日、ほぼ無敵のキャラであるにもかかわらず、彼は物語りの中で常人では考えられない殺人を犯していく。私達のような小市民を「俗」とすれば、確かに彼は「聖」の域に達している。 登場人物の何人か、孤独を抱えている。特に茜だ。 物語はラストシーンに向かって急激に加速し、破綻へ向けて爆走する。 彼の殺人に共感はできないが、魅力的な人物であり、物語の中でもっと生きていて欲しいと思った。魅力の根源は彼が「聖」だからだと思う。目を覆いたくなるような凄惨なシーンがあるが、不思議と読後が心地よい。 カタルシスを得たい小市民にお薦めする。 | ||||
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~読み手によって評価が分かれる作品のようです。でも好きな人はすごーくはまると思います。個人的には、花村萬月作品の中で一番か二番目ぐらいに好きな小説です。対比する聖と俗、光と闇、善の中の悪、悪の中の善。モノクロの絵画を見せられているようなぎりぎりの美しさと緊張感で、最後まで一気に読めてしまいます。最近の緻密な作風に比べると荒~~削りな感じも受けるのですが、エンターテインメントの仮面に隠した重厚なテーマを少しも損なうものではありません。主人公のイグナシオは男が赤面してしまうほどの美少年なのですが、肝腎なのはそこではなく、彼が抱えている獣じみた飢餓と孤独です。腹の底に自らを喰いつぶすほどの闇を抱えながら、関わる女性達を結果的に癒してしまう様には泣かされま~~す。女性達の中では特に文子さんが好きですが、萬月という人は女性なのでは? と思わせるほど湿っぽく女らしく真に迫っているのです。女独特のずるさもありながら、潔さが気持ちよく後味は清涼感が漂います。美しいものを見たかったら萬月。心にそう刻みました(もれなくヤクザもついてきますが)。~ | ||||
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