曽根崎心中

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曽根崎心中の評価:

4.77/5点 レビュー 26件。 B ランク

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平均点4.77pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 1〜20 1/2ページ
No.26
(5pt)

閉じ込められた世界でしか生きられない女性の切ない気持ち

「曾根崎心中」と言う演題は知っており、「お初徳兵衛」の主人公の名前も知っています。でも、内容は全く知りませんでした。人形浄瑠璃もTVで「道行」のシーンを見た記憶が僅かにあるだけです。
そんな状態でこの本を読んだ訳ですから、全く新しい小説を読んだ様な感覚です。
確かに、近松門左衛門の「人情もの」は、映画で「天の網島」を見たりしており、その雰囲気は理解しているつもりです。
この本を読み進むうちに感じたのは、浄瑠璃ではここまで主人公「お初」の心情を表現できないだろうなと言う思いでした。
浄瑠璃の場合であれば、それを見る観衆の受け止め方にそれは委ねられています。
でもこの本では、「お初」の気持ちの動きを中心にストーリーが展開しますので、それが実によく伝わってきます。
「角田光代」の受け止めた「お初」の心情だと言ってしまえばそれまでですが、私は少なくとも非常に良く理解出来ました。
あの時代の遊女の気持ち。閉じ込められた世界でしか生きられない女性の切ない気持ちがよく理解できます。
閉ざされた世界に住む女性だからこそ、その「夢」は外の世界であり、そこへ誘ってくれる男性だったのでしょう。
人魂が誘う曾根崎の森への「道行」は、それしかない彼女たちの終着点として受け止めざるを得ません。
悲しい物語である筈なのですが、そう感じさせない「明るさ」があるのは、死んでゆく二人にとっては「夢の世界」への「道行」以外の何物でもないからでしょう。
こうした形で、江戸の文学を改めて知ることが出来、楽しい一時でした。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.25
(5pt)

愛の切なさと艶めかしさが全編にただよっています

今から約300年前の元禄時代に大坂で起きた心中事件を近松門左衛門が人形浄瑠璃の舞台に上げ大喝采を浴びました。その脚本を直木賞作家・角田光代さんが翻案して小説に直したのが本作品です。

堂島新地の遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛は初めて会って一瞬にして恋に落ちます。恋なんてしないと決めていたお初が徳兵衛と出会ってその恋に身を焦がしていく。哀しい境遇ゆえにこの恋に身を捧げたいと願うお初の純情さが胸を打ちます。遊女と客の間に恋愛が許されるはずもなく、徳兵衛が騙されて行き詰まると二人は究極の選択である心中へと突っ走るのです。

角田さんの「曽根崎心中」は、原作のむせかえるような熱気をうまく伝え、ふたりの愛の切なさと艶めかしさを全編にただよわせています。恋を成就するために死を選ぶしかない二人に寄り添い、冥土で結ばれるふたりを祝福するがごとく詠い上げます。浄瑠璃にも似たリズムのいい角田さんの文章が心地よくて、ずっと昔に文楽座で観た玉男と蓑助コンビの「曽根崎心中」の艶やかな舞台が甦ってきました。近松門左衛門の名作も読み返してみようと思いました。

角田光代さんの「対岸の彼女」「八日目の蝉」は私には合わなかったのですが、この「曽根崎心中」は絶賛させていただきます。これまでの彼女の仕事から「女の情念」を書かせたら角田さんがピカイチだと思いました。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.24
(5pt)

儚い女の夢見たものは・・・

本作は、近松門左衛門作「曽根崎心中」の翻案であり、ストーリーはそのままに、角田光代が 遊女 初の口を借りて 元禄の浮世に彼女が夢見た儚い数日を描いたもの。

原作を知る者も 知らない者も 遊郭の淡い灯りを思い描き 初の言葉に身を委ねてもらいたい。次第に その時代 そこにいた人々 を肌に感じ そして ほんのりと浮かぶだろう 初の儚い夢現に包まれていく。

これだけ世に知られた原作にネタばれもないだろうが、原作では明らかになる心中のきっかけの真相が 本作ではラストで逆に曖昧なものとなっていく。(このネタが分からぬ場合、読後にwikipediaを一読いただきたい)
この違いは、事実を知らぬ初 事実を疑う初 という大きな違いとなるが、その違いを味わうなら、角田光代の描こうとしたものに、より近づけるのではないだろうか。

浄瑠璃とも歌舞伎とも違う より映像的な世界に翻案されながら その映像は 元禄の遊女から 現代の私達が確かに受け止められる言葉になっている〜終盤 二人が見た あかり それを感じながら。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.23
(5pt)

期待で読了できない

つい最近この本を入手しました。多くの方と同じように気にはなりながら原典には近づけなく気になる古典でした。タイトルは当然として、表紙、書き出し。初めての作者ですがその雰囲気作りに呑まれてゆきます。私は大阪梅田、お初天神界隈を徘徊していた人種として、またこの古典の結末は皆さんと同じように知っているだけになかなか読み進められないのです。多分大阪に住んだことのないはずの著者がどうしてここまですばらしい浪速言葉の微妙なニュアンスを取得したのか。感嘆すると同時に聞いてみたいところです。原典を入手しましたが江戸時代の古典とは言え、歯が立ちません。現代文で近づける事はありがたい事です。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.22
(5pt)

意外な真相さえにおわせる

専ら徳兵衛が追い込まれる経緯が描かれるこの作品を、徹頭徹尾お初の側から描いた物語。有名な封印切りの場面すら全く描かれない。恋とはどういうものか、そのすさまじさを際立たせるために、徳兵衛が有罪であったことまでにおわせるコペルニクス的転回に驚かされるが,同時に作者の筆力に圧倒させられる。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.21
(4pt)

恋とは

心から愛し合った男女の、美しい最期までを、流れるような文体と美しい情景描写で語っていく。
ハードカバーでうすい本なので、読むのにそこまで時間がかからないが、ぐいぐい惹きつけられて、
読んだ後は放心し、涙が出た。

舞台は江戸時代の遊郭で、現代ではうかがい知れない非常に興味深い場所が細かに描かれており、
当時の遊郭独特の言葉もちらほら使われていて、それがよいエッセンスとなっている。

遊郭の描写もあるものの、女性目線から描かれているので、直接的すぎる描写は少なく、うつくしい。

本当の恋とは何なのか、本当に人を愛するとどうなるのか、そういことが、ぬきさしならない状況とともに
描かれていく。

普通の市井で出会っていた男女なら、現代に出会っていた男女なら、相思相愛の幸せな結婚をしたかもしれない。

でもこいういう悲劇の物語は、本当にうつくしいし、忘れられない。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.20
(5pt)

近松の世界を今に.......。おみごと!角田作品。

正直、古典作品は、壁があり読みずらいものです。

近松門左衛門作品を、角田光代女史の切り口で、現代に、「角田作品」
として甦らせたもので、男と女の情念、哀切が見事に描かれています。
ラストの斬新さも、心に残ります。

この様な古典ものをわかりやす読ませてくれる取り組みは、
原著に対する興味にも繋がります。

他の江戸文学の恋愛物、傑作を現代に、読みやすく、甦らせてほしい
ものです。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.19
(5pt)

うまいなぁ

圧倒的筆力です。
恋に狂っていく女の哀しさと切なさ、でもどこかしら冷え切っている諦念が
すごい熱量で書かれています。さすが。
原作とは違う徳兵衛の描き方にもぞっとしました。
角田さんにはこれからも古典の翻案ものを書いてほしいなぁ
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.18
(5pt)

泣いて笑って媚を売る月下の酒場の女にも睡蓮のごとき純情有り

時代背景が異なる現代に、まさか角田さんが近松の意図をそのまま復活させよう、なんて単純な話じゃないはず。
そういう視点で読むと、角田版では、お初にまつわる次の挿話が印象に残った。

徳兵衛がお初に二度目に会いに来たとき、
お初は太腿に広がる爛(ただ)れた火傷の跡を、自分から徳兵衛に見せている。
その火傷の跡は、お初が客はおろか、おかみ以外の店の女性すらにも決して見せようとしなかったもの。
だからお初は客と事に及ぶとき、必ず行灯の灯を消すか、襦袢を脱がず着けたままにする。
お初が徳兵衛に火傷の跡を見せようと意を決した心情を考えたとき、
愛する男に自分の表裏一切をさらけ出そうとする「女の誠意」を究極の形で表現したものと思え、興味を引かれた。

ところが二人で心中を決意し、新地を出て森へひた走る道行の途中、お初はふと考える。
「初はめまぐるしく考える。…くるおしく恋しいこの男のことを、じつは、何ひとつ知らないのではないかと初はふいに思う。
…背中のどこにほくろがあるか、どんな寝息をたてるか…知っている。
…でも、本当には、何ひとつしらないのではないか。
九平次が嘘をついていて、徳兵衛が本当のことを言っていると、どうして言いきれるだろう。
もしかしたら徳兵衛は、平気でそういうことのできる男かもしれない…」
自分は徳兵衛に惚れ抜いて、自分のすべてをさらけ出し、二人は固く誓い合ったはずなのに、
なぜ男の心のうちに、女から見えないものがあるのか?
なぜ女にだけこんな葛藤が生じるのか?
角田さんを代表とする女たちの、男の隠された(ようにしか思えない)本心に対する
不明、不信、不満が、お初の言葉を借りて紡ぎ出される。

二人の心中を単なる悲劇の完結という叙事詩に終わらせず、
女から見た男への疑念やすれ違いを“物語”として結晶化して描く−
角田さんの本当の意図は、ここにあるのかな、って思う。

さすが角田さん、お初の情念を自分に憑依させ、全女性の情念として増幅させたかのような物語づくりには、
近松も天国で膝を打ってるに違いない。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.17
(5pt)

引き込まれる

大阪お初天神の帰り衝動的にちゅうもんしました。読み終えて今一度お参りしたくなるほど鮮やかな描写。てんで読書習慣のない私も角田作品を読んでみたくなったものです。おすすめいたします。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.16
(5pt)

角田光代が現代に江戸の感性をよみがえらせました。

角田光代ファンには、作者の感性が響いてくる小説でした。江戸の時代を現代によみがえらせて、すばらしい。書店でいつも探していたのですが、なくて、中古を購入しました。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.15
(5pt)

読みやすい

原作は読んだことがなっかたのですが、この本は読みやすくわかりやすく一気に読み終えました。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.14
(5pt)

いい商品です

中古でしたが状態がとても良く、いい買い物ができました。あらためて古典文学を見直そうという気になりました笑
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.13
(4pt)

恋の成就は心中しかないのかと納得させられました

近松門左衛門の人形浄瑠璃を
角田光代さんが現代語で小説にしたものです
新地の遊女お初がしょうゆ屋の手代徳兵衛と恋におち
心中するまでの物語
角田さんの力量で
お初の幼さ切なさ
死ぬしかないというよりも
死んだがましというその刹那の気持ちを
これでもかこれでもかと描いてます
人の気持ちは移ろうもの
恋の成就は心中しかないのかと納得させられました
人を恋することはできても
その一瞬の刹那を永遠にしたければやはり
時を止めるしかないのですよね
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.12
(4pt)

意に添わず身体を任せる女郎の純愛を描いて、今の時代で読んでも切ない。

現代の男女関係を描く感覚で、しかし舞台は江戸時代のままで、ほぼ忠実に(たぶん)ストーリーをなぞっています。この有名な心中物語は、大阪北区新地が舞台。女郎の初(21歳)が油商人の社員の徳兵衛(25歳)に初恋。死ぬことが一緒になる唯一の方法と思い詰めて、死に向かっていく姿がクライマックスとなっています。
 角田さんは、非常に真面目に取り組んでいて、時代考証、言葉遣いなどは時代小説そのものです。輪廻を繰り返し、来生で出会うという仏教観も根底にありますが、若い二人の心理は、今の若者とまったく変わらず、稚拙な考えで死を選びます。
 それにしても、自らの意思ではなく女郎屋に売られてしまう少女たちの、なんと哀れなことか。自由意志ではなく、商売で身体を売る行為。男の立場として、心が痛みます。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.11
(4pt)

普通に面白い

物語としては、さすが近松、最後まで面白く読めました。
ただまあ、綺麗にまとめすぎて、迫力はない。かな。
浅田次郎の時代物からアクをすくったような印象でした。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.10
(4pt)

近松の原文を角田光代が解釈した世界

近松の原文を、角田光代が解釈した世界を現代文で描く意欲作。
ストーリーや時代背景などは原作のままで、会話や心理が加筆されている、いや解説されていると思ってよいか。

女性の恋心を書かせれば一流の角田ならではの、一冊。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.9
(4pt)

こういう内容だったのですね

映画やドラマになったものを観た記憶があるので原作となるものを読んでみたく。今の時代でも時々、話題にさせる世界ですが、こういう内容だったのですねぇ
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.8
(5pt)

角田さん凄い

今まで読んだ角田さんの書籍の中で一番好きです。
表紙の絵が気味悪くて食わず嫌いしていたのですが読んだらこんなにも愛おしい本にはもう二度と出会わないのでは無いかと思うほど大切な本になりました。
初の生涯を思えば今の自分の境遇など乗り越えて見せるよと思える程初が切ない。
角田さんの文才にあっけにとられます。
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267
No.7
(5pt)

表紙の絵も好き

とても良かったです!いっきに読めます!表紙の絵もちょっと怖い感じが好きです
曾根崎心中 Amazon書評・レビュー: 曾根崎心中より
4898153267