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残照
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残照の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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競馬ミステリーというよりも、不眠や減量に苦しむベテランジョッキーに、亡き後輩ジョッキーの妻の不審死という事件が更にふりかかるという、主人公の職業以外はオーソドックスなミステリー。 ミステリーの真相に競馬関係が絡むものの、それよりも主人公のジョッキーの日常生活の厳しさや苦しさが、緻密にリアリティに描かれていることに圧倒されました。 そして、結末は予想もしなかった幕切れでした。 | ||||
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騎手をはじめ競馬関係については、さすがに著者の背景を生かし丁寧な取材を思わせる緻密な描写で競馬ファンとしてならある程度楽しめる。 それでも主人公の人間性がはみ出し過ぎて、結局特殊な環境設定となってしまい純粋な競馬としての舞台としては面白さがもう一つ。 何よりラストが肩透かし。 ミステリー要素は何でこんなに手抜きというか、ストーリーに絡ませ方がうわべ的でもったいない。 競馬という舞台に引っ張られ過ぎで、どっちつかずの作品になってしまっている。 | ||||
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勝つか負けるしかないという プロフェッショナルの世界において、 その道で生き続けるという苦しさや困難さを 教えてくれます。 特に、競馬の騎手という特殊な職業において、 こうも生々しい現実を教示してくれるのは 作者の長年の地道な取材活動の賜といってよいか と思います。 主人公飯倉元春騎手の減量の過酷さは鬼気迫る というか、凄まじいものがあり、 彼の痩せさらばえ、且つ鍛えられた肉体がありありと 眼前に浮かんでくるようです。 また、馬を走らせ、いち早くゴールするという 単純とも思われがちなレースの世界を著わした表現の 奥深さには、驚嘆という言葉意外に何もありません。 私にとって最も重要なことは「人間」というものであり、 その人間がどう判断し、何故そうしたのか、どう生きたのか ということなのですが、主人公の心理や行動なども詳細に 述べられ、また、主人公の家族や彼をとりまく環境の 設定などの表現も、十分彼自身の人間性に厚みを持たせる ことに成功しており、非常に読み応えのある作品でした。 欲を云えば、主人公の顔つきや身体的特徴、 古傷の痕や、彼独特の動作や本人も気づかないクセ、 レース服や、調教着、普段の服装だったり、 寝間着や寝具の質感なども 表現されていれば、もっと彼を直に感じられたと思います。 ただ、ミステリー要素が加味されている点に ついては、主人公の人物像を補強することになっては いますが、ストーリー展開に重きがおかれるせいか 人物の心理や動機には物足りなさを感じました。 また、単純な勧善懲悪の結末には、 冗長的な印象を受けました。 評価を分けるであろうラストシーンについてですが、 確かにサドンデス的な展開で、これでおしまいか と思わないではないですが、 主人公自身の人間性の崩壊とともに、 彼の魂の叫びがこだまするよう感じられました。 万人受けするような作品ではないのかもしれませんが、 久々に登場人物の息吹と云うか、肌感の 生々しさを間近に感じられる作品だったと思います。 ※残念ながら、あとがきのようなものが一切ないので、 一抹の物足りなさはあるのですが、 「本の話」というウェブサイトで、作者自身がこの作品を 紹介(8/9付け)していますので、そちらをご覧いただくと なお一層楽しめるように思います。 | ||||
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