苦役列車

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評判

苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全370件 161〜180 9/19ページ
No.210
(5pt)

一見読みづらそうだが、実は読みやすく面白い

漢字が多く、とっつきにくい印象が最初はあります。
ですが、読み進めていると、あっという間に引き込まれて、
ページをめくる手が止まらなくなります。
私小説をここまで読ませるというのは、すごい。
芥川賞受賞作をここまで面白いと思ったのは、初めてでした。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.209
(5pt)

一見読みづらそうだが、実は読みやすく面白い

漢字が多く、とっつきにくい印象が最初はあります。
ですが、読み進めていると、あっという間に引き込まれて、
ページをめくる手が止まらなくなります。
私小説をここまで読ませるというのは、すごい。
芥川賞受賞作をここまで面白いと思ったのは、初めてでした。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.208
(5pt)

内容と文体に惚れ込む。

自分が知らなかった人間の世界を教わった。文体はさすが芥川賞を取るだけのことはある。感心しきり。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.207
(5pt)

内容と文体に惚れ込む。

自分が知らなかった人間の世界を教わった。文体はさすが芥川賞を取るだけのことはある。感心しきり。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.206
(4pt)

苦役だけど、自業自得な部分もある

インターネットもスマートフォンも、ガラケーすら登場しない80年代の頃のお話です。
主人公は一人暮らしですが、家に電話すら引いてません。
今の人から見ると、いったいどうやって連絡とってるんだろう?って感じですね。
戦後直後とか、戦前でもないのに、中学しか出ていません。
高校に行かなかった特別な理由や、別にやりたいことがあったとかそういう描写はありません。
ちょっと想像できないですね。
当然、仕事といえば日雇いくらいしかないので、そこで働いている日常の場面から、お話がスタートします。

日雇いの仕事に通う主人公の日常が描かれています。
大事件が起こることもないです。
久々にできた職場での友人との付き合い、その友人とのちょっとしたすれ違いから生じる負の感情や、その友人の
彼女が不細工だったのを見て優越感に浸るところ。など、時代や生活環境は違うけど、誰にでもちょっと当てはまる
感情が描写されていると思います。

文体がもっさりというか、殊更詳細な部分もあったりで、色んなところが昭和っぽく古臭い感じがします。
読んでると、舞台が80年代なのかどうかも一瞬怪しくなるのですが、友人に、スタローンの「コブラ」という映画を観に行こうと
誘っている場面があるので、なんとか戻ってくることができました。
でも、全然とっつきにくいわけじゃなく、むしろその古臭さがたまらなくいいです。
主人公は昭和の文学青年みたいに古臭い話し方なのですが、友人やその他の人は現代の話し方をしていて、会話は成立して
いるのだけど、読んでると違和感があったりします。
まるで、主人公だけ、石ころ帽子をかぶらされて、ぽつんとしてる感じです。
それが、何だか微笑ましいというか、純真な感じもします。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.205
(4pt)

苦役だけど、自業自得な部分もある

インターネットもスマートフォンも、ガラケーすら登場しない80年代の頃のお話です。
主人公は一人暮らしですが、家に電話すら引いてません。
今の人から見ると、いったいどうやって連絡とってるんだろう?って感じですね。
戦後直後とか、戦前でもないのに、中学しか出ていません。
高校に行かなかった特別な理由や、別にやりたいことがあったとかそういう描写はありません。
ちょっと想像できないですね。
当然、仕事といえば日雇いくらいしかないので、そこで働いている日常の場面から、お話がスタートします。

日雇いの仕事に通う主人公の日常が描かれています。
大事件が起こることもないです。
久々にできた職場での友人との付き合い、その友人とのちょっとしたすれ違いから生じる負の感情や、その友人の
彼女が不細工だったのを見て優越感に浸るところ。など、時代や生活環境は違うけど、誰にでもちょっと当てはまる
感情が描写されていると思います。

文体がもっさりというか、殊更詳細な部分もあったりで、色んなところが昭和っぽく古臭い感じがします。
読んでると、舞台が80年代なのかどうかも一瞬怪しくなるのですが、友人に、スタローンの「コブラ」という映画を観に行こうと
誘っている場面があるので、なんとか戻ってくることができました。
でも、全然とっつきにくいわけじゃなく、むしろその古臭さがたまらなくいいです。
主人公は昭和の文学青年みたいに古臭い話し方なのですが、友人やその他の人は現代の話し方をしていて、会話は成立して
いるのだけど、読んでると違和感があったりします。
まるで、主人公だけ、石ころ帽子をかぶらされて、ぽつんとしてる感じです。
それが、何だか微笑ましいというか、純真な感じもします。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.204
(4pt)

若さは苦い

タイトルと流し読みした書評から陰鬱な小説かと想像していたが、予想外に面白く、並行して読んでいたどの本より先に読み終えてしまった。
主人公は財も学歴もなく家族にも恵まれない典型的な社会的弱者で、二十歳前という年齢のせいもあり、自意識が強い。その自意識から自分をさらに貶める行動をとってしまうことに、気付きながらそれに抗えずにいる弱い彼の姿は、しばしば振り返り消し去りたいと願う昔の私にも重なり、身につまされる、けれどそこに嫌悪感は湧かず、むしろ愛らしさを感じるのは、主人公の親世代に近くなったせいか。いやテレビでお見かけする作者の容貌が優しげであるせいかもしれない。
主人公は不良ではあるが乱暴者ではなく、ただ社会人となる手順が普通から外れていただけだった。貧困から、彼のように子供から社会に溶け込むことが困難な若者はけして過去の像ではない。
優しげな顔つきに、先の見えない焦りや迷いの混じった表情でバスに揺られている貫多が目に浮かぶ。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.203
(4pt)

若さは苦い

タイトルと流し読みした書評から陰鬱な小説かと想像していたが、予想外に面白く、並行して読んでいたどの本より先に読み終えてしまった。
主人公は財も学歴もなく家族にも恵まれない典型的な社会的弱者で、二十歳前という年齢のせいもあり、自意識が強い。その自意識から自分をさらに貶める行動をとってしまうことに、気付きながらそれに抗えずにいる弱い彼の姿は、しばしば振り返り消し去りたいと願う昔の私にも重なり、身につまされる、けれどそこに嫌悪感は湧かず、むしろ愛らしさを感じるのは、主人公の親世代に近くなったせいか。いやテレビでお見かけする作者の容貌が優しげであるせいかもしれない。
主人公は不良ではあるが乱暴者ではなく、ただ社会人となる手順が普通から外れていただけだった。貧困から、彼のように子供から社会に溶け込むことが困難な若者はけして過去の像ではない。
優しげな顔つきに、先の見えない焦りや迷いの混じった表情でバスに揺られている貫多が目に浮かぶ。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.202
(5pt)

(女性にはお薦め出来ない?)

はな読む気はなかったのだが、偶偶「随筆集 一私小説書きの弁」を読んで、結句「苦役列車」も読むこととなった。  (←西村賢太風)

芥川賞受賞の際の「風俗行く」発言、その後TVのヴァラエティ番組で何度か西村氏を見て、おもろい人やなぁ、と思っていたが、本を読むまでの気はなかった。
病院の待合室で偶然「一私小説書きの弁」を読み、これは小説も読んでみたいと思った。

一気に読ませる面白い小説だった。
みなさんが適切なレビューを書いてあるので、その作風等はそちらに譲りますが、私が感心したのは、西村賢太氏は40代の若さで「女にもてたい」という大概の男が持っている感情を放棄、封印している点だった。 意識的でも無意識でも男のあらゆる行動は「女にもてたい」願望に根差していることが多いと言われる。 例えばスポーツ選手が、初めはとにかく女にもてたい一心で頑張ったとか。
この小説を読んでいて太宰治を思い浮かべない人はいないと思うが、その天性の偽悪家太宰だって、結構恰好をつけていたように思うし、人間失格と言いながら女にモテルことは忘れていなかったように感じる。(実際モテたし)

ところがこの西村賢太氏の書くことときたら、まず女性に嫌われること間違いなしである。大概の女性が嫌悪感を覚えるであろうことをわざとのように書いているし、内容だけでなくその書き方のキタナサは確信犯だ。買淫(この言葉自体が嫌悪感を呼ぶだろう)した後、その相手をクソミソに書く書きぶりなどサイテーである。

しかし、そのようなサイテーを一気に読ませる筆力は確かだし、爽やかなのだ。
併載されている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」でも、文学賞にノミネートされ結果を待つ40を過ぎた貫多のコロコロと変化する情緒不安定な心情を描いているだけで、ちょっと小説にはなり得ないような話なのだが、それがリアルに迫ってくる読み物になっていることは驚くほどだ。うまい。

しかし石原慎太郎の解説は実に適切で、まさに芥川賞受賞後の「その変質に尽きせぬ興味がある」。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.201
(5pt)

(女性にはお薦め出来ない?)

はな読む気はなかったのだが、偶偶「随筆集 一私小説書きの弁」を読んで、結句「苦役列車」も読むこととなった。  (←西村賢太風)

芥川賞受賞の際の「風俗行く」発言、その後TVのヴァラエティ番組で何度か西村氏を見て、おもろい人やなぁ、と思っていたが、本を読むまでの気はなかった。
病院の待合室で偶然「一私小説書きの弁」を読み、これは小説も読んでみたいと思った。

一気に読ませる面白い小説だった。
みなさんが適切なレビューを書いてあるので、その作風等はそちらに譲りますが、私が感心したのは、西村賢太氏は40代の若さで「女にもてたい」という大概の男が持っている感情を放棄、封印している点だった。 意識的でも無意識でも男のあらゆる行動は「女にもてたい」願望に根差していることが多いと言われる。 例えばスポーツ選手が、初めはとにかく女にもてたい一心で頑張ったとか。
この小説を読んでいて太宰治を思い浮かべない人はいないと思うが、その天性の偽悪家太宰だって、結構恰好をつけていたように思うし、人間失格と言いながら女にモテルことは忘れていなかったように感じる。(実際モテたし)

ところがこの西村賢太氏の書くことときたら、まず女性に嫌われること間違いなしである。大概の女性が嫌悪感を覚えるであろうことをわざとのように書いているし、内容だけでなくその書き方のキタナサは確信犯だ。買淫(この言葉自体が嫌悪感を呼ぶだろう)した後、その相手をクソミソに書く書きぶりなどサイテーである。

しかし、そのようなサイテーを一気に読ませる筆力は確かだし、爽やかなのだ。
併載されている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」でも、文学賞にノミネートされ結果を待つ40を過ぎた貫多のコロコロと変化する情緒不安定な心情を描いているだけで、ちょっと小説にはなり得ないような話なのだが、それがリアルに迫ってくる読み物になっていることは驚くほどだ。うまい。

しかし石原慎太郎の解説は実に適切で、まさに芥川賞受賞後の「その変質に尽きせぬ興味がある」。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.200
(5pt)

底辺を描いて、意外と明るい

とても気に入りました。

「。」まで、うっかりすると200字以上ある長い文章を、リズムのある心地よい語り口で読ませます。

自分のことを「貫多」と呼び、そして客観的に自分を見つめ、自分にツッコミを入れ、軽く笑いを取りながら、的確に社会の底辺を描いていました。

社会の底辺にいる人たちは共感を持って読んだことでしょう。

私もその一人です。

時々出てくる古風な言葉には賛否両論あります。確かに、どうにも読めない難しい言葉もありますが、一方で、例えば、「たらふく食べる」を「鱈」と「腹」で

「鱈腹食べる」

こう漢字になっているのを見ると、なんだか、かわいい。常用漢字表の外側に、豊かな言語空間が広がっているような気がしてきました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.199
(5pt)

底辺を描いて、意外と明るい

とても気に入りました。

「。」まで、うっかりすると200字以上ある長い文章を、リズムのある心地よい語り口で読ませます。

自分のことを「貫多」と呼び、そして客観的に自分を見つめ、自分にツッコミを入れ、軽く笑いを取りながら、的確に社会の底辺を描いていました。

社会の底辺にいる人たちは共感を持って読んだことでしょう。

私もその一人です。

時々出てくる古風な言葉には賛否両論あります。確かに、どうにも読めない難しい言葉もありますが、一方で、例えば、「たらふく食べる」を「鱈」と「腹」で

「鱈腹食べる」

こう漢字になっているのを見ると、なんだか、かわいい。常用漢字表の外側に、豊かな言語空間が広がっているような気がしてきました。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.198
(5pt)

徹底した客観視

西村賢太は私小説家である。

自分の経験をもとに作品を構成する私小説家にとって自分自身を客観的に観察することは非常に重要であり
この小説の見どころといえばまさに、どこまでも北町貫多を客観的に分析している点である。

苦役というのは何も、肉体労働のつらさや貧困のつらさを表しているわけではない。
主人公のどうにもならない性格こそが苦役であり
そのためにたびたび繰り返される人間関係の破綻、暴力、暴言、堕落、に貫多は苦悩し、それは一種の廃疾とも表現できるほどのものである。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.197
(5pt)

徹底した客観視

西村賢太は私小説家である。

自分の経験をもとに作品を構成する私小説家にとって自分自身を客観的に観察することは非常に重要であり
この小説の見どころといえばまさに、どこまでも北町貫多を客観的に分析している点である。

苦役というのは何も、肉体労働のつらさや貧困のつらさを表しているわけではない。
主人公のどうにもならない性格こそが苦役であり
そのためにたびたび繰り返される人間関係の破綻、暴力、暴言、堕落、に貫多は苦悩し、それは一種の廃疾とも表現できるほどのものである。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.196
(5pt)

美しき天然

『苦役列車』は再読三読しても飽きることのない作品である。
主人公である十九歳の北町貫多は安下宿に籠り、日銭を稼ぐために
嫌々人足仕事に出ては、安酒を食らう鬱屈した日々を過ごしている。
友達も彼女もおらず、夢と希望を持てないまさに苦役な日々が続く。
しかし、ある日新人の人足が彼の前に現れ、仄かな友情を
芽生えさせるのだが・・・。
今作が優れているのは、『私小説』と定義されているにも関わらず、
作者、西村賢太が貫多を徹底的に客観化して描写している点にある。
通常ならば、自己の生涯を振り返るのに多少の自己擁護や社会に対する異議申し立てを
試みるところだが、西村賢太の場合は希薄であることが興味深い。
主人公の境遇が中上健次の『十九歳の地図』に似ているにも関わらず
貫多は社会に反抗しようとせず、ただ流されていくばかりの自分を
苦々しく感じ安酒をあおるばかりなのだ。
しかしながら
同世代の若者に対する嫉妬と、密かに抱く己への自負、
悪鬼のような残酷性と、少年のような無邪気さが混在する
貫多の豊かなパーソナリティは読者を魅了してやまない。
また、文体上の特徴においても、例えば

曩時(のうじ)北町貫多の一日は目が覚めるとまず廊下の突き当りにある、年百年中糞臭い
共同後架へと立ってゆくことから始まるのだった。

という古めかしい書き出しと

天丼セットの食券を購(もと)め、すぐさま出てきたどんぶりを一気にかきこみ、
おそばのおつゆを一滴余さず飲み干すと、貫多はようやくに人心地がついた感じ。

といった幼い語り口が混在するアンバランスな感覚に不思議な快楽を覚える。
『曩時』『年百年中』『おそば』『おつゆ』『お刺身』といった
奇妙な言語感覚が計算ずくなのか、天性の感覚なのか理解不能であるが
この言語感覚こそが、通常陰鬱に流れていく作品の雰囲気を柔らかく和ませ、
ともすれば非常に滑稽な風味を加えており、
貫多に対する読者の親近感を得ることに成功しているのだ。
この美しき天然の才を有した極めて稀有な小説家・西村賢太の世界
はどれ一つ取り上げても、決して読み飽きることを知らない。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.195
(5pt)

美しき天然

『苦役列車』は再読三読しても飽きることのない作品である。
主人公である十九歳の北町貫多は安下宿に籠り、日銭を稼ぐために
嫌々人足仕事に出ては、安酒を食らう鬱屈した日々を過ごしている。
友達も彼女もおらず、夢と希望を持てないまさに苦役な日々が続く。
しかし、ある日新人の人足が彼の前に現れ、仄かな友情を
芽生えさせるのだが・・・。
今作が優れているのは、『私小説』と定義されているにも関わらず、
作者、西村賢太が貫多を徹底的に客観化して描写している点にある。
通常ならば、自己の生涯を振り返るのに多少の自己擁護や社会に対する異議申し立てを
試みるところだが、西村賢太の場合は希薄であることが興味深い。
主人公の境遇が中上健次の『十九歳の地図』に似ているにも関わらず
貫多は社会に反抗しようとせず、ただ流されていくばかりの自分を
苦々しく感じ安酒をあおるばかりなのだ。
しかしながら
同世代の若者に対する嫉妬と、密かに抱く己への自負、
悪鬼のような残酷性と、少年のような無邪気さが混在する
貫多の豊かなパーソナリティは読者を魅了してやまない。
また、文体上の特徴においても、例えば

曩時(のうじ)北町貫多の一日は目が覚めるとまず廊下の突き当りにある、年百年中糞臭い
共同後架へと立ってゆくことから始まるのだった。

という古めかしい書き出しと

天丼セットの食券を購(もと)め、すぐさま出てきたどんぶりを一気にかきこみ、
おそばのおつゆを一滴余さず飲み干すと、貫多はようやくに人心地がついた感じ。

といった幼い語り口が混在するアンバランスな感覚に不思議な快楽を覚える。
『曩時』『年百年中』『おそば』『おつゆ』『お刺身』といった
奇妙な言語感覚が計算ずくなのか、天性の感覚なのか理解不能であるが
この言語感覚こそが、通常陰鬱に流れていく作品の雰囲気を柔らかく和ませ、
ともすれば非常に滑稽な風味を加えており、
貫多に対する読者の親近感を得ることに成功しているのだ。
この美しき天然の才を有した極めて稀有な小説家・西村賢太の世界
はどれ一つ取り上げても、決して読み飽きることを知らない。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.194
(5pt)

貧乏だが、将来の事など何にも考えてないが、純粋さにやられた(T_T)。

青春だ。
共感する箇所が山ほどあった。
恋愛のほろ苦さで「若きウエルテルの悩み」と肩を並べるのではないかと言ったら、言いすぎになるのだろうか。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.193
(5pt)

貧乏だが、将来の事など何にも考えてないが、純粋さにやられた(T_T)。

青春だ。
共感する箇所が山ほどあった。
恋愛のほろ苦さで「若きウエルテルの悩み」と肩を並べるのではないかと言ったら、言いすぎになるのだろうか。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.192
(5pt)

他人の人生

人の人生を覗き見ることは、卑怯者の私にとってとても楽しいもの。しかしこの本は、ここまでさらけ出す?!思わず私はひきょう者で「スミマセンでした」とわびたいくらい潔い。かっこいい。三島由紀夫を読んだ時の衝撃と同じでした。あっぱれ!
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.191
(5pt)

他人の人生

人の人生を覗き見ることは、卑怯者の私にとってとても楽しいもの。しかしこの本は、ここまでさらけ出す?!思わず私はひきょう者で「スミマセンでした」とわびたいくらい潔い。かっこいい。三島由紀夫を読んだ時の衝撃と同じでした。あっぱれ!
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324