■スポンサードリンク
犯人は僕だけが知っている
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
犯人は僕だけが知っているの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は田舎町を舞台に現代日本の排除型社会(伝統的な人生モデルを喪失した不安や経済的な閉塞感から各々が異物認定した他者を排除しようとする社会、らしい)とそれに振り回される高校生たちの姿が描かれている。 息苦しい世界での人間の喘ぎというのは松村涼哉作品の共通したテーマだが、本作はそれが上滑りしているように感じた。 その大きな要因は高校生の話のはずなのに高校生の話として書けていないからだろう。 作中の閉塞感は舞台の町の経済的な先行きのなさが主因として描かれているが、それを肌で感じるのはこの町の労働者のはずだ。 大部分が親に養われる高校生は、もちろん親が貧乏なら貧乏な暮らしを強いられるし高卒で就職する生徒は間もなくそちら側になるとはいえ、やはり問題との距離がある。 にも関わらず作中の高校生は異常なほどの当事者性をもって社会が悪い社会が悪いと叫び、あるキャラクターは幼馴染みの家庭が行政の支援を受けられない理由は生活保護受給者が自治体の財源を食い潰すからだ、という理屈で生活保護受給者の子供である同じ部活の友人に暴行を加える。論理のあまりの飛躍も攻撃性も異常としか思えないが、作中ではその行為は悲壮で切実なものとして描かれていた。ついていけない。 作中の高校生は全体がそんな印象で、一人二人そういうキャラがいるというだけでは済まない。 キャラクターが一様に同じノリで、しかもそのノリにピンとこないものだから読んでいて違和感しかなかった。 このテーマを高校生でやるなら経済的な不安よりも多様性が尊ばれるようになった学校での混乱など、高校生にとっての問題として要素を絞って構築すべきだったのではないか。 ストーリーの軸のはずのミステリ要素が不要としか思えないこと、現実社会との接続が強い題材にも関わらずリアリティ的な面で引っかかる部分が多いことなど、とにかく洗練されていない作品に思えた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
限界集落にある高校。ほとんどのキャラは、不満を持ち不運に怒り、不当に奪われ搾取されていると思っていて、それは全て他人のせいであり、やたらと他者を攻撃する性格に描かれています。つまり社会の財は一定で、周りがたくさん奪っていくから自分のパイが残っていないと考えているわけです。すごい視野狭窄です。 で、人は理解しあうことはできず、互いに攻撃しあい、社会から排除されることに苦しむ高校生にもたらされた答えは「逃げる」。 逃げて救われるのだったら誰も自殺しないですよ。藁にすがって溺れている人に逃げろといっても無意味なのと同じ。 これまでの辛さ苦しさを補って余りあるほどの輝かしい未来が約束されているなら生きようと思えるかもしれないけど、そんなものあり得ないから絶望するわけで。 殺人事件より煽動動画にフォーカスされていて、ライブ配信に警察が出動しないという不思議。 殺人が起きたきっかけは老婆が特養を強制退所させられたことなんだけど、暴力行為を理由に即退所には普通ならないし、ケアマネの介護プランもなく介護能力のない家族に要介護老人を押し付けることもまずないし、町の特養が満床でも近隣に受け入れ可能な特養を探すので、前提条件が成り立ちません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!