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ホラー作家八街七瀬の、伝奇小説事件簿
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ホラー作家八街七瀬の、伝奇小説事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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興味深い民俗学ミステリー描写も良いが主人公が万能過ぎるのと敵の設定が厳しいかな | ||||
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他のミステリを買いに行った際に目に入り購入。他の方が書いているようにライトミステリのような感じで伝奇感は薄いのではないかと危惧していましたが、杞憂でした。メインの二人の付かず離れずの恋愛模様と伝奇ホラーミステリをバランスよく描いています。 | ||||
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登場人物、ストーリー展開ともなんらかの映像化を最初から狙って作成された様なあざとさを感じます。『お迎えにあがりました』よりは数段落ちるかと。 | ||||
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この令和の御代に成立させるには大胆不敵と云うより他はない設定ではないだろうか?昭和だよな(笑)、甲賀の村に伝わる言い伝え、いや禁忌に巻き込まれた少女、妖怪片輪車の伝承に符合する失踪事件に遭遇したホラー作家と編集者…おふたかたの秘めた恋心と後半に繰り広げられるアクションを除けばベタな展開であるが、ミステリー主体ではあるがピリッと怪異を絡ませて意外に読ませる。それにしても学生時代に中途半端な告白で人生を狂わされた彼女の今後が心配だ。 | ||||
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集英社文庫ではコミカライズもされるなど人気を博した「お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 」シリーズを展開中の竹林七草だけど、そっちの方は一旦止めて新作発表。 物語は卒業式を終えたばかりの高校生・和泉大和が三年間を過ごした文芸部の部室で意中の相手であった内気な女子部員・八街七瀬に告白を試みる場面から始まる。「好きなんだよ」という言葉は口から出せたものの、七瀬が泣きだした事で持ち前のヘタレ精神を発揮して「七瀬の作品が」と付け加えてしまう。こうなると言い訳が止まらず七瀬が二年生時に発表した伝奇小説のカッコいい女主人公を「あれこそ理想の女性」とまで口にしてしまう。 「覚えてなさい」と言い捨てて七瀬が去ってから七年後、中堅出版社の編集者として勤めていた大和だったが、悩みのタネはまたしても七瀬であった。高校時代とはガラリとキャラを変えて傲岸不遜で怖い物知らずその物といった感じの人気ホラー小説家となった七瀬は卒業式のヘタレな大和をネタに散々弄ってくる女性に成長。しかも大和が担当する羽目に。 その日も七瀬のマンションを訪れて散々にからかわれた大和だったが、本来の用件は読者からの手紙を七瀬に届ける事。「本物の怪事件を取材したい」という七瀬の要望に応じて読者から怪事件ネタを募った大和だったがその第一号は甲賀市から届いた「外を覗いてはいけない節分の夜に家の外からガラガラと集落を練り回る車輪の音が聞こえる」という小説の題材にするには微妙な代物。 ところが七瀬にはその話が妙に気に掛った様で手紙の送り主に話を直接聞いてみたいと言い出す。しかもその取材旅行には付いてくるのが当然と言ってのける人気作家様の為に大和は甲賀市へ車を走らせる事になるが…… ふーん?どこかしらユーモラスでハートウォーミングな雰囲気が強い「幽冥推進課」とはかなり作風を変えてきたな、というのが正直な感想。どちらかと言えばガガガ文庫での「猫にはなれないご職業」や唯一の単行本刊行作品「お伽鬼譚」に近いドロドロとしたものを強く打ち出した作風となっている。その意味で単一の作風に縛られない作者の芸達者ぶりを知らしめているとも言えるが。 内容的には高校の頃からの腐れ縁が続く編集者・大和と人気ホラー小説家・七瀬を主役に据えたバディもの。そしてこれも連作短編形式であった「幽冥推進課」とは大きく異なる点なのだけど一冊で一つの事件を追い続ける「長編構成」となっている。 ストーリー的には大和が募集した読者の体験コーナーに寄せられた手紙を元にその送り主である近江地方の山村に住む女子高生の元を尋ねたら閉鎖的な村で昔から続く秘祭の真実と閉鎖的な山村を縛り続けてきた因習に直面してしまう……というのが主な筋書き。「閉鎖的な山村」「血生臭い秘祭」と伝奇ものとしては一歩間違えれば「ベタ」扱いされてしまう様なオーソドックスな舞台装置の中で話が進められる。 「幽冥推進課」は怪奇といっても、どこか「現代のおとぎ話」っぽい、ディティールをそこまで作り込まない方向で話を作っていたけど、本作では舞台となる山村の神社に祭られているのが近江地方では有名な天之御影命=天目一箇神である事や民間伝承の「夜行さん」を絡めるなど本格的伝奇小説として読ませる為にかなり作り込まれている感がある。 脇役も閉鎖的な村に育ったことで同世代の友人に飢えている女子高生や、家庭の事情で東京から田舎へ越してきたが集落の閉鎖性に馴染めない同級生、古代から続く神社の宮司として集落を支配する男とその一族といった多過ぎず、少なすぎずのバランスの取れた登場人物を配置し、読者に作中での人間関係が把握しやすいよう気配りが行き届いている。 ただ、キャラクターの楽しさという点では何と言ってもヒロイン・七瀬が秀逸。高校生時代に思いを打ち明けそうになりながらヘタレっぷりを発揮してしまった大和が担当編集者という位置にいる事でドSっぷりを発揮するのだけど、その一方で大和と取材旅行に行くとなるとやたら気合の入った格好でめかし込んできたり、隠すに隠せない女心が滲み出る辺りが実に可愛らしい。その可愛い性格なのに男どもを簡単に叩きのめす武術を使いこなしたり、大型バイクを三人乗りでも平然と運転するなど「お前はどこの峰不二子だ」と言いたくなるスーパーウーマン。 肝心の大和は社会人になってもヘタレっぷり全開で高校時代から変化していないので、余計に高校時代の「自分とは違うカッコいい女」を目指し悔しい想いを胸に自分を変えてみせた七瀬のいじらしさが光る。 ただ、人物造形は悪く無いし、伝奇ものとして読めるだけの作り込みが施してあるのは良いのだけど、若干ストーリー構成の単調さというか「活劇頼み」な所が気になった。「幽冥推進課」の様な連作短編形式であれば一話の中でストーリーの流れを二転三転させるのは忙しくなり過ぎてあまり好ましくは無いのだが、長編形式とするのであればもう少し読者の予想を裏切って「先が読めない」ストーリーというのを意識しても良かったんじゃ無いだろうか? 後半は七瀬のスーパーウーマンぶりが発揮されまくって村の閉鎖性を食い物にしてきた悪漢との直接対決がメインになるのだけど、映像作品であればともかく小説で活劇シーンばかりが延々続くと単調さが気になってくるのでこの辺りも若干配慮が欲しかった。 後半はつらつらと不平を書き連ねてしまったが、主役カップル二人の関係性を印象付けたり「幽冥推進課」とは明確に異なる作風の違いを見せ付けるには十分な内容。元々基本技術はしっかりとした作家さんなだけに作風の広さを証明する様な作品を人気シリーズと並行して進めるのは悪く無いかと。 | ||||
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この世ならざるモノのぞくぞくする恐ろしさをじっくり表現しつつ、もっとも恐ろしいのは人間の悪意であることを描ききっています。 主なストーリーは、ヘタレ編集者とパワフルなホラー作家が取材に行った閉鎖的な集落の神事の秘密。 人を迫害する側の根源にある恐怖、共犯者にされてしまいもう後戻りできない強迫感、「外」の視点を持ち得ない閉鎖性。秘祭の恐ろしさがビシバシ伝わってきます。 神事をぶち壊して逃走するアクションシーンも迫力です。 作中書かれていませんが、集落の人々はおそらく何事もなかったかのように日常生活に戻っていることでしょう。そして辱しめられ虐げられた人がもっとも怒りを感じるのは、そうした、自分は無関係でなんの罪もありませんと平然としている共犯者たちに対してです。 甘酸っぱい青春の1ページから始まった作家と編集者の関係。 シリーズ化してくれないかなあ。 | ||||
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