竈河岸: 髪結い伊三次捕物余話

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竈河岸: 髪結い伊三次捕物余話の評価:

4.72/5点 レビュー 25件。 A ランク

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平均点4.72pt

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全50件 41〜50 3/3ページ
No.10
(5pt)

単行本としては最終巻。伊三次・お文にお別れする時がきた。

昨年11月に亡くなった宇江佐真理の代表作『髪結い伊三次捕物余話』シリーズの最終巻です。
6篇中、興味深かったのは「暇(いとま)乞い」です。
時代小説は、架空の物語の中に、歴史上の実在の人物がうまく絡んできたりするといっそう興がわきますが、「暇乞い」には、蝦夷松前藩家老にして「夷酋列像」(アイヌの酋長たちの絵)の作者・蠣崎波響(作中では波音)が登場します。  
不破の娘・茜が、本所緑町にある松前藩江戸下屋敷の奥女中(別式女)として勤めている縁で、幼馴染の伊与太の絵を蠣崎に見てもらおうと考え、引き合わせるという成り行きです。
小藩とはいえ家老職の武士が、まだ名前も知られていない修行中の絵師の卵と会うというのは、ま、普通に考えれば無理筋もいいところですが、そこは練達の語り手宇江佐です。茜が、亡くなった藩の跡継ぎの思われ人だったという重要な伏線がこれまで語られてきたことで、なんとなくありそうな話に仕立てています。
伊与太の絵を見た蠣崎が「これは浮世絵ではない。本画に近い。そちは絵の流儀を誤っているのではないか」とまで評価し、貴重な絵の具と絵筆を与えたところから、伊与太の運命は大きく動き出す…。いいですねえ。
親の跡を継がず、絵師になりたいという息子を、案じながらも応援する伊三次とお文。しかし芽が出るまでにどれほどかかるか分からない世界に入った伊与太を、語り部の宇江佐自身がもてあましているようにも感じていました。
それがここに来て大きく動きはじめ、敬愛する師匠・歌川国直に暇乞いをし、ときどき出入りしていた葛飾北斎から結髪亭北与(けっぱつていほくよ)の雅号をもらって信州に旅立つ。なにかがおきそうな、若い絵師の彷徨です。がんばれ伊与太と声をかけたくなります。

宇江佐は『桜花(さくら)を見た』(2004年)所収の短篇「夷酋列像」で蠣崎波響を正面からとりあげ、絵の力で藩の窮状を救う姿を描いています。エッセイでも何度も波響に触れ、敬愛を語っています。
茜が縁談を嫌って松前藩の江戸屋敷に奉公にあがるという話しになった時(シリーズ第10巻『心に吹く風』)は、「お、でましたね。得意の松前藩」くらいの感じでしたが、成長した伊与太と蠣崎波響(波音)を出会わせるなんてことまで思っていたのかな。

想い思われる伊与太と茜の身分違いの恋はどうなるのか。身分など超える生き方が江戸時代にはたくさんありましたよ、ということを書いてきた宇江佐だから、きっと実らせただろうな。読みたかった。
とうとう伊三次・お文夫婦にお別れする時がきてしまいました。
あらためて、宇江佐真理さんの冥福を祈ります。
江戸市井の人々の暮らしを書き続けた作家に、献杯。
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4163903496
No.9
(5pt)

この世界の空気感を感じていたい

子どもたちが育ち伊三次を取り巻く世界の物語は世代交代をしながら展開する。不破龍之進、茜、伊与太、お吉・・・それぞれが深く繋がりながらもそれぞれの人生を歩んでいる。髪結い伊三次の物語も、巻を重ねる毎に人の生き様や思いが深く描かれ、儚く、そして温かな世界につつまれてきた。これからこの世界の登場人物はどうな生き方をしていくのだろう・・・そう考えずにはいられない。
作者の宇江佐真理さんが他界された。これから先、伊三次を取り巻く人々がどのように生きていくのか、ただただ幸せを祈ることしかできなくなった。もっともっとこの世界の空気感を感じていたかったけれど。ご冥福をお祈りいたします。合掌。
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4163903496
No.8
(4pt)

宇江佐真理さんの髪結い伊三次これが最後かと思うと・・・

髪結い伊三次には楽しませてもらいました。いっぱい泣かせてもらいました。
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No.7
(5pt)

髪結い伊佐治捕り物余話

宇江佐真理子さんの髪結い伊佐治の物語をずっと楽しんできた読者として、若かった伊佐治から、世代交代して成長していく伊佐治を取り巻く人々の今後が気になっていました。
宇江佐さんは私たち読者のために苦しい中で書いて下さったんだなーとうれしかったです。
もう宇江佐ワールドを楽しめないと残念に思っていましたが、この本が読めて幸せでした。宇江佐さんどうもありがとう。
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4163903496
No.6
(5pt)

追悼・宇江佐真理先生…。

私は時代小説を中心に読んでいて、
その中でも宇江佐真理さんが一番好きな作家さんでした。
お亡くなりなったとお聞きしたときは愕然となりました。
「まさか」の気持ちでいっぱいです。。
本作も世代交代で不破家、龍之進やきいが前半の主役、
後半では茜や伊与太が中心になっています。
これから彼らの行方が気になるのに…。
前レビュアーさんが言っておられるように、他に後2作あるみたいですが
出版はされるのでしょうか?
遺作とはなってしまいましたが本作もあっという間に読み切りました。
宇江佐真理先生、どうか天国で安らかに、
そして今まで素晴らしい作品をたくさん読ませていただいて
ありがとうございました。
宇江佐先生(の作品)と出会えたことは私の一生の宝物です。
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No.5
(5pt)

残念です

まだ読んでいません。包装もきれいな状態で商品をいただきました。
宇江佐真理の最後の小説だと思うと残念ですが、大事にしながら読みたいと思っています
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4163903496
No.4
(5pt)

宇江佐さん、ありがとうございました

訃報に触れ、本当に驚きました。その後数日を経て、図書館からこの本の貸し出しの順番が回ってきたと連絡があり、やっと手にすることが出来ましたが、一章ごと読み進めるたびに、伊三次シリーズとのお別れを思い名残り惜しい気持ちになりました。宇江佐さんのファンでしたが、このシリーズは特にお気に入りで思い入れが深かっただけに本当に残念です。今作でも龍之進は過去に因縁ある駄菓子屋の主人・次郎衛を小者に迎え、伊与太は絵の師匠の元を引き上げ、北斎の紹介で信州に旅立つ。きいは子育てに追われながらも同心の妻として日々前向きに奮闘している。まだまだずっと続きそうなのに…。これからが面白くなりそうなのに…。残念すぎて言葉がありません…。
単行本に未収録の作品が二篇ほどあるようだが、どうなるのかな。文春さん、必ず出版して下さいよ。
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4163903496
No.3
(4pt)

ありがとうございました。

「幻の声」から十数年、伊三次やお文と共に歳を重ねてきました。若く血気盛んだった二人も、子供や若者を教え導き、そして見守る立場となりました。
数巻前からは不破龍之進やその妻きい、龍之進の妹の茜や伊三次の息子伊与太が物語の中核となり、悩みながらも懸命に自分の道を歩いています。派手な物語ではないけど、私自身の命が尽きるまで彼らの人生を見守り続けていけるような気がしていました。
ごくごく自然にそう思わせてくれる作家さんは本当に稀有な存在だと思います。しかしながら私の拙い想像力では彼らの今後の人生を思い描くことができません。なので星は無念の思いもこめて4つにさせていただきました。でも、髪結い伊三次の物語を読んだことは私の読書人生の中では星無限大です。これから何度も読み返すことでしょう。
宇江佐真理先生、彼らと会わせてくれありがとうございます。本当にお疲れ様でした。
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4163903496
No.2
(3pt)

楽しく読みました

自分にとってこのシリーズは、どん底の悲惨もないけど、突出した爆発的な幸運もなく、生活の一環での「喜怒哀楽」をゆるやかに、安定して楽しめるお話です。読後興奮冷めやらず、ではなく、読後何となく気持ちのとげとげが落ちて平穏になる類の。
絶対面白いから、とてもとてもおススメ!と声を大にして熱烈に謳う種類じゃなく、なんというかもっと普通に当たり前の様な感じに「楽しいよ。私は好き。外れないし、分かり易いよ。読んでみ?」というどっちかというと地味に好きな作者さんです。
本書も、いつも通りに楽しみました。
しかたのない事で、残念ですが、惜しみ悼む前に、ぎりぎりまで書き続けて下さっていた事に心からお礼を申し上げたい。
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4163903496
No.1
(5pt)

悲しい知らせ。

髪結い伊三次楽しみにしてました。捕物の話は1話のみで、後はいつもの人々の暮らしぶりでした。本を読み終えて四日目に訃報を知り愕然としました。私の一番好きな作家さんです。新しいシリーズ、もう読めないのですね。とても
とても悲しいです。亡くなるには若すぎて。才能溢れる宇江佐真理さん。まだまだ書いて欲しかった。切に思います。レビューにならずに申し訳ありません。先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。まだまだ続くと思っていたので、楽しくそれぞれの成長を楽しく読ませてもらいました。
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4163903496