■スポンサードリンク
(短編集)
一人称単数
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
一人称単数の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全166件 41~60 3/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読むのが楽しみです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特に「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」が不思議でとても良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は、社会人になってからようやく、村上春樹という作家の、同時代における重要性に気づき、遅まきながら少しずつ中長編の小説を読みはじめ、今では殆ど読み終えた。因みに、最も好きな作品はありきたりで、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(新潮文庫)、「ねじまき鳥クロニクル」(新潮文庫)、「1Q84」(新潮社、2009/2010年)であり、この3作品を過去に遡ってレビューするなら、☆5つの評価をしただろう。読み終えたときの余韻が驚くほど深くて、いずれも現代日本文学の傑作であると思っている。 ところで「村上春樹さんの短編小説の代表作とはなんだろうか」ということを考えてしまった。長編小説・短編小説ともに、誰もが知る代表作がある作家はいるわけであり、夏目漱石なら「こころ」と「夢十夜」、志賀直哉なら「暗夜行路」と「小僧の神様」、井伏鱒二なら「黒い雨」と「山椒魚」というところか。そこで、先ほど書架から過去の短編集を引っ張り出して、どんな短編小説を読んできたのか振り返ってみようとしたところ、「東京奇譚集」(新潮社、2005年)に「品川猿」という短編があるのに気づき、「一人称単数」所収の「品川猿の告白」と関係があることにびっくりした。何を言いたいかというと、そんなことに今さら気づくくらい、私は村上春樹さんの短編の世界を整理できていないし、その豊かさを理解できていないのである。文藝春秋か新潮社か講談社あたりで、村上春樹さんの短編小説のしっかりした書誌的な整理を行った一覧表を作って、優れた評論家を集めて、短編小説だけの批評会をやってくれないだろうか。そのような特集が出たら、その本を絶対買うだろう。 この短編集についての感想であるが、幾つかはとても楽しめた。「品川猿の告白」は、この短編集の白眉だろう。「石のまくらに」と「『ヤクルト・スワローズ詩集』」は、この作家が、詩や和歌になみなみならぬ関心と技量を持っていることを示唆している。「謝肉祭(Carnaval)」は、シューマンの一流の批評にもなっているが、歳をとってからの記憶の立ち現れ方を書いた名品。「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」は、短い話のなかで、冒頭を読み始めた印象からは全く違った世界に連れていってくれる作品である。「素晴らしい小説の基準点」として☆を4つとした。このレビューは、私の3番目のレビューである。2020年11月14日読了。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作の他、「石のまくらに」、「クリーム」、「チャーリ-・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」、「ウィズ・ザ・ビートルズ」、「ヤクルト・スワローズ詩集」、「謝肉祭」及び「品川猿の告白」の8つの短編から構成される「男性の一人称に依る『あり得たかも知れない別の人生』」を綴った実験的自伝風短編集。 どうやら、老境に差し掛かった作者が自身の「あり得たかも知れない別の人生」を些細な記憶・エピソードに基づいて、想像を巡らしたという趣向らしい。しかし、各編がそれに沿って曖昧模糊とした内容になっているので、取り留めの無い印象を免れない。相変わらず、生(性)と死の問題を扱った短編が多いし、各短編の題名から窺える通り、"音楽と詩"の話が多い(これが説明臭くてウンザリ)。既視感が強くて、新規性が感じられない。加えて、ビートルズの曲の説明の一部や"パナソニック(当時は松下電器でしょう)のラジオ"に誤りがあると言うお粗末さ。 作者のファンにとっては興味ある内容かも知れないが、一般読者にとっては退屈な駄作だと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、カバーのイラスト。女性の上半身とベンチ、背後の木立にはレコードジャケット、多分ビートルズでしょうが、これはひどい。ビートルズのレコードジャケットがわざとらしくそこだけ色を変えて突っ込んであって、恥ずかしくて見ていられない。数々の村上春樹の書物の装幀の中で最低のものではないでしょうか。(あくまでも個人的感想です。個人的には佐々木マキ氏の絵が好きです。個人的には) また、扉には猿がLPレコードをかけようとしているイラスト。稚拙。 得意のメタファーはどうしたの?と言いたくなります。こんな媚びたような装幀にしなくても、村上春樹って記しただけで売れること間違いないでしょ。 じゃ、どんなのがいいんだと聞かれたら、僕にはいい案があります。本書の「クリーム」に出てくる「中心がいくつもあって、しかも外周を持たない円」をイラスト化すればいいのです。 中心は点でしょうし、点は大きさを持たないから、つまりは無地? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
外さない春樹ワールド | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『一人称単数』には短篇8篇が収められている。うちこの「品川猿の告白」が群を抜いて魅力的だ。 思いつくままに一人旅を続けていた「僕」は、群馬県の某温泉の小さな旅館で、年老いた猿に出会う。街外れのただ古びているだけの宿で、そこに住み込み風呂の世話や掃除をしている。「僕」はその猿とビールを飲みながら語り合う。 小さい頃から人間に飼われ、そのうち言葉を覚えてしまったという。かなり長く東京品川区の無類の音楽好きの大学の先生宅におり、先生に合わせてブルックナーが好きだという。「はい、七番が好きです。とりわけ三楽章にはいつも勇気づけられます」 このあたりから村上ワールドに引き入れられる。 ――「しかしたとえ愛は消えても、愛がかなわなくても、自分が誰かを愛した、誰かに恋したという記憶をそのまま抱き続けることはできます。 それもまた、我々にとっての貴重な熱源となります。〔…〕 かつて恋した七人の美しい女性のお名前を大事に蓄えております。私はこれを自分なりのささやかな燃料とし、寒い夜にはそれで細々と身を温めつつ、残りの人生をなんとか生き延びていく所存です」 だが紹介できるのは、この愛について、猿が私見を語り始めるところまで。 後半はそれから5年後の話だが、あっと驚く展開というかオチが用意されており、未読の読者のために口をつぐまざるをえない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
また手にとってみた、村上春樹の短編小説。「女のいない...」は、まだまだいけるなって感じた村上春樹の短編小説。今回の作品は、ガッカリの一語に尽きる。すべてが既視感と使い古した言葉、そしてLPレコードと、ビートルズと、スリラー小説を読む主人公...に、再びガッカリ。そこには、15歳のカフカ少年や、殺し屋の青豆はいない。70歳を超えた村上春樹に、もはや村上春樹の小説は書けないのかもしれない。 それでも、次の中編小説を待ってる自分がいる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一人称単数。村上春樹の短編集。 女と寝た話は記憶も曖昧で、熱も無く描かれながら、 明らかに幻覚である猿の話は、口数も多く、情報量も多い。 退屈さに満ち満ちていても、山頂には何かあると読み進めた先に、 ピシャリと最後の一言。 賢くなりたいとか、ファッションで読もうとした読者に厳しい仕打ち、と受け取った。 予定調和に一石を投じ、自由である新しい文学、ということか。 という感想もまた、元を取ろうとする、私の浅ましさです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しめました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹を一冊持って、カウンターでカクテルを啜る。30年以上憧れ続ける風景だっ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作家の本を読んで影響をうけてしまうと人間が弱くなっていってしまうと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ものすごく面白いというわけではないけれど、安心して面白く読める作品です。 若い書き手がいくら現れても、村上春樹は稀有な読書体験を与える唯一無二の作家と言えるでしょう。 これはやはり、作者の音楽・映画鑑賞、読書歴、翻訳の経験によるところだと思います。 他のレビューの中で作中に出てくる製品が実在しないとの指摘がありましたが、小説(フィクション)ですから何ら問題のないことだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者のエッセイ風短編小説集。文章が読みやすいためあっさり読み終えられる。わりとシンプルなストーリーなので印象に残りやすいが引き込まれるほどの話はない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人気作家による最新作には最後に置かれた書き下ろしの表題作のほかに「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」「ウイズ・ザ・ビートルズ」「ヤクルトスワローズ詩集」「謝肉祭」「品川猿の告白」の7つの短編が並んでいる。 「一人称単数」という名詞が暗示するように、著者のこれまでの作品に比べるとどことなく私小説的な趣が出張っているところにちょいと興味深いものがある。 たとえそれが空想的、夢想的な題材であっても、恐らく作者の個人的な体験に深く根差している物語なのだろう。 「石のまくらに」というのは、主人公が一夜を共にした女性が作成した私家版歌集のタイトルなのだが、「たち切るも/たち切られるも/石のまくら うなじつければ/ほら、塵となる」というような印象的な短歌が性的なエピソードを巧みに彩っている。 「クリーム」は、少女に招待されたコンサートに行った主人公が、少女やコンサートの代わりに出会った謎めいた老人から「中心がいくつもありながら外周を持たない円」が分れば人生のエッセンスが分かる、と講釈される話である。 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、その非現実的で空想の産物たるLPが突如顕現し、34歳で死んだ偉大なミュージシャンが、カルロス・ジョビンの「コルコヴァッド」を演奏するという夢のような、されど猛烈にリアルなお話。 「ウイズ・ザ・ビートルズ」は、死んだサヨコ以上に彼女の兄のキャラクターが生きている。 「ヤクルトスワローズ詩集」は、この弱小球団の昔からのファンである作者の愛すべき「詩のようなもの」。 「謝肉祭」は、シューマンの同名のピアノ曲を愛する魅力的な醜女と主人公の浅からぬ交情を描破し、「品川猿の告白」は、「東京奇談集」の名作「品川猿」の再登場で、猿と人間の懸隔を平然と無視する作者の筆力と創造力が素晴らしい。 そして巻末の短編「一人称単数」では、その最後の言葉「『恥を知りなさい』とその女は言った。」の切れ味が鋭く、これは本来は長編に発展させるべき好個の素材だろう。 これを要するに、本書は相変わらず「音楽」と「比喩」と「固有名詞」と「青春の思い出」に満ち満ちた、ある初老作家の美しい抒情詩である。 ノーベル賞を取れても取れなくても村上春樹は村上春樹 蝶人 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹のファンなら、楽しめる短編集だ。身辺雑記が基になり、少しずつパラレル・ワールドにシフトして、短編のような形をとったものだ。「品川猿の告白」が最も小説っぽいかな。素人めいた詩のようなものを中核とした「ヤクルト・スワローズ詩集」や、架空のレコードのレビューをめぐる「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」などは、実験小説のように変わったテイストだ。ファンとしては、異色作として楽しむことができる。しかし、特にファンじゃない人は、別な作品を読んだ方がいい。「象の消滅」とか… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謝肉祭と品川猿が好きでした。 村上さんの短編はやはり好きです。 物語は、大人になってからあまり読まなくなってもっぱらエッセイかスピリチュアル系ばかりになっちゃいましたが、村上さんは新刊でると読んじゃいます。昔の小池真理子さんの短編も好きでした…。最近、彼女は新刊出してるのかしら? この二人くらいか…共通点はなんだろう?? 表紙の女性がないほうがよかった。私が想像する女性の邪魔をするから…。いつも読まない娘は興味を持ったみたいだから、良いのか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
安西水丸氏もなくなり、編集者もパワハラ騒動が取り沙汰されるようになりました。 村上さんの年頃の人は日本がイケイケだった頃を楽しんだ世代ですから、もともとあまり共感はできませんでしたが、もう世代交代なのかな〜と近年の作品を読んでいると思います。 私だけでなく熱心な読書の方々も、あまり読書感想を聞かなくなりましたから、ブームが去ったんではないかと感じます。作家はそこからが本当の勝負ですが、相変わらず全く代わり映えのしない作品にしらけてきます。 本人は「好きでやってるんだから、じゃあ読むな」と思っていることでしょうが...しかしどんな表現者も、意固地になったら終わりだと思います。 もう十分大金持ちで満ち足りた生活を送っている村上さんには、創作意欲は無くなって当然なのかもしれません。 若い子受けを狙ったような装丁もダサく、なんだか周りにイエスマンしかいなくて可哀想な感じ... ノーベル賞でよく取り上げられますが、本来あの賞は画期的な表現や価値観に与えるものであり、「面白い小説」のためにあるものではありませんから、そもそも無理だと思います。(ご本人も自覚してるだろうし) 近年は、大嫌いと公言する子供や日本の近代史を取り入れて、積極的に政治発言もされていますが、自分は安全圏にいるくせに卵の側に立つとかカッコいい事ほざいて陶酔している姿が行間から覗き見え、それに気づきもせず新刊はすぐベストセラーになる状況に、なんだか民衆心理ってつくづく恐ろしいなと思ってしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いです。でも、長編にある村上春樹の何とも言えない読後感がありません(^-^;) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めて村上さんの新書を購入しました。 読書家でもハルキストでもありません。 2011年、何も出来なかった頃、「廻るピングドラム」というアニメで村上さんの作品を知りました。それまでは、レイモンドカーヴァーの訳文しか読んだことはありませんでしたが、村上さんのミニマリズムに出会えたことは人生の宝物でした。2011年7月村上春樹さん(71)は、このコロナ渦に誰もが手に取りやすい短編小説を発行し、人々を文学の世界に連れ出してくれました。なんだか勿体なくて、まだ読み終わってはないのですが、2番目の「クリーム」というお話に励まされました。ありがとうございます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!