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待つ春や 風の市兵衛



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【この小説が収録されている参考書籍】
待つ春や 風の市兵衛18 (祥伝社文庫)

待つ春や 風の市兵衛の評価: 4.00/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

次が期待

風の市兵衛も妻を持つ年齢か、と新たにきずかされましたと同時に今後の展開が非常に楽しみです、風の剣が年齢にどの様に変化するのか、今後の市兵衛の分岐点になる記念すべき、本巻とおもいます。
待つ春や 風の市兵衛18 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:待つ春や 風の市兵衛18 (祥伝社文庫)より
4396342543
No.1:
(3pt)

浸透する商業経済と衰退する農村経済の矛盾を背景に、譜代大名家の小悪党どもと対峙する市兵衛一行の旅路。紙数を増やしてもっと深堀り希望。

江戸にてさる譜代大名家の奥方に秘かに召され、密命をもって老宗匠とその幼い付人と共に武州・忍田に赴く市兵衛。
数日前に忍田近郊で殺害されていた、公儀御鳥見役一行の死因に関連して、奥方の国元の恩人が、濡れ衣を着せられ、窮地に陥っているという。

米作を経済の基盤とする幕府政治を率先して支える譜代大名家でありながらも、その建前とは裏腹に、街道沿いに栄える継立場の商業経済の恩恵を享受している矛盾。
そこに目をつぶりつつ、民と公儀に二つの顔を使い分け、甘い汁を吸う家老ども。

さて、今回は、古い農業経済にしがみつく幕府政治の矛盾・落日を背景ににじませつつ、「無実の人を死なせてたまるか」という強い思い、「受けた依頼は絶対に達成する」というプロ意識に駆られ、冬枯れて時折雪もちらつく武蔵野の野原を奔走する市兵衛の姿が印象的です。

今回、直接市兵衛の算勘の才を活かす場面が出てきませんが、上記のように、根深い経済の変質を背景として、それを事件の遠因として描いているところは、単なる勧善懲悪より深みが出ていると思います。

また、市兵衛の超絶的な武技が発揮される戦闘シーンも、東妻沼村からの暗夜の戦い、小悪党の番太・捨蔵一味との乱闘、江戸へ急ぎ向かう宗匠・里景の駕籠を追っての雪の武蔵野での死闘など、ふんだんに盛り込まれ、楽しめる。

ただし、せっかく著者が問題意識をもって凝ったテーマを背景に作品を立ち上げているにもかかわらず、紙数に制限のあるせいか、人物や個別事情の深堀りが足りず、表面的になってしまっている。
それだけに「すぐ読めて面白い」という手軽さはあるものの、「紙数を1.5倍にして物語に深みを加えるだけで、もっとずっと格調高い名作になるのに」と痛感しだ次第です。
待つ春や 風の市兵衛18 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:待つ春や 風の市兵衛18 (祥伝社文庫)より
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