天平の甍

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評判

天平の甍の評価:

4.44/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点4.44pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全141件 101〜120 6/8ページ
No.41
(5pt)

命がけの留学

本書は8世紀の奈良時代に第九次遣唐使として留学する4人の日本人僧侶を中心にして、後半は6度にもわたる挑戦で訪日をはたす鑑真の物語です。当時の日本人にとっては海外に行くことは命がけで、しかも船はそんなに頻繁に出ていない。無事に唐に渡れても帰ることができるのは何十年後の可能性もあって、帰りも無事に帰れる保証はない。そんな中当時の日本人の中でも外国文化を日本に持ち帰る重要な役割を果たしていたのが僧侶でした。

本書の中では唐に渡る4人の日本人留学僧と、唐で写経をひたすら続けている業行という5人の日本人僧侶が中心になりますが、それぞれの性格が違っていて、自分だったら誰のタイプになるかなと考えさせられました。もちろん訪日を果たした鑑真和上の偉大さはわかるのですが、個人的には無名の日本人留学僧が積み上げてきたもの、あるいは無念となったものが歴史となって日本を形作ってきたと思います。本書は用語が難解なところもかなりありますが、無意識のうちに自分を留学僧の誰かに重ね合わせながら、自分自身が8世紀の奈良および唐にいるような気分になりました。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.40
(4pt)

日本人にとって思想・情報を移入することとは?

すでに様々な方が言葉を尽くされ説明されている傑作です。少し異なる観点での感想になるのを御容赦ください。

私達はWebを日常行為としており、そこからはあらゆる情報が自在なソートによって閲覧可能となっています。従って多くの方々は、思想や情報移入のため己が人生を賭けた彼ら(普照、栄叡、さらには鑒真)のような経験はおそらく持ち様がありません。しかし本書を読むと彼らの持つ”熱”のようなものは、井上靖氏の落ち着いた平明な文章からでも確かにしっかりと感じ取れます。進んだ海外の文物を命がけで日本に持ち込んだ彼ら、彼らは今も我々の心の中に確かにいる気がしますし、また日本という国はそうすることで今まで生き永らえて来た、そんな気もします。変化に対応していくために日本あるいは日本人はどうあるべきか、その辺りも考える一助となりました。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.39
(4pt)

日本人にとって思想・情報を移入することとは?

すでに様々な方が言葉を尽くされ説明されている傑作です。少し異なる観点での感想になるのを御容赦ください。

私達はWebを日常行為としており、そこからはあらゆる情報が自在なソートによって閲覧可能となっています。従って多くの方々は、思想や情報移入のため己が人生を賭けた彼ら(普照、栄叡、さらには鑒真)のような経験はおそらく持ち様がありません。しかし本書を読むと彼らの持つ”熱”のようなものは、井上靖氏の落ち着いた平明な文章からでも確かにしっかりと感じ取れます。進んだ海外の文物を命がけで日本に持ち込んだ彼ら、彼らは今も我々の心の中に確かにいる気がしますし、また日本という国はそうすることで今まで生き永らえて来た、そんな気もします。変化に対応していくために日本あるいは日本人はどうあるべきか、その辺りも考える一助となりました。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.38
(5pt)

天平の甍

日本が遣唐使を派遣していた時代を舞台とした歴史小説。

全体的に淡々と冷静に描写されており、極力感情などを抑えた筆致は
人によっては物足りないと感じるかもしれないが、自分には合っていた。
内容は表面だけで捉えてしまうと味気ないものに見えてしまうかもしれないが
鑑真が失明してまで様々な苦難の中、渡日する姿は感動的であり
読み手の想像力を試されるものではあると思う。
唐(中国)へ命がけで渡る若い留学僧や、鑑真を中心とした唐の人物たちも
個性豊かな面々であり、それぞれがどういう結末を迎えるかも
見どころの1つである。
本書タイトルでもある天平の甍が出てくる最後の場面は
特に心動かされた。

井上靖の作品は他にもいくつか読んだが
何度も読み返すのは天平の甍のみであり、
これが一番の名作である。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.37
(5pt)

天平の甍

日本が遣唐使を派遣していた時代を舞台とした歴史小説。

全体的に淡々と冷静に描写されており、極力感情などを抑えた筆致は
人によっては物足りないと感じるかもしれないが、自分には合っていた。
内容は表面だけで捉えてしまうと味気ないものに見えてしまうかもしれないが
鑑真が失明してまで様々な苦難の中、渡日する姿は感動的であり
読み手の想像力を試されるものではあると思う。
唐(中国)へ命がけで渡る若い留学僧や、鑑真を中心とした唐の人物たちも
個性豊かな面々であり、それぞれがどういう結末を迎えるかも
見どころの1つである。
本書タイトルでもある天平の甍が出てくる最後の場面は
特に心動かされた。

井上靖の作品は他にもいくつか読んだが
何度も読み返すのは天平の甍のみであり、
これが一番の名作である。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.36
(4pt)

歴史の教材にどうか

鑑真と彼を日本に招いた遣唐使を題材にした歴史小説である。
日本からの留学僧が唐でどのように勉学に励みながら過ごしていたのか、また当時の唐の歴史背景、そして困難に立ち向かいながら日本へ向かおうとする鑑真の人間性など非常に勉強になる一冊であった。経典の名称や仏教用語などやや難解であるが、そこは苦しくない程度に飛ばしながら読んでいくといいだろう。

鑑真がなぜ法と危険を侵してまで日本へ行くことをこだわったのか。それは私利私欲で考えるのではなく、仏教の大切な教えと僧侶のあり方をきちんとしたかたちで広まってほしいという考えからきたといえる。本人には社会的使命という考えはなかったと思うが、仏教の教えを崇高に敬い、愛や信念を強く持っていたがゆえの決意だと思う。

また遣唐使として唐に渡った留学僧の勉学の励みには心打たれるものがある。せっかく身に着けた学問が、帰りの航海で難破し海の藻屑と化してしまう恐れが十分にあったのにもかかわらず。
経典を必死に写経して日本に持ち帰ろうとする姿は現代のインターネットで簡単に情報が取れてしまう現代人にとってその苦労の程度を理解するのは難しいだろう。しかし彼らのこうした苦労の積み重ねが、我々現代人の生活につながっているという歴史の連続性を大事に意識していくことが大切だと思う。。
個人的には歴史教育の教材にもなると思う。「ああ昔は大変だったんだね」という認識を持つことは大いに結構だが、そこから発展させて、歴史の連続性を創意工夫し子どもたちに伝えていくことが大事だと思う。「水を飲むときは井戸を掘った人のことを考えろ」 単なる歴史と捉えるでは勿体ない。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.35
(4pt)

歴史の教材にどうか

鑑真と彼を日本に招いた遣唐使を題材にした歴史小説である。
日本からの留学僧が唐でどのように勉学に励みながら過ごしていたのか、また当時の唐の歴史背景、そして困難に立ち向かいながら日本へ向かおうとする鑑真の人間性など非常に勉強になる一冊であった。経典の名称や仏教用語などやや難解であるが、そこは苦しくない程度に飛ばしながら読んでいくといいだろう。

鑑真がなぜ法と危険を侵してまで日本へ行くことをこだわったのか。それは私利私欲で考えるのではなく、仏教の大切な教えと僧侶のあり方をきちんとしたかたちで広まってほしいという考えからきたといえる。本人には社会的使命という考えはなかったと思うが、仏教の教えを崇高に敬い、愛や信念を強く持っていたがゆえの決意だと思う。

また遣唐使として唐に渡った留学僧の勉学の励みには心打たれるものがある。せっかく身に着けた学問が、帰りの航海で難破し海の藻屑と化してしまう恐れが十分にあったのにもかかわらず。
経典を必死に写経して日本に持ち帰ろうとする姿は現代のインターネットで簡単に情報が取れてしまう現代人にとってその苦労の程度を理解するのは難しいだろう。しかし彼らのこうした苦労の積み重ねが、我々現代人の生活につながっているという歴史の連続性を大事に意識していくことが大切だと思う。。
個人的には歴史教育の教材にもなると思う。「ああ昔は大変だったんだね」という認識を持つことは大いに結構だが、そこから発展させて、歴史の連続性を創意工夫し子どもたちに伝えていくことが大事だと思う。「水を飲むときは井戸を掘った人のことを考えろ」 単なる歴史と捉えるでは勿体ない。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.34
(5pt)

最初はとっつきにくかったですが、解説が秀逸

思いっきり感情移入できるキャラクターがいるわけでもないし、結構盛り上がるはずの「船出」などのシーンも、うっかりすると読み過ごしてしまうような淡々とした筆致で描かれていますので、最初はとっつきにくかったです。しかし、解説を読んで理解が増しました。私は奈良時代だけでなく、古代の人々や情報の行き交い、というものに魅かれるので、写経の話、教典持ち帰りの話、すべて興味深く読みました。

新潮社の文庫版で約200ページで400円、手頃ですしおすすめです。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.33
(5pt)

最初はとっつきにくかったですが、解説が秀逸

思いっきり感情移入できるキャラクターがいるわけでもないし、結構盛り上がるはずの「船出」などのシーンも、うっかりすると読み過ごしてしまうような淡々とした筆致で描かれていますので、最初はとっつきにくかったです。しかし、解説を読んで理解が増しました。私は奈良時代だけでなく、古代の人々や情報の行き交い、というものに魅かれるので、写経の話、教典持ち帰りの話、すべて興味深く読みました。

新潮社の文庫版で約200ページで400円、手頃ですしおすすめです。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.32
(5pt)

名作。

井上先生の作品の中では「額田女王」とならんで好きな作品。天平時代の息吹をよく伝えてくれる。あの時代の遣唐使がどれだけ命がけの航海をしていたか。今のように目的地に着くのではなく、運良くどこかに流れ着くのを期待する、といっていいような航海。その第九次遣唐使の派遣のいきさつから物語は始まる。遣唐使を留学僧を通して仏教という側面から描き出した名作。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.31
(5pt)

名作。

井上先生の作品の中では「額田女王」とならんで好きな作品。天平時代の息吹をよく伝えてくれる。あの時代の遣唐使がどれだけ命がけの航海をしていたか。今のように目的地に着くのではなく、運良くどこかに流れ着くのを期待する、といっていいような航海。その第九次遣唐使の派遣のいきさつから物語は始まる。遣唐使を留学僧を通して仏教という側面から描き出した名作。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.30
(4pt)

登場人物の必死さに、背筋を正される思いがした

この本は、命がけで唐に留学した学生と、やっぱり命がけで日本に来てくださった唐のお坊様の物語です。小説なので脚色はあるとしても、この人たちが危険を冒して海を渡ったのは、歴史上本当にあった出来事です。

海を渡って何かを学ぶ/伝えるということが、当時の人にとってどれほどの覚悟がいることか、私は全く知りませんでした。
この本で、留学生の普照と栄叡が唐に渡ったとき「4隻の船で日本を出発し、無事に唐に到着したのが2隻」だったそうなので、日本から唐へ無事到着した割合は50%と言えます。復路にも同等の危険があるのなら、日本から唐へ留学して無事に帰国できる確率って往路50%×復路50%=往復25%ですよね。
この数字なら、留学に躊躇しますし、行ったら行ったで唐で何を学ぶのか、無事日本へ帰国できるのか、それは真剣に悩むことでしょう。
唐で認められていた高名なお坊様が、片道50%の危険を判って日本に行くと即決してくれて、しかも何度も失敗しても心変わりしないなんて、凄い方ですよね。

私はこの本の登場人物に遠く及ばない凡人ですが、皆が必死に悩み考え、諦めない様子を見て、背筋を正される思いがしました。
物語としても面白いし、本当にあった出来事だと知るとなお感動します。オススメです。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.29
(4pt)

登場人物の必死さに、背筋を正される思いがした

この本は、命がけで唐に留学した学生と、やっぱり命がけで日本に来てくださった唐のお坊様の物語です。小説なので脚色はあるとしても、この人たちが危険を冒して海を渡ったのは、歴史上本当にあった出来事です。

海を渡って何かを学ぶ/伝えるということが、当時の人にとってどれほどの覚悟がいることか、私は全く知りませんでした。
この本で、留学生の普照と栄叡が唐に渡ったとき「4隻の船で日本を出発し、無事に唐に到着したのが2隻」だったそうなので、日本から唐へ無事到着した割合は50%と言えます。復路にも同等の危険があるのなら、日本から唐へ留学して無事に帰国できる確率って往路50%×復路50%=往復25%ですよね。
この数字なら、留学に躊躇しますし、行ったら行ったで唐で何を学ぶのか、無事日本へ帰国できるのか、それは真剣に悩むことでしょう。
唐で認められていた高名なお坊様が、片道50%の危険を判って日本に行くと即決してくれて、しかも何度も失敗しても心変わりしないなんて、凄い方ですよね。

私はこの本の登場人物に遠く及ばない凡人ですが、皆が必死に悩み考え、諦めない様子を見て、背筋を正される思いがしました。
物語としても面白いし、本当にあった出来事だと知るとなお感動します。オススメです。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.28
(5pt)

役割とは

何度も読み返したくなる作品である。自分に課せられた役目のために、これ程の難関を超えて目的を果たそうとする遣唐使たち。作中のどの遣唐使たちも魅力があり心を奪われてしまう。特に業行の一字も間違いなく写し尽くした経典への執念。それらの大切さ、貴重さを理解し尊重する普照。多くの方に読んで頂きたい。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.27
(5pt)

役割とは

何度も読み返したくなる作品である。自分に課せられた役目のために、これ程の難関を超えて目的を果たそうとする遣唐使たち。作中のどの遣唐使たちも魅力があり心を奪われてしまう。特に業行の一字も間違いなく写し尽くした経典への執念。それらの大切さ、貴重さを理解し尊重する普照。多くの方に読んで頂きたい。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.26
(4pt)

壮大な規模の歴史ロマン

8世紀の鑑真来訪という史実を基にした壮大な規模の歴史ロマンだ。鑑真来訪という史実は誰もが知っているが、その背景のドラマを作家としての想像力を駆使して書き上げられたのが本書である。読む前は地味な小説かと思ったが、そもそも物語の舞台が8世紀という大昔であり、しかも物語のスケールも日中両国間に及び、極めて壮大である。200ページの短い小説ではあるが、読後は壮大な物語を読み終えたように感じられる。文句無しの傑作だ。

物語自体は実際派手ではなく、むしろ地味である。とは言え、物語のテンポがいいのでさくさく読み進むことができる。また、物語の大筋は基本的には史実に基づいており、鑑真の訪日が何度も失敗に終わっていたといったことを本書で初めて知り、驚いた。強いて難点を挙げるとすれば、主要登場人物の性格付けか。阿倍仲麻呂はとことん無機的な人間として描かれているが、これはどうなのか。何か根拠があるのか。あるいは、彼の性格付け次第ではさらに本書の質が上がったのではないか。また、鑑真の性格付けもやや単純に過ぎた気もする。さらに言えば、鑑真訪日後の記述があまりにも少なすぎるのは寂しいものである。とまれ、手軽に読める歴史小説であり、おすすめしたい。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.25
(4pt)

壮大な規模の歴史ロマン

8世紀の鑑真来訪という史実を基にした壮大な規模の歴史ロマンだ。鑑真来訪という史実は誰もが知っているが、その背景のドラマを作家としての想像力を駆使して書き上げられたのが本書である。読む前は地味な小説かと思ったが、そもそも物語の舞台が8世紀という大昔であり、しかも物語のスケールも日中両国間に及び、極めて壮大である。200ページの短い小説ではあるが、読後は壮大な物語を読み終えたように感じられる。文句無しの傑作だ。

物語自体は実際派手ではなく、むしろ地味である。とは言え、物語のテンポがいいのでさくさく読み進むことができる。また、物語の大筋は基本的には史実に基づいており、鑑真の訪日が何度も失敗に終わっていたといったことを本書で初めて知り、驚いた。強いて難点を挙げるとすれば、主要登場人物の性格付けか。阿倍仲麻呂はとことん無機的な人間として描かれているが、これはどうなのか。何か根拠があるのか。あるいは、彼の性格付け次第ではさらに本書の質が上がったのではないか。また、鑑真の性格付けもやや単純に過ぎた気もする。さらに言えば、鑑真訪日後の記述があまりにも少なすぎるのは寂しいものである。とまれ、手軽に読める歴史小説であり、おすすめしたい。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.24
(5pt)

その姿は余りに尊く神々しい。

唐招提寺と僧鑑真(文中は鑒真と表記されています)。日本史の中でその名を記憶されていることでしょう。
鑑真は、日本に来る決意をしてから実に20年もの間、行く手を阻まれます。
今なら数時間で行ける場所ですが、奈良時代、日本と中国は其れほどまでに遠い場所でした。
日本から、決死の覚悟で次々と遣唐使として才能を認められた若者が送られてきます。
そして彼らが、日本に中国文明と仏教を伝えてゆきます。
この物語は、そういった時代に、戒師(出家を望むものに戒を授ける僧で当然、それなりの名僧)を日本に連れてくることを目的として中国にわたった遣唐使達を描いています。
鑑真は、中国全土で尊敬される名僧です。
何度も日本への航海が失敗し、遂には失明してしまい、従者のほうが諦めていたにも関わらず、遂に鑑真は日本にやってきます。
その時、一緒に戻ってきた遣唐使は、たった一人でした。
著者は、鑑真の心のうちを客観的な行動や振る舞いでもって描写しています。
その姿は余りに尊く神々しく感じられます。
今は経済活動に結ばれている日中関係ですが、両国の血が通った絆を両国とも思い起こして欲しいと願うばかりです。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.23
(5pt)

その姿は余りに尊く神々しい。

唐招提寺と僧鑑真(文中は鑒真と表記されています)。日本史の中でその名を記憶されていることでしょう。
鑑真は、日本に来る決意をしてから実に20年もの間、行く手を阻まれます。
今なら数時間で行ける場所ですが、奈良時代、日本と中国は其れほどまでに遠い場所でした。
日本から、決死の覚悟で次々と遣唐使として才能を認められた若者が送られてきます。
そして彼らが、日本に中国文明と仏教を伝えてゆきます。
この物語は、そういった時代に、戒師(出家を望むものに戒を授ける僧で当然、それなりの名僧)を日本に連れてくることを目的として中国にわたった遣唐使達を描いています。
鑑真は、中国全土で尊敬される名僧です。
何度も日本への航海が失敗し、遂には失明してしまい、従者のほうが諦めていたにも関わらず、遂に鑑真は日本にやってきます。
その時、一緒に戻ってきた遣唐使は、たった一人でした。
著者は、鑑真の心のうちを客観的な行動や振る舞いでもって描写しています。
その姿は余りに尊く神々しく感じられます。
今は経済活動に結ばれている日中関係ですが、両国の血が通った絆を両国とも思い起こして欲しいと願うばかりです。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.22
(5pt)

最近、命、かけてますか。

私たちは「命を大切にしろ」って、教わる。
でも、「命を大切に使え」とは言われない。

昔と違って、交通手段が発達してるし、
知りたいことはネットですぐ調べられるようになった。
「天平の甍」に描かれた時代では違う。
何をするにも命がけでデンジャラス。
途方もない年月努力しても、一瞬で失われる不条理が横行してる。
もしかしたら「その時代の人はお気の毒」って思う人もいるかもしれない。

でも、命を懸けなきゃ何かを得られない分、
極めて精密に自分が求めていることに焦点を合わせられる。
(ある意味、道を究めるにはいい時代だったのかも?)
現代人とは、貪欲の度合いもちがう。

命を粗末にしようとは思わない。
でも、自分の信じていることにどれくらい真剣になれるか。
本当に覚悟はあるか。
…高校時代、この本を読んで心に叩きつけられたのはその問いだった気がする。

自分のやりたいことが揺らぎやすい現代、
自分を叱咤する意味も込めて、ずっと読み返したい本の一冊です。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U