流浪の月
評判
流浪の月の評価:
4.08/5点 レビュー 623件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全928件 901〜920 46/47ページ
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流浪の月の評価:
4.08/5点 レビュー 623件。 A ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
芥川のような鋭利な文体でも、三島のような美しい文体でも、最近の作家では辻村深月さんのような
優しいけどムダのない文体(特に、かがみの孤城)でもなく、「のっそり」としたタッチで話が
進んでいきます。
ストーリーは、女性主人公を中心に展開していきますが、おそらく真に主役は、小児性愛者(と
される)青年の「文」なのだと、読み終えたあと思いました。
個人的には、ラスト50ページくらいで「文」視点で書かれるところから思い切り
引き込まれました。言い換えると、それまではやや退屈です。でも、その前振りが
なければ「文」の物語りは成立しません。
「文」は、主人公の更紗と出会うことで、親の価値観という「ルールブック」に縛られた
生き方をすてて、自由に生きることを選択します。それによって自分であることには
近づくものの、自由に生きることの難しさにも直面し、「生きるのはつらいだけ」という
思いで生きることになってしまいます。
自由は、孤独であり、誰ともつながれことに気づき、恐れ、傷つきながら生きていきます。
10数年後に更紗と、半ば意図的に再会することで、「文」は愛とは違うなにか、たぶん
居場所とも言えるものをようやく見つける(だろう)ところで小説は終わります。
「文」は、親の価値観という「ルールブック」からの解放を試みますが、ある事件のあとは
SNSという社会の名を借りた新たな「ルールブック」に縛られてしまいます。
自由に生きることの難しさをわかったうえで、どうすれば真に自分らしく自由に
生きられるのだろうかの模索が本書のテーマだとするならば、
昔より様々なことがオープンになり、自由に生きることが容易になってきているように
見える現代において、匿名性という隠れ蓑と、記録が消えないという特性をもつSNSが、
怖いほど自由を奪っていることに警鐘を鳴らしている、現代社会の暗部への問題提起も
サブテーマとしてうまく描かれています。
文体の好き嫌いはあるかもしれませんが、力作です。