ノースライト
評判
ノースライトの評価:
3.76/5点 レビュー 184件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全241件 201〜220 11/13ページ
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ノースライトの評価:
3.76/5点 レビュー 184件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
主人公の青瀬はバツイチで、十三歳の娘とときどき会うのを楽しみにしている。そんな彼が信濃追分に建てた家が建築専門雑誌に載った。「あなた自身が住みたい家を建ててください」依頼人のその一言が青瀬の創作欲に火をつけ、青瀬自身にとっても渾身の一作となった。
ところが肝心の依頼人家族が、せっかく建てたその家に引っ越しておらず、雲隠れしていることが分かった。どこへ消えたのか? 何があったのか? 新築の家にポツンと残っていた椅子を手がかりに、青瀬は真相を突き止めるべく動き始める。そして……。
「横山秀夫といえば警察小説」と思っているファンにとっては、少々肩透かしに感じられるかも知れない。本作の主人公は何と建築士である。もっとも横山自身が自分を「警察小説作家と思っていません」とインタビューで語っている。しかしそれを差し引いても、本作は、従来とは作風が少し変わっているような気がする。組織と個人のせめぎ合いがない。犯罪らしい犯罪も起こらない。主人公に軋轢がかかって東奔西走するというよりも、ある謎の解決に向かって主人公が自ら道を切り開いてゆく。建築に関する専門用語が頻出するが、その迫力に背中を押され、読むのがつらくなるようなことは全くない。
エンターテインメントの観点でいえば『64(ロクヨン)』には及ばないかも知れない。しかしこの作品には『64(ロクヨン)』にはない何かがある。というより、これまでの横山作品にはなかった何かがあるような気がする。ミステリーに殺人は必ずしも必要ではないと常々思っているが、それを証明するような横山ミステリーの新境地と言えるのではないか。読み始めたら止まらないストーリーテリングの妙と、絶妙な比喩を交えながらの緻密な心理描写は相変わらずで、一文一文が丁寧に書かれており、密度が濃く、読み流すことのできない重さを持っている。「円熟」という形容がふさわしい、だれにでも安心してお薦めできる一冊である。