慈雨

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

慈雨の評価:

3.54/5点 レビュー 152件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.54pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全155件 121〜140 7/8ページ
No.35
(5pt)

刑事を辞めても、刑事だ。そして刑事の妻は。

警察を定年退職した 神場。
自分の中にある後悔。その贖罪のために、巡礼に出る。
神場の妻は、一緒に巡礼をしたいという。
体力的に可能なのか?心配するが、妻は健気にも付き合う。
なぜ、夫が巡礼したいのか?を聞くこともせず、
その二人の道中の会話が、わずかであるが二人の性格を
浮き彫りにしていく。実に、明るく楽天的な妻に、
助けられて来た神場。そして、この巡礼の中でも、
妻の好奇心旺盛な行動が、神場を支える。

神場は、悪夢にうなされていた。
16年前の少女殺人事件の被害者純子ちゃんの
「オウチニカエリタイ」という夢を見る。
その事件は、冤罪であったかもしれない。
神場は、再捜査を訴えたが、上層部から却下された。
その時逃げたという後悔がある。

巡礼が始まった時に、同じような手口の事件が起こった。
年下の上司鷲尾も同じような後悔があった。
部下の緒方は、神場の娘と付き合っていた。
神場は、それを賛成していなかった。
目撃も少なく、捜査は、困難を極めた。

そして、16年後ということから、犯人のプロフィール、
白いトラックをどう痕跡をなくしたのか?
ということを、定年退職した神場が、仮説を立てる。
それは、16年前の少女殺人事件に関連していた。
刑事を辞めても、刑事であることをやめない。
それは、警察組織を守るよりも、同じような犯罪が
起こらないことが想いとなる。
鷲尾、緒方にも神場の想いが伝わる。

ふーむ。実に重いテーマで、自分の立場を
根底から覆されようとも、何のためにかを追求する。
神場の妻 香代子が、実に素晴らしい。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.34
(5pt)

刑事を辞めても、刑事だ。そして刑事の妻は。

警察を定年退職した 神場。
自分の中にある後悔。その贖罪のために、巡礼に出る。
神場の妻は、一緒に巡礼をしたいという。
体力的に可能なのか?心配するが、妻は健気にも付き合う。
なぜ、夫が巡礼したいのか?を聞くこともせず、
その二人の道中の会話が、わずかであるが二人の性格を
浮き彫りにしていく。実に、明るく楽天的な妻に、
助けられて来た神場。そして、この巡礼の中でも、
妻の好奇心旺盛な行動が、神場を支える。

神場は、悪夢にうなされていた。
16年前の少女殺人事件の被害者純子ちゃんの
「オウチニカエリタイ」という夢を見る。
その事件は、冤罪であったかもしれない。
神場は、再捜査を訴えたが、上層部から却下された。
その時逃げたという後悔がある。

巡礼が始まった時に、同じような手口の事件が起こった。
年下の上司鷲尾も同じような後悔があった。
部下の緒方は、神場の娘と付き合っていた。
神場は、それを賛成していなかった。
目撃も少なく、捜査は、困難を極めた。

そして、16年後ということから、犯人のプロフィール、
白いトラックをどう痕跡をなくしたのか?
ということを、定年退職した神場が、仮説を立てる。
それは、16年前の少女殺人事件に関連していた。
刑事を辞めても、刑事であることをやめない。
それは、警察組織を守るよりも、同じような犯罪が
起こらないことが想いとなる。
鷲尾、緒方にも神場の想いが伝わる。

ふーむ。実に重いテーマで、自分の立場を
根底から覆されようとも、何のためにかを追求する。
神場の妻 香代子が、実に素晴らしい。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.33
(5pt)

泣けました

物語がよく練られていて面白かったです。八十八ヶ所巡りをする定年した刑事と妻。遍路地での出会い、遺恨を残した事件、養女の将来など過去に戻りながら現在と絡まって泣けてくる場面も多々ありました。ボリュームはありますが一気に読めました。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.32
(5pt)

泣けました

物語がよく練られていて面白かったです。八十八ヶ所巡りをする定年した刑事と妻。遍路地での出会い、遺恨を残した事件、養女の将来など過去に戻りながら現在と絡まって泣けてくる場面も多々ありました。ボリュームはありますが一気に読めました。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.31
(5pt)

慈雨を読んで

読み応えがありました。途中、娘さんの生い立ちなどで、涙することもありました。最後もう少しはっきりとした
終わり方が個人的には好きです。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.30
(5pt)

慈雨を読んで

読み応えがありました。途中、娘さんの生い立ちなどで、涙することもありました。最後もう少しはっきりとした
終わり方が個人的には好きです。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.29
(4pt)

刑事のお前が私情を向けるべき場所は、警察組織や課長、ましてや俺じゃない。第三の純子ちゃんを決して生み出してはいけないという、一点だけだ。

『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者である柚月裕子の警察ミステリー小説『慈雨』!

 警察を定年退職した元刑事の神場智則(60歳)は妻・香代子と四国巡礼の旅に出た。その旅先で行方不明であった幼女殺害事件のニュースを見た神場はかつて自分が携わったある事件と手口が酷似していた事から疑念を抱く。

 先述した上記の作品を読んで柚月小説に興味を持ったが、今回本書を手にした理由は柚月小説のおススメ作で本作が紹介されていた事がきっかけだ。
 神場の42年の警察人生の中で忘れられない16年前の「金内純子ちゃん殺害事件」。今回と同じ幼女誘拐事件で犯行現場も神場の地元である群馬県と共通している。すでに前の事件は犯人が逮捕され、服役しているのだが神場にはその犯人が本当に真犯人(ホンボシ)なのか次第に胸騒ぎが大きくなる。

 本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。
 当時、現職だった神場がアリバイ証言を元に再捜査を申告するもすでに犯人が確定した事件を覆すことに警察の信用問題に関わる事を懸念した上層部が却下した事に現実にもありそうな展開で戦慄を覚える。
 実際にもこうした事例は公にはなっていないだけでおそらくこれまでにもあったであろうし、警察の威信を守るために真犯人ではない一人の人生を犠牲にする事は絶対にあってはならないのだ。

 神場が自分の警察官としてのモラルにのっとり、決して真相をうやむやにしようとせず、正しい方向に向けて行動する姿勢に救われる思いがする。
 本作では神場が直接捜査にタッチせず、お遍路の道中で捜査の手がかりになるヒントを得ながら物語を進行する物語だ。このあたりの設定は柚月先生の上手いところだ。

 今回、最も心に残ったのが、神場を慕う後輩の現職刑事である緒方が過去の事件が解明される事で神場にも影響が及ぶ事を懸念した緒方に神場が放った言葉だ。

 昨今、冤罪や警察の不祥事が問われる中、神場の持つ警察官としての矜持をぜひとも現職の警察官や法曹関係者にも感じてもらいたいものだ。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.28
(4pt)

刑事のお前が私情を向けるべき場所は、警察組織や課長、ましてや俺じゃない。第三の純子ちゃんを決して生み出してはいけないという、一点だけだ。

『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者である柚月裕子の警察ミステリー小説『慈雨』!

 警察を定年退職した元刑事の神場智則(60歳)は妻・香代子と四国巡礼の旅に出た。その旅先で行方不明であった幼女殺害事件のニュースを見た神場はかつて自分が携わったある事件と手口が酷似していた事から疑念を抱く。

 先述した上記の作品を読んで柚月小説に興味を持ったが、今回本書を手にした理由は柚月小説のおススメ作で本作が紹介されていた事がきっかけだ。
 神場の42年の警察人生の中で忘れられない16年前の「金内純子ちゃん殺害事件」。今回と同じ幼女誘拐事件で犯行現場も神場の地元である群馬県と共通している。すでに前の事件は犯人が逮捕され、服役しているのだが神場にはその犯人が本当に真犯人(ホンボシ)なのか次第に胸騒ぎが大きくなる。

 本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。
 当時、現職だった神場がアリバイ証言を元に再捜査を申告するもすでに犯人が確定した事件を覆すことに警察の信用問題に関わる事を懸念した上層部が却下した事に現実にもありそうな展開で戦慄を覚える。
 実際にもこうした事例は公にはなっていないだけでおそらくこれまでにもあったであろうし、警察の威信を守るために真犯人ではない一人の人生を犠牲にする事は絶対にあってはならないのだ。

 神場が自分の警察官としてのモラルにのっとり、決して真相をうやむやにしようとせず、正しい方向に向けて行動する姿勢に救われる思いがする。
 本作では神場が直接捜査にタッチせず、お遍路の道中で捜査の手がかりになるヒントを得ながら物語を進行する物語だ。このあたりの設定は柚月先生の上手いところだ。

 今回、最も心に残ったのが、神場を慕う後輩の現職刑事である緒方が過去の事件が解明される事で神場にも影響が及ぶ事を懸念した緒方に神場が放った言葉だ。

 昨今、冤罪や警察の不祥事が問われる中、神場の持つ警察官としての矜持をぜひとも現職の警察官や法曹関係者にも感じてもらいたいものだ。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.27
(4pt)

本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。

本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。

 当時、現職だった神場がアリバイ証言を元に再捜査を申告するもすでに犯人が確定した事件を覆すことに警察の信用問題に関わる事を懸念した上層部が却下した事に現実にもありそうな展開で戦慄を覚える。

 実際にもこうした事例は公にはなっていないだけでおそらくこれまでにもあったであろうし、警察の威信を守るために真犯人ではない一人の人生を犠牲にする事は絶対にあってはならないのだ。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.26
(4pt)

本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。

本作で重くのしかかるのが「冤罪」の恐怖だ。

 当時、現職だった神場がアリバイ証言を元に再捜査を申告するもすでに犯人が確定した事件を覆すことに警察の信用問題に関わる事を懸念した上層部が却下した事に現実にもありそうな展開で戦慄を覚える。

 実際にもこうした事例は公にはなっていないだけでおそらくこれまでにもあったであろうし、警察の威信を守るために真犯人ではない一人の人生を犠牲にする事は絶対にあってはならないのだ。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.25
(4pt)

刑事は退職したら刑事でなくなるわけではない、死ぬまで刑事なんだ

「虎狼の血」ですっかり度肝を抜かれた柚月裕子の刑事もの。
 本書で取り上げられた少女誘拐事件は、実際の冤罪事件として有名な「足利事件」がモデルと思われ、清水潔の「殺人犯はそこにいる」をすでに読んでいる人にとっては、既視感があります。
 上記事件を知らないで読んだ人にとっては、その部分もミステリーとして楽しめるとは思いますが、それを分かったうえでも読者を惹きつける、ミステリーを超えた部分の面白さが本書にはあります。
 主人公神場は、警察官を退職し、妻と二人で四国八十八か所遍路の旅をしている神場の視点、一方、少女誘拐殺人事件が勃発し、それにあたる現役刑事緒方の視点。
 緒方は神場の娘と付き合っているが、神場は娘に妻と同じ苦労をさせたくないがため、二人の交際を認めることができない。 
 刑事ドラマに父と娘の関係、元上司と部下の関係、交番時代の苦労や刑事時代の忘れられない自身の汚点。
 これらが合いまったその見事な構成は、やはり巧いなあと思わせます。
 後半は涙なしでは読めません。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.24
(4pt)

刑事は退職したら刑事でなくなるわけではない、死ぬまで刑事なんだ

「虎狼の血」ですっかり度肝を抜かれた柚月裕子の刑事もの。
 本書で取り上げられた少女誘拐事件は、実際の冤罪事件として有名な「足利事件」がモデルと思われ、清水潔の「殺人犯はそこにいる」をすでに読んでいる人にとっては、既視感があります。
 上記事件を知らないで読んだ人にとっては、その部分もミステリーとして楽しめるとは思いますが、それを分かったうえでも読者を惹きつける、ミステリーを超えた部分の面白さが本書にはあります。
 主人公神場は、警察官を退職し、妻と二人で四国八十八か所遍路の旅をしている神場の視点、一方、少女誘拐殺人事件が勃発し、それにあたる現役刑事緒方の視点。
 緒方は神場の娘と付き合っているが、神場は娘に妻と同じ苦労をさせたくないがため、二人の交際を認めることができない。 
 刑事ドラマに父と娘の関係、元上司と部下の関係、交番時代の苦労や刑事時代の忘れられない自身の汚点。
 これらが合いまったその見事な構成は、やはり巧いなあと思わせます。
 後半は涙なしでは読めません。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.23
(5pt)

推理小説の超傑作誕生

この作家の作品は、全て、読んでいるが、どの作品も、いくつく間を与えない、面白さで、上手いとしか言いようがない、当分この人から目が離せない。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.22
(5pt)

推理小説の超傑作誕生

この作家の作品は、全て、読んでいるが、どの作品も、いくつく間を与えない、面白さで、上手いとしか言いようがない、当分この人から目が離せない。
慈雨 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 慈雨 (集英社文庫)より
408745858X
No.21
(5pt)

感動の玉手箱

最後感動して涙溢れるという本もたくさんあります。
この本は読んてる間中常に感動モードなのでした。
胸を響かせるセリフが永遠と続く・・・

柚月さん、結晶のような作品をありがとうございました。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.20
(5pt)

最初に著者の虎狼の血を読んでから、彼女の作品のファンになりました。男性作家の作品かと思う作品ですが、この慈雨もこれが女流作家の作品とは思えない骨太の作品となっています。人間の生きた価値とは、何かを考えさせられた作品でもあります。柚月祐子さんの作品はこれから

主人公がお遍路の途中で出会う二人の生きざまに、感銘を受けました。尚、主人公が真犯人逮捕後に冤罪者への償う考え方には、共感は得れません。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.19
(4pt)

退職刑事の心境の変化をハードボイルドに描く作品

退職刑事の悔恨と再生を四国八十八ヶ所のお遍路の旅とともに描く作品。面白かったのだか、場面が単調になりがちな部分もありました。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.18
(4pt)

リアルな事件とシンクロしていたたまれなかった

刑事を定年退職し、夫婦で四国八十八か所のお遍路の旅をする主人公。
一方、世間では幼い小学生の女子の殺人事件が起き、捜査が暗礁に乗り上げる。
女児殺害という過去にあった事件に苦い体験を持つ主人公が、お遍路旅をしながらも、この事件の解決に絡む。

おりしも、読書中に似たような事件が現実に起きていた。なにか妙にシンクロしてリアルに読んでしまった。
ペドファイルによる性犯罪は、近年増えているような気がする。性犯罪は繰り返される。
娘を持つ親の身としては、扱う題材が生々しく救いがなかった。
物語的には、ひとりの刑事の人生が胸にせまった。夫婦の絆の物語でもある。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.17
(4pt)

警官小説にして人間ドラマの秀作

警官小説である。主人公は群馬県警を定年退職した元刑事・神場智則。彼は在職中に関わった事件の被害者の供養のために夫婦で四国八十八か所のお遍路に旅立った。すると、かつて手掛けた16年前の幼女殺人事件の捜査の不備が忘れられず、犯人はえん罪ではとの疑念を打ち消すことができない。その時、テレビのニュースにて群馬で幼女殺人事件の勃発を知った。16年前の事件との関連が気になった神場はかつての部下に電話を入れた。

神場は霊場を回りながら、自分の半生を振り返る。僻地の駐在所で始まった新婚生活、尊敬する先輩を見舞った不幸、妻にかけた数々の労苦、それだけに娘には刑事の妻になって欲しくないとの強い思い。しかし、巡る地元の人の親切に触れ、罪を背負った遍路の苦悩を聞いて、徐々に頑なだった気持ちが柔らかくなっていくのを彼は感じた。元部下から事件の捜査状況の報告を受けるが、進捗ははかばかしくない。それが、たまたま見た光景からあるヒントを得て、事件は一挙に解決へ向かう。

冒頭に警官小説と書いたが、読み終わって家族のあり方を問う重厚な人間ドラマだったと気づいた。八十八か所の巡礼に並行して神場の家族の歴史が語られる。多忙な夫を妻は献身的に支え続けた。しかし、互いに思い合いながらも、神場のコミュニケーションが不適切なために感情が行違う。それが事件の解明とともに夫、妻、娘の心が一つになるところは感動的であった。妻はもちろんのこと、警察内の上官、部下の人物像がいきいきと描かれている。夫婦による四国巡礼を基本に据えながら、並行して事件捜査が進んでいく。時間を前後させながら多くのエピソードを散りばめるなど、構成の巧みさには舌を巻いた。事件の結末は語らず、あとは読者の想像に委ねる終わり方は秀逸である。そして、降りかかる慈雨の中を遍路姿の夫婦が歩むラスト情景には胸が震えた。最近、作者・柚月裕子さんの評価が急上昇なのも納得の秀作である。

しかし、作者の筆力に感嘆しながらも、重要な点において違和感があった。まず、いくら警官と言えども、主人公の価値観が古過ぎるのではないか。16年前に事件の再捜査ができなかったことに、神場が罪悪感を持つ必要はない。彼は最大限の努力をしたし、末端の刑事の責任は限られているはずだ。それを自分の罪と思い込み、全財産を差し出して償おうとするのは、考え違いであろう。また、神場の妻子への態度は戦前の日本人の男のように保守的に見える。神場の頑なな気質や罪の意識が本作品の重要なモチーフになっているだけに、この人物造形には無理があるのではないか。

ここで扱われる事件は、「北関東幼女誘拐殺人事件」と呼ばれる実際に起きた事件をベースにしている。最初の殺人事件の犯人は逮捕され有罪になったが、後にえん罪が証明された(足利事件)。TBS記者の清水潔氏がノンフィクション「殺人犯はそこにいる」(2013年新潮社)を著して連続殺人であることを示し、真犯人を特定した。作者が清水氏の著作からヒントを得ているのは明らかである。それは何ら差し支えのないことだが、作者は参考図書として「殺人犯はそこにいる」を挙げて清水潔氏へ謝意を示すべきだったと、私は思うのだ。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708
No.16
(5pt)

沁みる話でした

ただ犯人を推理して探すだけの内容ではなく
とてつもなく心に沁みる話でした。若い息子や甥を一度に亡くしたばかりで哀しみのどん底を生きている自分に何か光明を灯す素晴らしい内容で泣けてきました。力強く余生を生きていこうと思います。
慈雨 Amazon書評・レビュー: 慈雨より
4087716708