アンダスタンド・メイビー

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アンダスタンド・メイビーの評価:

3.96/5点 レビュー 25件。 B ランク

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平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 21〜37 2/2ページ
No.17
(3pt)

黒江の行動原理をどう捉えるか(下巻未読)

SFやノワールばっかり読んでいたので、たまには青春小説をと
上巻だけ試しに読んでみました。著者の作品を読むのは今作が
初めてなのですが、七面倒くさい思春期女子の繊細な自意識を
突き詰める作風から、何となく綿矢りさを思い出しました。
(そういやどちらも純文畑からか)

主人公の女の子の黒江が、色んな男と付き合っては堕ちていくというような
ダウナーで痛々しい青春小説ですが、彼女の行動原理が少し難しいです。
何故何度も理不尽な暴力を受けながら、また自ら転げ落ちていくような
真似をするのか?場面場面彼女の心理は地の文ではほとんど語られない為、
彼女の不可解な行動に首を傾げてしまう読者も少なくないのでは?
平易な文体につられてすらすらページを捲ってると危険です。

最初は些細な人間関係のもつれから、しかしそこから段々と主人公は
出会す人間に暴力の臭いを感じるようになるわけですが、
そこがポイントでしょうか。
幼少期の凄惨な体験、母子家庭であまり良好とは言えない
母親との関係から、彼女は無意識的に同じ痛みを抱えた他者を
見つけては依存をし、暴力の只中に身を置いてでも他者との関係を
築こうとするということなのでしょうか?

彼女の心の奥の奥、未だ浮上してこない大きな闇は、
次巻でどういう形で明らかになるのか。そして彼女の行く末は...
そこそこ楽しめたので、次巻も買ってみたいと思います。
アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)より
4122058953
No.16
(3pt)

黒江の行動原理をどう捉えるか(下巻未読)

SFやノワールばっかり読んでいたので、たまには青春小説をと
上巻だけ試しに読んでみました。著者の作品を読むのは今作が
初めてなのですが、七面倒くさい思春期女子の繊細な自意識を
突き詰める作風から、何となく綿矢りさを思い出しました。
(そういやどちらも純文畑からか)

主人公の女の子の黒江が、色んな男と付き合っては堕ちていくというような
ダウナーで痛々しい青春小説ですが、彼女の行動原理が少し難しいです。
何故何度も理不尽な暴力を受けながら、また自ら転げ落ちていくような
真似をするのか?場面場面彼女の心理は地の文ではほとんど語られない為、
彼女の不可解な行動に首を傾げてしまう読者も少なくないのでは?
平易な文体につられてすらすらページを捲ってると危険です。

最初は些細な人間関係のもつれから、しかしそこから段々と主人公は
出会す人間に暴力の臭いを感じるようになるわけですが、
そこがポイントでしょうか。
幼少期の凄惨な体験、母子家庭であまり良好とは言えない
母親との関係から、彼女は無意識的に同じ痛みを抱えた他者を
見つけては依存をし、暴力の只中に身を置いてでも他者との関係を
築こうとするということなのでしょうか?

彼女の心の奥の奥、未だ浮上してこない大きな闇は、
次巻でどういう形で明らかになるのか。そして彼女の行く末は...
そこそこ楽しめたので、次巻も買ってみたいと思います。
アンダスタンド・メイビー〈上〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈上〉より
4120041670
No.15
(3pt)

黒江(主人公)がいまいち

物語の最初、中学生時代に彌生くんと出会って惹かれていくあたりが、一番よかったです。

あとは・・・。
最後まで読み、面白かったのですが、振り返ってみると黒江のことが好きではありません。
言い方は悪いですが、
「胸の大きな尻軽な女の子の男性遍歴の話」。
自分でも封印していた過去と自分に愛情を持たない母親との暮らしによる寂しさにより、
寄ってくる男にすぐ体を差し出してしまう黒江。
付き合ってた男に裏切られ乱暴されたりするけれど、それも「馬鹿だなぁ」と
冷めた目でしか見れません。

黒江につかまってしまった彌生くんに至っては、かわいそうとしか言いようがありません。
めんどくさくて胸のでかい女に迫られた挙句、望み通り彌生君が肉体関係に積極的になったら
「そんなことしてほしくない」みたいな反応されるなんて。

また、黒江は過去のトラウマで人に心を開かない半面、「カメラを向けると人の心を開く才能がある」と言われるような、
都合のよさで、最後は何となくカメラマンとして明るい未来を歩み始める、
主人公黒江だけハッピーになる話でした。
アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)より
4122058953
No.14
(3pt)

黒江(主人公)がいまいち

物語の最初、中学生時代に彌生くんと出会って惹かれていくあたりが、一番よかったです。

あとは・・・。
最後まで読み、面白かったのですが、振り返ってみると黒江のことが好きではありません。
言い方は悪いですが、
「胸の大きな尻軽な女の子の男性遍歴の話」。
自分でも封印していた過去と自分に愛情を持たない母親との暮らしによる寂しさにより、
寄ってくる男にすぐ体を差し出してしまう黒江。
付き合ってた男に裏切られ乱暴されたりするけれど、それも「馬鹿だなぁ」と
冷めた目でしか見れません。

黒江につかまってしまった彌生くんに至っては、かわいそうとしか言いようがありません。
めんどくさくて胸のでかい女に迫られた挙句、望み通り彌生君が肉体関係に積極的になったら
「そんなことしてほしくない」みたいな反応されるなんて。

また、黒江は過去のトラウマで人に心を開かない半面、「カメラを向けると人の心を開く才能がある」と言われるような、
都合のよさで、最後は何となくカメラマンとして明るい未来を歩み始める、
主人公黒江だけハッピーになる話でした。
アンダスタンド・メイビー〈上〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈上〉より
4120041670
No.13
(5pt)

『アンダスタンド・メイビー』(上・下)を読んで

中学3年生、心の安定しない時期の女の子(女性とはまだ言い難い)黒江、その学校生活ののんきな描写で物語は始まる。
しかし、そののんきは、海面下に多くのものを孕んでいる事を、読者は次第に知る。
黒江本人は、海面下に潜むものを憶えていない。忘れたというよりも、自己防御反応が、その幼時時代の体験の記憶をカットオフしているのだろう。
その事を読者が知る以前に、彼女が、まるで痛みに自ら転げ落ちていくような行動を繰り返す事に、我々は不思議を感ぜざるを得ない。

「痛み」と言ったが、それはどんなものか。
例えば、人との付き合い方において、彼女の選択の先には、いろんな質の暴力が潜んでいる。
最初は他愛もない友人同士の諍いから、身体の成長と共に、いつか、愛や性の問題に発展する。剥き出しの性は、暴力そのものだ。
読者は、何故そんな危険で理不尽な選択を彼女が繰り返すのか、当初は理解できない。
その度に苦しみもがくにも関わらず、まるでそれを好んでいるかのように、再びその道に陥っていく。

他人の理解の前に、まず彼女は自分が見えない。
自分が本当に何を考え、何を欲しているかが判らない。
それは、幼時体験のカットオフが、彼女の脳内に越えられない柵を作っているからだろう。
彼女は全く自己表現が下手くそだが、それはそうだ、自分が見えていないのだから、表現以前の問題である。
口を突いて出る言葉は、真実を伝えないばかりか、結果的に人を傷つけ、混乱の中で終いには自傷行為に向かう。
暴力は、外だけでなく自分にも向かわざるを得ない。

苦しみながら、彼女は脳内の柵の向こうにあるものを見ようとする。
フラッシュバックのように蘇る出来事。
読者も曇りガラスの向こうに、彼女の幼時体験を追体験する事になる。
次第に噴き出す近親憎悪。
だが、憎み切れれば彼女も吹っ切れるのだが、憎みつつも依存する気持ちが残る。曖昧の中に座り込んでしまおうとするが、そこからは救いも許しも訪れない。

高校に入った彼女は、こうした幾つもの「痛み」の果て、頭陀袋になる直前で、郷里を捨てて東京に飛び出す。
彼女はある写真家のデビュー写真集を見て理由も判らず感動した事がある。夢中でその写真家に手紙を書いた。
気の良い(しかし、後から彼にも深い喪失があった事が判る)カメラマンは、黒江を受け入れ、アシスタントとして同居が始まる。
ここ迄が上巻である。

過去を知る者のいない東京での暮らしで、しばらくの静けさを得るが、それは皮相でしかない。
「痛み」の道は、退いたと思えばまた寄せて、延々と繰り返す。
自分は何者なのか、それ知る事でしか、黒江は乗り越える事はできないだろう。
中学3年の時に転校してきた彌生君は、運動会の長距離走で黒江が転けた時に、1人飛び出してきて、彼女を担いで保健室に連れて行ってくれた。
それ以降も、何度か彼は彼らしい包容力を示してくれた。
苦しい中で彼女は必死に思う「どうか私だけの神様になって」と。
しかし、人間は、そんな都合の良い絶対的なものにはなれないのが必定だ。

幼時期に虐待を受けた経験を持つものが、事実を認め、自分と対峙し、客観視できるようになる迄の、つまり回復への道程が、この小説の世界である。
算数のように明確な答えやハウトゥーがやってくる訳ではない、しかし、彼女は憎んでいた両親にもそれぞれ卑小な人間としての生き方がある事が朧気ながら判るようになる。
彌生君とは別れる事になるが、彼に「神様」を要求した事が誤りだったと何とはなしに理解できるようになる。
口先でなく自分を影で支えてくれる人の存在が、ボーっと見えてくる。
タイトル「アンダスタンド・メイビー」の所以だ。
彼女はクリエーターの為の留学制度によってニューヨークへ行く事になる。
郷里から東京へ飛び出てきた事と、ニューヨークへの留学は同じだろうか。
その答えはしかとは判らない。誰も保証してはくれない。
空港のボディチェックで、またフラッシュバックが起きようとするが、彼女は我に返って歩き出す。
書いてはいないが、彼女の後ろ姿と、その向こうに光が、読者には感じられる。
彼女に応援の声を掛けたいとつい思う。そして、彼女を包む光が滲んで見える。
アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)より
4122058953
No.12
(5pt)

『アンダスタンド・メイビー』(上・下)を読んで

中学3年生、心の安定しない時期の女の子(女性とはまだ言い難い)黒江、その学校生活ののんきな描写で物語は始まる。
しかし、そののんきは、海面下に多くのものを孕んでいる事を、読者は次第に知る。
黒江本人は、海面下に潜むものを憶えていない。忘れたというよりも、自己防御反応が、その幼時時代の体験の記憶をカットオフしているのだろう。
その事を読者が知る以前に、彼女が、まるで痛みに自ら転げ落ちていくような行動を繰り返す事に、我々は不思議を感ぜざるを得ない。

「痛み」と言ったが、それはどんなものか。
例えば、人との付き合い方において、彼女の選択の先には、いろんな質の暴力が潜んでいる。
最初は他愛もない友人同士の諍いから、身体の成長と共に、いつか、愛や性の問題に発展する。剥き出しの性は、暴力そのものだ。
読者は、何故そんな危険で理不尽な選択を彼女が繰り返すのか、当初は理解できない。
その度に苦しみもがくにも関わらず、まるでそれを好んでいるかのように、再びその道に陥っていく。

他人の理解の前に、まず彼女は自分が見えない。
自分が本当に何を考え、何を欲しているかが判らない。
それは、幼時体験のカットオフが、彼女の脳内に越えられない柵を作っているからだろう。
彼女は全く自己表現が下手くそだが、それはそうだ、自分が見えていないのだから、表現以前の問題である。
口を突いて出る言葉は、真実を伝えないばかりか、結果的に人を傷つけ、混乱の中で終いには自傷行為に向かう。
暴力は、外だけでなく自分にも向かわざるを得ない。

苦しみながら、彼女は脳内の柵の向こうにあるものを見ようとする。
フラッシュバックのように蘇る出来事。
読者も曇りガラスの向こうに、彼女の幼時体験を追体験する事になる。
次第に噴き出す近親憎悪。
だが、憎み切れれば彼女も吹っ切れるのだが、憎みつつも依存する気持ちが残る。曖昧の中に座り込んでしまおうとするが、そこからは救いも許しも訪れない。

高校に入った彼女は、こうした幾つもの「痛み」の果て、頭陀袋になる直前で、郷里を捨てて東京に飛び出す。
彼女はある写真家のデビュー写真集を見て理由も判らず感動した事がある。夢中でその写真家に手紙を書いた。
気の良い(しかし、後から彼にも深い喪失があった事が判る)カメラマンは、黒江を受け入れ、アシスタントとして同居が始まる。
ここ迄が上巻である。

過去を知る者のいない東京での暮らしで、しばらくの静けさを得るが、それは皮相でしかない。
「痛み」の道は、退いたと思えばまた寄せて、延々と繰り返す。
自分は何者なのか、それ知る事でしか、黒江は乗り越える事はできないだろう。
中学3年の時に転校してきた彌生君は、運動会の長距離走で黒江が転けた時に、1人飛び出してきて、彼女を担いで保健室に連れて行ってくれた。
それ以降も、何度か彼は彼らしい包容力を示してくれた。
苦しい中で彼女は必死に思う「どうか私だけの神様になって」と。
しかし、人間は、そんな都合の良い絶対的なものにはなれないのが必定だ。

幼時期に虐待を受けた経験を持つものが、事実を認め、自分と対峙し、客観視できるようになる迄の、つまり回復への道程が、この小説の世界である。
算数のように明確な答えやハウトゥーがやってくる訳ではない、しかし、彼女は憎んでいた両親にもそれぞれ卑小な人間としての生き方がある事が朧気ながら判るようになる。
彌生君とは別れる事になるが、彼に「神様」を要求した事が誤りだったと何とはなしに理解できるようになる。
口先でなく自分を影で支えてくれる人の存在が、ボーっと見えてくる。
タイトル「アンダスタンド・メイビー」の所以だ。
彼女はクリエーターの為の留学制度によってニューヨークへ行く事になる。
郷里から東京へ飛び出てきた事と、ニューヨークへの留学は同じだろうか。
その答えはしかとは判らない。誰も保証してはくれない。
空港のボディチェックで、またフラッシュバックが起きようとするが、彼女は我に返って歩き出す。
書いてはいないが、彼女の後ろ姿と、その向こうに光が、読者には感じられる。
彼女に応援の声を掛けたいとつい思う。そして、彼女を包む光が滲んで見える。
アンダスタンド・メイビー〈上〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈上〉より
4120041670
No.11
(2pt)

えー…どうしてー…

上下巻をあわせて読んだが、物語序盤の風景描写が繊細で分かりやすい反面、後半は伏線の収拾に気を取られて主人公の経験する事実の列挙が続くばかりで最後は読むのが苦痛だった。
長編というのは最後に感動の波が押し寄せるものと思っていたため、あっけなさと話のまとまりの良さに『えー…どうしてー…』感が否めなかった。
読み手の問題を加味した上でも、やはり文章に一貫したテンポは純文学であろうと必要であると思うし、下巻途中までが素晴らしかっただけに残念。

買って読むことになる人が多いと思いますが、オチや結末に感動を求めたい方にはわざわざ買って読むまでもないです。おすすめできません。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.10
(5pt)

平明な言葉で書き抜かれた世界

「午後になって雨があがった空は暮れかかって、黄金色の光に満ちた表参道の並木道は、蜂蜜を垂らした紅茶の中のようだった。」「同じだ。誰も彼も。私を、私の中に置き去りにする。」「もっと、もっともっと強いものがやって来て、私を粉々にしてしまえばいい。」
島本さんの本は『リトル・バイ・リトル』に続けて2冊目だけれど、こんな文章を読むと、少女の観点を失わないまま、世界をつかむグリップがぐっと強まっているのを感じてうれしくなる(日本語として変な文もいくつか見受けられましたが、それは編集者の責任でもあるような)。
幼児虐待、新興宗教、田舎の中高生の生態、人の生き死に、写真を撮ること、心療内科、などなど現代のモチーフを盛り込んだ上下巻の長い作品を、箱書きに陥ることなく、ひりひりした痛覚を伝えながら、書き抜いているのが素晴らしい。大人の作品にはなりきっていないかもしれないけれど、今しか書けないものを書いた、読まされたという手ごたえがある。
島本さん、次作が楽しみだ。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.9
(3pt)

She's stupid and demanding

黒江はとても愚かで欲しがりやさんの女の子だ。
そんな彼女が中学から成人するまでの人生、出来事を綴ったものがこの小説だ。
では、なぜに彼女は目に余るくらい愚かで、欲しがり屋さんなのだろう。
それがこの話の肝になっているようだ。
子供は生まれてから大人になるまでに、両親や周りの大人たちに庇護され、愛しまれなければ
立派な大人になれないそうだ。
それが足りないとなると黒江のような欲しがり屋さんになってしまう。
またその愛情が醜くゆがんでいると黒江みたいに愚かになってしまう。
といったような説明じみたくだりがあるが、それは無くてもよいような気がする。
昨今はスポイルされた子供達の存在はだいたい周知のことであるゆえ、原因などを書き添えてしまうと
じつに通り一遍な話になってしまうのではないかと思った。
それが無くたって、彼女の数年間の紆余曲折だけでも十分の読み応えのある話になりそうなのに。。
蛇足だが、話の中に食事風景が多い。
そしてやたらと冷蔵庫からジュースやコーラを出してくる。。
これが昨今の若者の食事風景なのか。
食欲旺盛に食べる描写にあってもその食べ物が旨そうに伝わってこない。
黒江が料理上手だという描写があまりうまく伝わってこない。
食事や料理の描写を多く取り込みそれを表現しようとしているのだろうが、効果が見られない。
それは家庭料理を弁当を、サンドウィッチを、イタリアンレストランのパスタを、甘ったるいソフトドリンクと共に描かれているからだ。
これは完全に個人的な感想に過ぎず、瑣末なことだろうが。
全体に割りに焦点がぼやけている描写が目立ち、厳しくコーナーを突く表現が少ないような気がした。
せめて大切な男女関係のシーンは焦点をこれでもかというくらいぴったりと合わせ、生々しく描いてほしいと感じた。
そうでなければ、黒江の経験した屈辱的な痛みや心が壊れるほどの恐怖が伝わらない。
まあ読み手が鈍感で主人公のそれを共感出来ないだけかもしらんんが。。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.8
(4pt)

ステンドグラス越しの光り

――私の身体はたぶん、
  ずっと前に荒らされて死んでいた、
  廃墟みたいだった。

父親から送られてきた幼少期の写真によって、決定的な崩壊を歩むことになった主人公が、写真へと救いを見出す物語、だと感じました。

長崎出身なので、下巻で主人公がモデル(と、忘れたころに師匠)と旅する長崎の町の描写や、中でも教会内部の描写が非常に鮮やかに映し出され、彼女がステンドグラスに手を伸ばした写真さえも目に見えるようでした。

ステンドグラスは、光を通して神を見る装置です。
彼女はずっと、神に手を伸ばし続けていたのでしょう。救いを求めて。

一般的な『傷』よりも主人公が受けたものは深く歪なものですが、彼女が全てを師匠に告白し、向き合うために過去の人物に会いに行く場面から、少しずつ光が差して来たように感じました。

百年後とまでは行かなくとも、主人公はきっと師匠の下に帰ると思います。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.7
(3pt)

残念な作品

直木賞候補に入っていたので読んでみました。
上巻の後半、羽場先輩や賢治君などが登場する部分では、ケータイ小説ってこんな感じなのかな?と思わせられ、投げ出しそうになりました。10代の子たちに買ってもらおうとしたのでしょうか?意図が分かりません。
下巻になると漸くテーマがはっきりしてきてなかなか読ませます。ただし題材がやや使い古された感はありますが。上巻の不要な部分をばっさり切って、全体で500ページ程度にまとめたら良い作品になったかもしれません。どういう読者を対象にしているのか、明確にして書いてほしい。これは子供に読ませる内容ではありません。
直木賞もレベル低いなあ、と思わされました。
アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)より
4122058953
No.6
(3pt)

残念な作品

直木賞候補に入っていたので読んでみました。
上巻の後半、羽場先輩や賢治君などが登場する部分では、ケータイ小説ってこんな感じなのかな?と思わせられ、投げ出しそうになりました。10代の子たちに買ってもらおうとしたのでしょうか?意図が分かりません。
下巻になると漸くテーマがはっきりしてきてなかなか読ませます。ただし題材がやや使い古された感はありますが。上巻の不要な部分をばっさり切って、全体で500ページ程度にまとめたら良い作品になったかもしれません。どういう読者を対象にしているのか、明確にして書いてほしい。これは子供に読ませる内容ではありません。
直木賞もレベル低いなあ、と思わされました。
アンダスタンド・メイビー〈上〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈上〉より
4120041670
No.5
(2pt)

好き嫌いは人それぞれ

上巻は、学校での交友関係、異性関係をめぐるトラブルに始まり、最初は、「蹴りたい背中」みたいな感じかなと思っていたら、唐突にレイプの話とか出てきて、展開が変わる。ケータイ小説みたいなストーリーについていけないと思いつつ、下巻を読む。

下巻は、宗教とか幼児虐待とかを絡ませつつ、盛り沢山に展開します。
スラスラ読めて、退屈はしないけど、感性が合わないので、面白いとは言えない。
帯には、「どうか私だけの神様になって」とありますが、それがすべてを物語っている。
「私の神様じゃななかった」という感じで出てくると何それって感じで、興ざめしてしまう。

直木賞では9人中4人が評価していたそうですが、偉い先生はさすが感性が違うと実感した次第。
「下町ロケット」は面白さという点では文句ないので、まずはこちらかどうぞ。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.4
(4pt)

何度も引き止めたくなる主人公。

島本さんの書かれたものは、ほとんど読ませて頂きましたが、 これほど何度も 「そっちへ行っちゃだめ」と引き止めたくなった主人公は初めてでした。 なんとなくですが、その時その時で主人公・黒江が関わっていったひととの末路が想像できました。 だから余計に、ほぼその通りでぞっとしました。 『こうなるかも知れないから、こう行動しないでほしいな』 と思うのに、嫌な予感がことごとく当たる当たる。 この主人公は、自分を傷つけるために行動してるんじゃないかと思ったほどでした。 殺伐としていて、救いようがないんじゃないかとも思いましたが、最後はほんのり希望的。 だけどほんとに痛かった。 表紙と帯と「島本さん」というだけで手に取ると、キツイかもしれません。 いろんな意味で、『大きな熊が来る前に、おやすみ。』の、上をいってると思います。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689
No.3
(4pt)

文体が上手い。

文体と、やさしく現実にありそうな、次の展開が知りたくなるミステリーに、サラサラ読み進められてびっくりした。おちついて活字を読むことが苦手で、普段サクサク読み進められる本にはなかなか出会うことのなかった私には、「本を読む」ことが心地よくなった引き金の本となっちゃいました。 ありがとう!
アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)より
4122058953
No.2
(4pt)

文体が上手い。

文体と、やさしく現実にありそうな、次の展開が知りたくなるミステリーに、サラサラ読み進められてびっくりした。おちついて活字を読むことが苦手で、普段サクサク読み進められる本にはなかなか出会うことのなかった私には、「本を読む」ことが心地よくなった引き金の本となっちゃいました。 ありがとう!
アンダスタンド・メイビー〈上〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈上〉より
4120041670
No.1
(3pt)

上下巻を一気読み。

「お昼、なに食った」
「……バスの中で、お茶と甘栗」
「夕飯は」
「帰りのバスの中で甘栗」
「おまえはリスか。とりあえずどっか寄って飯食おうや」

カメラマンを志す少女の半生が描かれたお話。

今までのような島本さんの恋愛小説を期待していた身としては、予想外の雰囲気でした。
暴力や虐待といったテーマは、これまでの島本作品でも頻繁に扱われていましたが、今回はそれに加えて新宗教なども絡んできます。
そのため色々ヘビー過ぎて、主人公に感情移入はいまいち出来ませんでした。
その代わり、独特な世界に惹き込まれたまま、しばらく戻ってこられなかったです。

ハッピーエンドというわけでは決してない。
けれど、自分を大切に出来なかった黒江は、仁さんがいればきっと大丈夫だろう、と思わせる、希望のあるラストが単純に良かった。
アンダスタンド・メイビー〈下〉 Amazon書評・レビュー: アンダスタンド・メイビー〈下〉より
4120041689