モダンタイムス

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モダンタイムスの評価:

3.73/5点 レビュー 200件。 B ランク

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平均点3.73pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全237件 201〜220 11/12ページ
No.37
(3pt)

彼女が持っている。俺がなくしたりしないように

初出はモーニング2007年18号〜2008年26号。2008年10月16日リリース。ぼくは幸せにも作者のサイン入り・落款入りを手に入れた。
作家になる前はSEをしていたという伊坂幸太郎の『過去』を生かしての作品になっている。つまりプログラムが分かる人間が読むと随所に響く。LZH圧縮が出てきて、ふーむ、やるな、と思った。LZHがここで出てきてzipやsitでないことのおしゃれさが芥川・直木賞の審査員に解るとは思えない。既に表現の多様性が従来の文学のキャパシティを超えているんだな、と痛感した。
これで現時点の伊坂幸太郎作品を全部読了したのだが、正直な気持ちを書くと、はっきり言って最近の作品は、未消化・未計画のまま世に出ていると思う。苦言を言うようだが、もう少し貯めて出すべきだろう。時間軸をずらしながら並列的に展開させるストーリーが超一流。台詞が超一流であるだけに手抜き・息抜きは極めて残念だ。そして『超能力』とかSFを書いて欲しくない。それが伊坂幸太郎の目指すべき方向性だと、言い切りたい。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.36
(4pt)

ゴールデンスランバーよりも

ゴールデンスランバーよりも面白く読めた。
ゴールデンスランバーは著者本人もどこかで言っていたが、
ストーリーとしてはハリウッド的な直球にあえて挑んだわけで、
それまでの伊坂作品とは異なる感じは否めなかった。
今作は、魔王 (講談社文庫)の続編でありながら、
あえてあの犬飼や安藤の存在を大きくしなかった点が、続編以上のものにしている。
権力者による煽動と隠蔽、異能者の養成施設、などは、
SPとか、Monster (18) (ビッグコミックス)
でも部分的にテーマとして扱っているが、
それが実際可能性としてそうかもしれない、と思う以上に、
でもそうだとしてもあまり驚かないのはどうなんだ、
という疑問を投げかけているように思える。
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4062150735
No.35
(3pt)

雰囲気のみ味わいました。

こんな風に近未来はもっとネット社会が進んでいるのね、
と言う感想はもったのですが、
それ以上でもそれ以下でもなく、なんだかよくわからない内容でした・・
皆さんそれぞれ意見はあるでしょうが、私の場合、
”陽気なギャング”シリーズが苦手で、
本作品もそんな流れを汲んでいたかなと思います。
軽妙だけど現実感がないというか、とはいえSFでもなく。
相変わらず登場人物のキャラクター分けは素晴らしいと思ったのですが、
前半の展開が遅いことで、その先への興味が失われてしまったように思います。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.34
(3pt)

軽妙洒脱なワン・フレーズ満載だが、もの足りない

『実家に忘れてきました。何を?勇気を』、初っ端から、キター、めくるめくるような伊坂ワールドが。期待に胸を弾ませ読み進む。恐妻家で気弱なシステムエンジニアが女房に浮気を疑われ『拷問家』を送り込まれる。ドラマ24のような拷問が展開する。職場では失踪した先輩のシステム・メンテ案件を嫌な課長に任されるが、その取引先は正体不明の『出会い系サイト』を運営しており、謎をつきつめようとある言葉をネットで検索したものに次々と得たいのしれない不幸が襲い掛かる。
『監視』とか、『国家とは何か』とか、『インターネットの恐ろしさ』とか、壮大なテーマが見え隠れし、嫌が上でも期待を膨ませてくれるが、536頁の膨大なボリュームを読ませておいてそれはないよね、というような尻すぼみで話しは終わる。恐怖の正体があまりにもリアリティーがなさすぎる。ジョージ・オーウェルの『1984』があるんだから、更なる何かが欲しかった。また、例えば荒唐無稽のSF小説『幼年期の終わり』の方が遥かに説得力があるのは何故だろう。
洒落たフレーズを書かせたら井坂幸太郎は天下一品。初期の作品が既に完成されているので、期待が強すぎ厳しい評価すみません。
なお、本編は『魔王』の続編。『魔王』のネタばれがあるので、本編を読んでしまうと『魔王』を読めなくなってしまうのでご用心。
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4062150735
No.33
(3pt)

新時代。

モダンタイムスを日本語に訳すと何なんだろう。
やはり「新しい時代」になるんだろうか。
タイトルどおり物語は、近未来の設定になっている。
日本に徴兵制が義務付けられていたり、9条が改正されていたり、映画や本は自宅でダウンロードするなど、ちょこちょこ未来らしさは出てくるが、新時代という独特の世界観を構築するところまではいっていないかな・・・と感じた。
登場人物たちにやたら20世紀好きな人間が多く、「昔ジョンレノンが〜っていっていた」「え?誰それ?」みたいな会話があちこちに出ており、結局他作品のように、20世紀の作家や曲を使って人物に深みを出すというパターンのような気がしました。
中盤までは、非常に面白く「ゴールデンスランバー」よりこっちのほうが面白いのでは?と思ったのだけれど、後半大失速というかんじ。
書きたいテーマはかけたんだろうけど、もう少し色々な謎をもやもやしない終わり方にして欲しかったです。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.32
(5pt)

ネットワーク社会への警鐘

とにかく面白い!ページをめくる手が止まらず,一気に読み進んでしまう.
個性豊かな登場人物により,ストーリーがさらに面白くなっている.特に著者の名前と同姓同名の好色作家・井坂好太郎には笑ってしまった.
ところで,物語の舞台は『魔王』から50年ほど未来の日本社会となっている.ウェブ検索で特定の単語の組合せを検索した人物には必ず不幸が訪れるという,ネットワーク社会への警鐘が込められている.
これは資本主義社会の在り方を痛切に皮肉った,1936年に制作されたチャールズ・チャップリンの代表作『モダンタイムス』をモチーフにしているものと思われる.
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4062150735
No.31
(3pt)

伏線が回収できていなさすぎ

浮気相手の目的はなんだったのか?あの奥さんはいったいなにものなのか?占いメールは結局,先輩が語ったこと以上の真実は何も無かったのか?など読後にいくつもの?が解決されずにもやもや感が残ってしまいました.それに,作中で登場人物自身が言っていましたが,それしきのことでそこまで大仰なことするかなあ?提出された答えもあまりになげやりというか.それで済ましてしまっていいのか?たしかに,国家という大きなシステムにはそのような性質があると思うけど,それでもそれだけのことをしようと思えば,権力を持った「誰か」の明確な「意志」が介在しているはずだし.
でも,五反田先輩や奥さん,拷問をするお兄さんのキャラクターはなかなかよかったです.
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4062150735
No.30
(4pt)

キャラクターが良かった

物語のリアリティや漫画チックな展開には「?」と感じることも多かったですが、
登場人物たちの呑気なキャラクター性に惹かれました。
大変なことになっているのに、なぜか切迫感のない彼ら。
世の中が進みもっと殺伐とした時代が来ても、おおらかに構えていられる人が幸せでいられるのかな、と思ったりしました。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.29
(2pt)

えっ?これで終わりですか?

面白い導入部から、ドキドキしながら読み進めましたが、
読み終わった感想は「えっ?これで終わりですか?」
浮気相手の真の目的はなんだったのか?
異様に強い奥さんは普通の人なのか?
主人公の超能力って、あれだけ?
など、たくさんの質問に答えてもらえないまま終わってしまった気分です。
長かった分、読み終わったあとのがっかりが大きかった。
面白くはあったんですけどね…。
ネット社会の怖さを感じさせる巨大な敵、
システムというとらえどころのない敵の象徴として出てくるのは、小者ばかり。
テーマはいいのに、そのスケール感を感じることが出来ず、
ちゃちなCGのSFといった印象が残りました。
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4062150735
No.28
(5pt)

メッセージを読み取る作品

最近の伊坂作品はパターン化してるのでは?というレビューには確かに否めない。1冊の本を通して物語が完結していない、ゴール地点にて複数の糸が手繰り寄せられる感じがないというレビューにも否定は出来ないが、それは読み手側が何に重きを置くかで異なる。
文章から、言葉から何かを得たい、考えたい人にとってはとてもお勧めの作品です。私はゴールデンスランバーより好きですね。
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4062150735
No.27
(3pt)

面白いのかどうか・・・

ゴールデンスランバーがとてもよかったので、こちらも読んでみました。
残念ながら、伏線の浅さや間延びしたストーリーに正直たいくつになりました。また主人公の奥さんの佳代子が異常に強く描かれていて、大の男を投げ飛ばすなど現実ばなれした設定に、なかなか感情移入できませんでした。
ただ、国家システムや自分の今の幸せについて普段考えることの少ないテーマを突きつけられ、一体何が善で悪なのか、いろいろな角度から複雑に解釈できる数少ない作品だと思いました。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.26
(5pt)

クリック、ドラッグ、検索

勇気はあるか?

浮気を疑う妻に拷問を受ける
システムエンジニアの渡辺拓海

ある日受ける出会い系サイトの
仕事を境に変化する日常
きっかけは誰もが不明な部分に
差し掛かると行う日常的な行為
"検索"―。

前半部は意外と情報技術に
携わる人じゃないと不明な点が多い

魔王の続編ということもあり
安藤潤也や詩織、腹話術なども
登場しますが、テーマは別

魔王が統一されることの恐ろしさを
訴えるならば
モダンタイムスは細分化されること
構成されることの恐ろしさを
訴える作品だと思います

最後に主人公が言う
勇気の在処
すごく微笑ましたかったです

勇気はあるか?
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4062150735
No.25
(4pt)

10年後に書いてもらいたかった。

伊坂作品の中では総じて評価が低いようだが、そんなことはない。むしろ上位に入る作品だと思う。彼の作品を読み始めるといつも、彼独特の文章のせいか、ああまた同じような登場人物が同じように語り合っている、と思って少しげんなりしてしまうのだが、それでも最後まで面白く読ませる技量は特筆に値する。この作品では、その「伊坂節」が特に鼻につく。要するに物語に溶け込んでいないのだ。「魔王」のときにも思ったが、このテーマは「伊坂節」に合っていないと思う。しかし気になる点はそれだけ。物語自体はとても面白い。「伊坂節」がもっと熟成されるだろう10年後に、もう一度このテーマで書いてもらいたい。大傑作になるのではなかろうか。
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4062150735
No.24
(4pt)

検索を躊躇したくなる、ちょっと怖い話です。

「勇気はあるか?」
このフレーズからから始まり、最後まで飽きさせずに一気に読ま
せてくれるエンターテイメント小説です。
本書は、伊坂幸太郎の最新作。漫画雑誌モーニングで連載された
作品です。「魔王」の続編にあたりますが、それほど関連性もな
いので、単独でも楽しめると思います(世界観は似ていますので
きらいだった人には不向きなかも)。
ちょっと未来の日本を舞台に、主人公・岡本猛の公私ともにあま
りに不幸なな物語が展開されます。彼は、仕事上のトラブルから
事件に巻き込まれていきますが、「検索から、監視が始まる。」
の帯の通り、キーワードは”検索”。なんでもググる現代に対する
著者の警告とも言える監視社会が考えさせられます。
怖くて”播磨崎中学校 安藤商会”とはググれない人もいるかも。
社会問題は置いておいても、エンターテイメントとしても面白い
です。ただ、「ゴールデンスランバー」とは違って、最後の爽快
感がない(わざとだと思います)ので、星4つとしました。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.23
(3pt)

作者らしい作品だが・・・

巨大な組織の中では、人間はひとつの部品に過ぎない。人間らしい感情を
持つこともなく、ただ黙々と与えられた仕事をこなしていく。いつか世の中が
こんなふうに変わってしまうのではないか?いや、もうすでに変わり始めて
いるのではないだろうか?また、何かを存続させるために都合のいい「事実」を
作りあげ、人々にそれを信じさせているのではないだろうか?絶対にそんな
ことはない!と言い切れないところに怖さがある。「ゴールデンスランバー」
読んだときに感じた、得体の知れない巨大な何かの存在を、この作品でも
感じた。ただ「ゴールデンスランバー」では巨大なものに対する無力感を
感じたが、この作品ではわずかながら希望が感じられた。
登場人物の語る言葉の言い回し、ストーリーの展開、テーマ、どれを取っても
伊坂幸太郎らしい作品だと思う。だが、一歩間違えば、どの作品も似たような
感じになってしまう危険性もあるような気がする。ワンパターンではない作品を
期待したい。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.22
(4pt)

モダンタイムス

あるキーワードを検索すると監視される.何で?そういうシステムだから.
テーマは国家やシステム化された近未来社会について.「国家はそれ自体が生き長らえることが目的だ」とか「仕事が細分化されて人間は部品の一部になっている」とかけっこう当たっているかも.しかし,今回の主人公は最終的に「でも,そうじゃないんだ.何かできることはある」と主張する.これまでの伊坂作品に比べると人間味がある主人公だ.結婚したり.浮気したり.
相変わらずクールで無味乾燥な文章.そこが好きなんだけど.でも,文章トリックや伏線は弱い.だから,それが好きな伊坂ファンには物足りないかもしれない.話も広げすぎていてまとまりに欠けている.結局最後までよく分からない部分もあり消化不良気味.伊坂作品が初めてという人にはあまり向いていない.他の作品を読んでみて,独特の文章が気に入ってから読んだほうがいいと思う.
あるキーワードを実際に検索してみたら,ちょっとだけ面白いことが起こった.監視されるのは困るが,これくらいのユーモアはいい.
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.21
(4pt)

「検索エンジン」が内包する不気味さを抉り出す長編小説

【評価】
・星5つに近い星4つ
・微妙につめが甘いところや若干安易に感じる部分あり、
 星4つにしているが、読んでとても面白い本である。
【雑考】
◇「検索エンジン」が内包する不気味さを抉り出す長編小説
◇500ページ超の長編小説。
  ◇しかし気がつくと一日で最後まで読んでしまった。ハマる一冊。
◇よくもまあ、こんなネタを思いつくものだと思った。
  ◇Googleを代表する検索システムに対して抱く不信感のような感覚を
  一つのストーリーにまで成長させている。
    ◇「ゴッシュ」という会社はたぶんGoogleがモデルなんだろう
  ◇「そういうシステムなんだ」という言葉が非常に考えさせられる。
    ◇「だから仕方ない」ってホントは自分の意思なんじゃないのか?
    ◇たとえば、アリのような微小な生き物が人の背丈以上もある巣を
     作りうるのも「そういうシステム」だからなのかも知れない。
     たぶん、そこに個々の意思は存在しない。
     でも、「それ」は達成される。
  ◇伏線を大きく張ってしまったけど、回収できなかった、
   ってわけじゃないよね?
◇相変わらず、この作者の描く登場人物はどれも憎めなくて、楽しい
  ◇そして最終的にはハッピーエンド?なので重くない感覚で読める。
◇21世紀後半という時代背景のためなのか、筆者にそういう経験が
 ないからなのか、SEという職種の人間に対して一種のバイアスがかかった
 描き方になっているように思う。SFというジャンルであると考えれば、
 そういうものと受け止めるべきなのかも知れない。
◇少しわき道にそれて細かい話をすると、この本は若干右寄りの思想がある。
  ◇私は決して、それを否定するつもりはない。
  ◇作者の意見そのものなのか、この連載小説の掲載誌の読者層を意識しての
   ことなのかはわからないけど。
◇インターネットコミュニティのあり方についても、考えさせられるものがある。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.20
(5pt)

なるほど『現代版・モダンタイムス』なのですね

話題の伊坂さんをこの作品で初めて読みました。
伊坂作品最初の1冊目がこれで本当に良かったな〜と思いました。
イニシエより芸術作品は“描写すること”によって、世の仕組みを解き明かそうとしたり、理不尽を世の中に訴えかけたり、より良い価値観を提案したり…っていう一面があるかと思います。
伊坂さんという人が、古いものから最近のものまでたくさんの芸術作品を見たり読んだりして体験し、それらを自分の経験や考えと照らし合わせた。その結果としてある結論に辿り着く。「世界ってこういうことか」
その世界観を小説として私たちに提案している、そういう作品だと思います。
「そういう仕組みになっている。」
どうにもならない事を考えるだけ無駄だという人もいて、フタしておけば気にならないでしょという人もいて、うまく立ち回るのが吉だという人もいる。くだらないと切り捨てる人もいるし、疑問にすら感じない人もいる。伊坂さんも(世の人々と同じように)「そういう仕組み」と日々悪戦苦闘しているのだろうと思いました。
「そういう仕組み」に興味が湧いたことない人には多分あまり意味のない作品です。共感できる部分もないだろうと思います。
この作品は映画、小説、音楽等、様々な分野の芸術が「引用」されてますが、それらの引用元をどの程度「体験したことがあるか」で作品の感じ方が変わるように出来てます。引用元をより多く知っている方ほどこの作品の“奥行き”を深く感じる事ができるはずですし、殆ど知らない方でも作中の引用元を体験すれば新たな視点を得られるようになっています。つまり作中の「苺畑さようなら」=本作「モダンタイムス」、それを読む渡辺=読者です。
作中の気になった検索語は是非調べて→体験して下さい、それが私の言いたい事なのです。という不思議な作品。
何から入ればいいのやら…な方は、まずチャップリンの「モダンタイムス」「独裁者」をどうぞ。あと梅田望夫も是非。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.19
(3pt)

『魔王』より完成度は上ですが…

『魔王』から50年後の世界を描いた続編とのことですが、『魔王』を読まなくても読み進めることはできます。ただ、これを読み、
1)安藤潤也と安藤詩織の若き日々と、安藤潤也の力についてもっと詳しく知りたい。
2)安藤潤也の兄ってどんな力があったのか。
ということが気になった方は、『魔王』を読むとわかります。
『魔王』の裏表紙に書いてあった、「何気ない日常生活に流されることの危うさ」は、私は『魔王』よりも『モダンタイムス』の方が強く感じました。
また、エンターティメントとして考えても、こちらの方が、先が気になり読み進められたのは確か。
しかし、妻の夫に対する暴力に何の意味があるのか最後までわからなかったのと、拷問シーンの気持ち悪さ、そして何の関係もない人間までも巻き込む話の流れなど、読んでいて不愉快になる場面が非常に多いように感じました。
正直な話、単行本でなく、文庫本が出るまで待てばよかったと思いました。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735
No.18
(4pt)

読者に訴える力がある

井坂好太郎氏は『人の人生は要約できない』と小説の中で持論を述べていたが、敢えてこの本を要約すると、『自分の行動に責任を持て』ということだろう。
たとえそれが命令されたものであるにせよ、自分の判断力を放擲してはいけないのだと思った。
”流れに任せる”というけど、今ある自分の人生は小さな判断の積み重ねなのだと潔く認めるべきなのだと思う。
作者の狙い通り、常になんらかの見せ場が用意されている。作者の思惑に乗ってぺージを捲る手がもどかしいほど夢中になって読んだ。
作者の主張と自分の気持ちが一致して、伊坂作品の中では久し振りに共感しながら読めた。
なかなか強いメッセージを包含する佳作だ。
伊坂幸太郎の高感度がちょっとだけ増した。
モダンタイムス (Morning NOVELS) Amazon書評・レビュー: モダンタイムス (Morning NOVELS)より
4062150735