オールド・テロリスト
評判
オールド・テロリストの評価:
3.90/5点 レビュー 72件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1〜9 1/1ページ
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オールド・テロリストの評価:
3.90/5点 レビュー 72件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
閉塞感や、これから国が良くなる未来が描けない、苦しんでいる人の気持ちを考えようとしない、そして何より、若者自身がそういった事に対して諦めの
スタイルになりがちで、大きな行動を起こさない、こういう所は耳が痛いところでもあり、自分の頭でちゃんと考えなきゃな、とは思う。
そして、その具体的な方法になると、一度破壊するしかない、というのも、方法の一つとしてはありだろう。
それを踏まえて、自分はこの作品、はっきり言って好きになれないし、登場するテロリストたちにも共感できない。
それは結局、作中の「オールド」たちが、あるいは作者自身もそうだが、生身の「若者」を全然見ようとしていないから。
例えば、電車に乗っていると、一斉に若者がスマホを弄る光景が異様だと、いかにも年寄りが言いそうな批判が作中に出てくるが、彼らがどうしてそうしているのか、理由だってそれぞれ違うはずだ。
ある人は、言語のアプリを使って勉強中かも知れないし、ある者はゲームでもして日常の憂さ晴らしをしているかもしれない。
理由によって、それぞれ「若者」の歩んできた人生は違うはずだし、「苦しんでいる」理由だって違う。
そして、彼らの苦しみを解決する為の方法だってそれぞれ違うはずだ。
この作品も含め、年長者層というのは、そういう事を考えもしないで、「彼ら若者は~な時代に生まれ、~な教育を受けてきたから、今は~となって無気力になっている」としたり顔で呟く。
作中のテロリスト達は、今の日本が腐っていると、一度リセットするしかないと言うが、その底に流れている「今の若者は~だ」という決めつけと、「こうするのが日本の為だ」という物言いは、彼らが罵倒している日本の富裕層だの、政治家だのと変わらない。
単純に言ってしまえば、「相手を人間扱いしていない」ということだ。
若者がどうしたいのか、そもそも何で苦しんでいるのか、正面から向き合おうともしないものだから、結局、一度破壊するしかない、という、現実にはとても適用できそうにない、曖昧な方法でしか解決を図れない。
円が暴落して焼け野原同然になる、そうなれば戦後と同じ状況になって、またゼロから出発できる。
もっともらしいが、余りにも抽象的で、杜撰すぎる。
朝鮮戦争のような特需もない日本が、かつてと同じような復興を遂げられるのか、そんな事を気にする様子もない。
何より、その杜撰な計算の下で廃墟にされた日本で生きていかなければいけないのは、逃げ切り世代の老人ではなく、若者だということだ。
今の日本をぶっ壊したい、という願望は誰にでもある、それはわかるが、ぶっ壊したあと「これでわかったでしょ?今は怖い時代なんですよ。ちゃんと自覚しましょうね」だけ言って終わり、などという自己満足には共感できない。
この手の作品の大多数に言えることだと思うが、「警鐘を鳴らす」だけの作品は正直うんざりだと思う。
今の日本人の姿がさも情けないように描かれているが、それは生きていく為に、それぞれが折合いを付ける為に考えつつやっている姿だ。
幼稚に見えても、皆がどうにか、不安で頭がおかしくならなように、考えて生きているのだ。
そういうのを平和ボケというべきではない。いや、呼んでもいいが、じゃあせめて自分でも具体的に何かしましょうよ、という事だ。
具体的にというのは、無責任なテロとかではない。
原発でも国際関係でも、どこか一箇所でいいから、少しでもよくなる方法の事だ。
できないのなら何もすべきではない。
勿論その場合、いつか日本にも限界が来て、全てが崩壊する時がくるだろうが、少なくともこんな老人たちに勝手にタイミングを決められるよりましだろうと思う。
別に日本を救う方法とまでは言わないが、例えば実際に知り合った「若者」一人くらい幸せにしてみせてから、言って欲しい。