夜より黒きもの
評判
夜より黒きものの評価:
4.00/5点 レビュー 1件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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夜より黒きものの評価:
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舞台はバブル時代のススキノ。
主人公は、キャバレーで働く「黒服」。主人公の名は黒頭(くろず)悠介。黒服の黒頭(目がチカチカする…;)
黒服自身は客に直接サービスすることはないが、ホステスたちが最高のパフォーマンスを発揮できるように万端を整えるのが役目だ。
ホステスたちが働きやすい環境を整えることは、しかしホステスたちのためというより店の稼ぎのためだ。店の稼ぎのために他店の有能なホステスを引き抜くのも黒服の仕事だ。
作品の長さに比べて登場人物の数が多い気がする。それらの人物との関係の中で黒頭は、的確なフットワークでアクシデントに対処していく。
といっても、華麗というより味わいは苦い。ハードボイルドも浪漫主義のひとつだが、苦味が嬉しい。
黒頭は酒も飲めず、派手な恋愛模様も描かれてはいない。
しかし、女のプライドとか覚悟がキラリと垣間見られるシーンもある。
※闇の夜は吉原ばかり月夜哉
其角のこの句、泡坂妻夫「椛山訪雪図」(『煙の殺意』所収)のマジカルな解釈が印象的なので、もじってみました。
「おもしろうてやがて悲しきバブルかな」(ほんとうは「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」)と言ってもいいようなものだけど、でも過ぎ去ったものというより、その中で滑ったり転んだりの人間模様はいつの世も変わらないとも思います。