土漠の花
評判
土漠の花の評価:
3.78/5点 レビュー 154件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全118件 61〜80 4/6ページ
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土漠の花の評価:
3.78/5点 レビュー 154件。 B ランク
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陸上自衛隊の編成隊が捜索救助に向かうが、そこに部族紛争に巻き込まれたという現地の若い女性が助けを求めてくる。
保護しようとした矢先に突如、武装集団に襲撃されるーーという冒頭から物語は始まる。
“いまだかつて戦ったことのない軍隊”である自衛隊が、なりゆきで戦闘に巻き込まれるという衝撃的な設定で、隊員たちに次々と迫りくる脅威にどう立ち向かうのか、という緊迫感に一気に引き込まれる。
仲間同士の確執や意見の違いを乗り越え、チームとしてまとまっていく姿と、必死で状況を打開しようとする隊員たちの自衛官としての矜持と、人間として成長していく姿がとても印象的に描かれている。
自衛官である前に普通の日本人である彼らの、様々なわだかまりや葛藤と、家族のような絆がまるで自分のことのように感じられて、アフリカの現実に打ちのめされる彼らの苦悩に思わず感情移入してしまう。
スリルと臨場感に満ちた軍事小説としても十分に楽しめるが、むしろ壮大な自然の美しさに感動したり、災害の恐ろしさを体感したり、際限のない欲望のために殺しあうことの愚かさ、そして生命や、愛と平和の貴さを描いた人間ドラマとしての側面に強く心を打たれる。
もちろんフィクションなので、都合よく展開する部分もあるが、極限状態においての隊員たちの心理描写がリアルで、実際の自衛隊が交戦状態に陥ってしまうとどうなるのか、ということ想像するきっかけになるのではないか。
作中で何度も登場するソマリアの格言で『土漠では夜明けを待つ勇気のある者だけが、明日を迎えることができる』という言葉があり、私は“どんな困難も乗り越える勇気がある者こそ、明日を生きることができる”と解釈した。この作品のテーマを最も象徴する言葉だと思う。
戦後70年の今夏、国の安全保障について国会で議論されている。日々変わりゆく国際情勢の中で、海外での自衛隊の活動が拡大されると、日本人が戦闘に巻き込まれるリスクも高くなると懸念されている。
安倍首相は戦後70年談話で「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」と発言した。
この言葉の持つ意味を、首相自身も含めて、私たちも真摯に考えるべきときなのかも知れない。
絶望的な土漠に咲く一輪の花は、果たして希望のオアシスなのか、それとも儚い蜃気楼なのか。解釈は読者自身に委ねられている。