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事故調



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【この小説が収録されている参考書籍】
事故調

事故調の評価: 4.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

サスペンスかドキュメントか

この作品は、テレビで放送があったことからしったもので、楽しみに読んだが、テレビを超える面白さで大いに満足した。
事故調Amazon書評・レビュー:事故調より
4041018323
No.1:
(4pt)

組織の僕(しもべ)になるか、己の信念に従うか。勤め人の矜持とは。

<あらすじ>
主人公・黒木は、過去には警察に勤め、花形の捜査一課にも属していたという異色の経歴を持つ、市役所の広報課職員である。
かつては責任感に溢れる刑事だった黒木だが、市役所に転職してからは、完全なる組織の僕であり、「何もしなければ何も起こらない」という市役所に蔓延る事勿れ主義に、自らを仮染めしていた。
ある日、市が管理している人工海岸で、男子小学生が原因不明の穴に埋まるという「事故」が起こり、意識不明の重体となってしまう。
海岸を管理していた市に対して、マスコミや市民から批判や管理責任を問う声が上がる。
そんな中、事故原因の解明のため、事故調査委員会(事故調)が設置されることになる。
市としては、どうしても責任を逃れたい。
事故調の調査結果を、市の都合のいいように仕向けたい。もっと言えば、操作したい。
黒木は、事故調の調査結果を「事故は予測できない。市に責任はない。」という方向に仕向けさせる「特命」を、市長から拝命する。
「特命」を果たそうと動き始めた黒木だが、やがて「自分は誰のために仕事をしているのか」で葛藤することになる。
「特命」と言えば響きは格好いいが、要するに都合の悪い部分は隠そうという隠ぺい工作に近い仕事だ。
被害者や市民のことを考えれば、当然事故原因を突き止め、対策を講じるほうが良いに決まっている。
しかしながら、その結果、市の責任が問われれば、市役所全体が大ダメージを受けることになる。
自分の仕事は、どちらを向いているのだろう。
組織のため。被害者遺族のため。市民のため。市全体のため。
葛藤しながらも動き続ける黒木。
動き続ける中で、過去の自分を知る人々に再開しながら、黒木はかつての自分を取り戻していく・・・。

<感想>
タイトルは「事故調」とあるが、事故調そのものはあまり登場しないし、重要な役割を担っているわけでもない。
そもそも黒木は事故調の人間でもないので、タイトルと内容がマッチしていない。
「特命」だとか、もっと単純に「事故」とかの方が良かったのではないか。
ただ、それだとその他大勢の本に埋もれてしまうのが問題ではあるが。

市役所の人間が「下衆」に書かれているのに対して、過去の黒木を知る人物が「魅力的」に書かれている。
なかでも、警察時代の情報屋・椎名が特に魅力的だ。
椎名が発する言葉が心に沁みる。
とりわけ印象に残ったのは、黒木に協力を惜しまない椎名に対して、黒木がその理由を問い、椎名がそれに答える場面だ。
「全てを理解しようするなんて、おこがましい」という内容を、具体例を交えつつ、静かに語る椎名。
椎名の懐の深さが表れているシーンである。
次回作は、この椎名を主人公にした物語が読んでみたい。

<こんな人におすすめ>
仕事に迷っている人におススメ。
誰のため、何のための仕事なのか。
自分のため? 組織のため? 人のため? 世の中のため?
今の自分は、どこを向いて仕事をしているのか。
そっちを向いて仕事をしていて、本当にそれでいいのか。

黒木と一緒に現状打破してみては、いかがだろうか。
事故調Amazon書評・レビュー:事故調より
4041018323

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