ピンク・バス
評判
ピンク・バスの評価:
3.88/5点 レビュー 8件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21〜24 2/2ページ
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ピンク・バスの評価:
3.88/5点 レビュー 8件。 D ランク
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短編2つが納められていがいずれも、難解だが読後にふしぎと晴々した気持ちになれる。
『ピンクバス』は、妊娠と不振な行動をとる夫の姉と名乗る女性との同居が突然同時にやってきて、神経過敏になっていく主人公を描く。自分が演じてきた過去の自分を詳細に思い出して自ら惨めさ覚えるのだが、学生時代に体験したホームレス体験は強烈。
不信感から生まれる夫や義姉に対してのやりとりも、言葉の選択が絶妙でまるでコントをみるかのように滑稽でおもしろい。いつも居心地がわるくていろいろ試してみたけど、結局は現実の自分に帰結してしまうんだということを受け入れると気分が軽くなるんだなと感じさせる。
ただ、そのことに気づかないでピンクのバスに乗ってしまうと、いつまでも自分探しの旅から抜け出せないような気がした。『昨日はたくさん夢を見た』は、人のありかたを著者なりに上手く表現した傑作。いつも、たくさんの仲間に囲まれブームを次から次へとつくるがどこか居心地が悪くて自分という存在に不安と焦燥感の入り混じった気持ちでいっぱいな主人公とその恋人。
恋人のほうは、臨死体験のようなものを経て個の存在の確認と時間を捨てて唐突にインドへ旅立ってしまう。残された主人公は、何もできない自分に苛立ちさらに焦燥感が増す。恋人の残した言葉と手紙を反芻しながら自分と人との係わり合いを丹念に確認していくが、恋人がいた席にまったく知らない人が簡単に座ってしまう事に、人の存在のちっぽけさと人生の短さを痛感させられる。わかりあえていたと思ってた人と、実は何もわかちあえてないんじゃないかと暗い海にほうりだされたような気分にさせられるが、きっちりと最後には主人公は「分かちあう」ことで、恋人の片鱗を見つけたような気がした。ページ数も多くなく、短編作なのですんなり読み終えることができる。角田光代の持つ独特な世界観から産みだされる物語には、沈鬱な内容で進んでいてもも最後の数行で「大丈夫だから安心して」とささやくように諭される気がして、癒されるのでふしぎである。