日本アルプス殺人事件

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日本アルプス殺人事件の評価:

4.44/5点 レビュー 9件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.44pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全57件 21〜40 2/3ページ
No.37
(4pt)

牧歌的なミステリー

最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。
日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫)より
4894563959
No.36
(4pt)

牧歌的なミステリー

最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。
日本アルプス殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (光文社文庫)より
4334719260
No.35
(4pt)

牧歌的なミステリー

最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。
日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection)より
4791307151
No.34
(4pt)

牧歌的なミステリー

最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。
日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス)より
4334022138
No.33
(4pt)

牧歌的なミステリー

最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。
日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection)より
4791307151
No.32
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件: 森村誠一山岳ミステリー傑作セレクション (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件: 森村誠一山岳ミステリー傑作セレクション (光文社文庫)より
4334769667
No.31
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (光文社文庫)より
B009KZ63Q6
No.30
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (中公文庫)より
B00D0WEG5K
No.29
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (中公文庫)より
4122045142
No.28
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫)より
4894563959
No.27
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (光文社文庫)より
4334719260
No.26
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection)より
4791307151
No.25
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス)より
4334022138
No.24
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (1977年) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (1977年) (角川文庫)より
B000J8UHSI
No.23
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (中公文庫)より
4122045142
No.22
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (ハルキ文庫)より
4894563959
No.21
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (光文社文庫)より
4334719260
No.20
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (Big books―Morimura Seiichi selection)より
4791307151
No.19
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (カッパ・ノベルス)より
4334022138
No.18
(5pt)

タイトル通り森村氏の十八番、山岳編です。那須警部登場、フィルムトリックが巧妙です!

1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。

1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。

しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。

冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。

冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。

特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。

この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。

本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。

フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。

本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。

乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。
日本アルプス殺人事件 (1977年) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 日本アルプス殺人事件 (1977年) (角川文庫)より
B000J8UHSI