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人魚呪
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人魚呪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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作者の神護かずみ氏は、自らが「語り部」となり読者に語り聞かせる光景を思い浮かべながら本作を著したのだそうだ。なるほど、この物語はただ恐ろしく忌まわしいイメージばかりが付き纏うホラーでは無い。まるで昔話を語り部の傍らで聞いているかの様な多様性に富んだ場面設定にどんどん引き込まれて行った。 舞い散る桜吹雪の下で絡み合う左吉と人魚の娘の妖艶な性描写にうっとりさせられたかと思えば、別の場面では千余年を生きている霊亀と左吉とのユーモラスな掛け合いに思わず笑ってしまう。 そして中盤で、不老不死の体を手に入れた左吉が生臭坊主・黒快に促されるままに刀で身を斬られ、その傷がたちまち治癒する様を人前で披露する場面では、子供の頃親から聞かされた「ガマの油売り」(尤も、こちらは完全トリックなのだが)の話を思い出し、懐かしさがこみ上げた。 後半はホラー小説らしいグロテスクでおどろおどろしい描写が一気にたたみ掛けて来る。特に信長登場後の左吉と黒快の運命は凄惨を極める。 天正大地震、本能寺の変、安土城焼失など、本作は史実を巧みに物語の中に織り込んでいるのだが、その点が物語の完成度をより高くしていると言えるだろう。 久々に読み応えのあるホラーに出会った。 | ||||
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