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血の記憶
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血の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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総評としては、タイトルどおり「おもしろかった」と思います。 幼い時の性的虐待、その記憶の欠如、アルコール依存症…と、 ヘビーな題材を取り扱っています。 ただし、スピード感はあまりありません。 専門的な事柄や、学術など、とにかく長い、長い説明がだるい。 ラストは、事件は解決したのだが、主人公を取り巻く人たちがどう幸せになったのか?と思った。 あんなにも性的虐待が蔓延しているものだろうか? それとも、閉ざされた場所だからこそ、蔓延していたのか? | ||||
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ニューオーリンズで中年以上の男性ばかりが襲われるという残虐な連続殺人が起こっていた。被害者はいずれも全身に人間の口による深い噛み痕がついており、拳銃によってとどめの一発が前頭部に撃ちこまれていた。加えて現場の壁には次の犯行を示唆する血文字が・・・。 ここで登場するのが31才の法医歯科学者キャサリン・フェリー。これは、彼女が遺体の歯の噛み痕を鑑定し、犯人に迫ってゆくサイコサスペンスか、と思って読み進んでゆくと、実はそうとも言い切れなかった。 彼女はなぜか連続殺人事件の現場で被害者の死体を見た後、立て続けに失神し、捜査からはずされてしまう。さらにアルコール中毒で、軽い精神障害のため安定剤を常用する彼女は、あろうことか妻子持ちの刑事と不倫の末、身ごもってしまう。 ここで物語は一転、キャサリンが地元の名家である故郷の実家に帰り、23年前の父親の死の謎と向き合うことになる。そしてそれを追い求める彼女の身にも危険が迫る。果たして過去の事件とニューオーリンズの連続殺人事件との関係は・・・。 本書は、本の帯には「サスペンスの最終進化形」とあるが、私は、キャサリンが、これらの事件をきっかけに、正義と真実を求め、さまざまな障害を乗り越え、タフに立ち向かう自分探しの旅を描いた心理ドラマであると思う。 | ||||
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ニューオーリンズで中年以上の男性ばかりが襲われるという残虐な連続殺人が起こっていた。被害者はいずれも全身に人間の口による深い噛み痕がついており、拳銃によってとどめの一発が前頭部に撃ちこまれていた。加えて現場の壁には次の犯行を示唆する血文字が・・・。 ここで登場するのが31才の法医歯科学者キャサリン・フェリー。これは、彼女が遺体の歯の噛み痕を鑑定し、犯人に迫ってゆくサイコサスペンスか、と思って読み進んでゆくと、実はそうとも言い切れなかった。 彼女はなぜか連続殺人事件の現場で被害者の死体を見た後、立て続けに失神し、捜査からはずされてしまう。さらにアルコール中毒で、軽い精神障害のため安定剤を常用する彼女は、あろうことか妻子持ちの刑事と不倫の末、身ごもってしまう。 ここで物語は一転、キャサリンが地元の名家である故郷の実家に帰り、23年前の父親の死の謎と向き合うことになる。そしてそれを追い求める彼女の身にも危険が迫る。果たして過去の事件とニューオーリンズの連続殺人事件との関係は・・・。 本書は、本の帯には「サスペンスの最終進化形」とあるが、私は、キャサリンが、これらの事件をきっかけに、正義と真実を求め、さまざまな障害を乗り越え、タフに立ち向かう自分探しの旅を描いた心理ドラマであると思う。 | ||||
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はまりました。 女性が主人公。 歯科学者。 若く、美しく、性的に奔放で、年長の男と不倫を重ねている。 しかもアル中。 連続殺人が起こり、容疑者は精神科医。 やがて連続殺人と主人公の家族の謎、自分の記憶の底に封印していたトラウマ(記憶)が繋がっていく。 プロットが複雑で伏線だらけ、登場人物も多く、しかも個性的。 アメリカ南部のじめっとした描写も効いています。 ミステリーとしては今年一番の作品かもしれません。 さて気づいたことがあります。 主人公キャットは容疑者の精神科医ネイサン・マリクに惹かれていく。 なぜならネイサンはキャットの内面を覗き込み、 封印されていた記憶をたぐり、心の中を覗けと導くから。 自分の中にコントロールできない衝動を抱えているキャットには、 自分の謎に向き合う術を授けるネイサンは、 (ネイサンが容疑者であっても、) 極めて重要な人物になっていく。 これって似たストーリーがありますよね。 そう、クラリスとレクター、「羊たちの沈黙」です。 主人公キャットは、クラリスのバリエーション。 本作は「羊たちの沈黙」の背景をクローズアップして、 身も蓋もない主人公キャットにその苦悩を語らせています。 本作は主人公キャットがストーリーを引っ張ります。 ダークヒーロー(ヒロインか)的ではありますが、 とにかく目が離せません。 | ||||
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本作のテーマは家族による子どもへの性的虐待です。 従って下巻ではとても陰惨な描写(それは精神的なものですが)が続きます。 それは家族を巡る隠された謎の解明に繋がるので、 ミステリーの中心をなしますが、 少々ヘビーではあります。 主人公キャットは精神的に壊れて、命は狙われるし、男とは破局するしと追いつめられ方は半端ではありません。 最後にはレイプまでされてしまいます。 でも一貫して魅力的です。 心の底からの強さがあるからだと感じます。 エンディングに向けた後半の50Pは一気に読ませます。 | ||||
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噛み痕のある死体は、性的殺人によるものだそうだ。 とはいえ、被害者はむさ苦しい中高年の男性ばかり、と聞けば、反射的に「えっ」と声がでるだろう。主人公の法歯学者のキャットも、自分で推論しながら「ありえない」と口にする。 噛み痕のついた死体が、若くなく美しくもなく女性のものでもない。では一体どんな動機で彼らは殺されたのか? グレッグ・アイルズは、ミステリの定石を裏表に見事にひっくり返す。性的な連続殺人の被害者は、中高年の男性、そしてヒロインは、美しく、知的でありながら、精神的に不安定な法歯学者のキャッツ。 このキャッツも定番のヒロイン像から外れている。 キャットは美人で激しく、知的で、不安定な、いわゆる『運命の女』タイプなのだ。しかも一人称である。彼女は、法歯学者という専門性の高い仕事についているが、プライベートでは、酒と抗精神薬に依存し、妻帯者の刑事と関係を持っている。 ギリギリのバランスを保ってきた彼女だが、ある日現場を一目みるなり意識を失い、事件からおろされてしまう。 彼女の不安定さは、23年前に死んだ父親の謎の死と関係があるらしい。この連続殺人事件と、キャットの父親の死はどうつながっているのか? 真実がひとつ明らかになるたびに、キャッツは奈落の底に突き落とされる。そのアップダウン、畳こむ展開は、ジェットコースーターのようである。 さらにヒロインは自省をしない人である。気が付いてないから反省もしない。他人の忠告には耳を傾けず、危険に飛び込んでゆく。周囲の男たちは災難というほかない。他人を利用しているとは露とも思わず引きずり回すその美女っぷりがアッパレである。 読む快感に酔いながらも、情景は際だち、犯罪のデテールは矛盾がない。読むにつれて、登場人物たちの個性と愛憎がくっきりと浮かびあがってくる。 舞台は、アイルズではおなじみのアメリカ南部の街、ナチェズとニューオーリンズ。『戦慄の眠り』にも登場したFBI捜査官やニューオーリンズ市警の面々が、脇役で登場する。 陰惨なテーマを扱っているが、読後は爽快。 | ||||
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