■スポンサードリンク
プロメテウスの涙
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
プロメテウスの涙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が今までに読んできた中で1番だと思える本です。乾ルカさんの本は「あの日に帰りたい」から惹かれ全冊読みましたがその中でも1番のオススメ。 まず序盤で思わず目を背けたくなるほどの死ねない死刑囚の生々しい描写があり、その描写力の高さに驚きました。 内容もとても面白く、途中から予想はつくにしても一気に読み進めたくなります。友情あり、家族愛もありでとても感動するお話だと思います。私は何度読んでも泣いてしまいます。 ただ、もう少し殺された少女のことやその子の感情、死刑囚の感情が入っているとさらに面白そうだと思いました。 こんなに素晴らしい本を描ける作家さんなのに本屋で見かけることは少なく、もっともっと有名になってほしいな…と思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろくて一気読みしました。が、なんとも後味が良くない(というか、気持ち悪い)のが正直なところ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本で、授業中、自宅かかわらず奇妙な行動を起こす小学生の女の子が通院してきた。外国に行ったことがないにもかかわらず外国語のような謎めいたつぶやき、見知らぬ外国人の絵。調べていくと、世界で過去に同様の症例が見つかる。 米国バージニア州に収容されている死刑囚は、全身ががん細胞に侵食されている。過去何度も死刑執行がなされたのにもかかわらず死ぬことができない。死にたくても死ねないのだ。 この二つの事柄を結びつけるのは何か。 米国、日本に住んでいて、友人でもある二人の女性医師が、過去の研究データを集めて、一つの仮説にたどり着きます。 私自身の感想としては、ワシントンDC、バージニア州、と出てきたのであれば、NIH(米国衛生研究所)やCIA、ホワイトハウスあたりの先端科学や政治も絡めてもらえるともっと面白くなったのかも、と思いました。 また、二人の女性医師の間のやり取りについても、精神的な部分についてもっと踏み込んでみても良かったのかもしれません。 米国手話、死者ミサのあたりも斬新で思いがけないものでした。とても楽しめました。次の作品に期待をしたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サイコミステリー、かつ、女医バディものです。 片付けが苦手で、少し間の抜けた所のある心療内科医 涼子(35歳独身)と、 彼女の同級生で、アメリカで研究者として活躍するキレ者キャラの 裕実(やはり独身)が主人公。 彼女らがそれぞれの立場で遭遇する、謎の患者。 涼子には、チック症・トゥレット症候群のような、突発的な動作に悩む少女。 裕実には、どのような処置によっても死ねない死刑囚。 全く関係のないはずの患者が、思いがけない形でリンクしていき、 最後はまさかの。。。というお話。 というわけで、冒頭からこの二人の患者がどのように結びつくのか? という、読み筋がオープンになっています。いい意味で裏切られることはなく、さほど驚きもありません。 ですが、解決までの一本道の道筋を、ゆったりと、のっそりと進みます。 鈍行というか牛歩というか、まどろっこしいったらありゃしませんが、 読者を強制的に焦らしているわけで、、その辺は上手いと言えるのかも。 この本で少し気になったのが、主人公の名前。 どうしても “涼子” って名前が、クールな印象があるから、 読んでいて主人公を取り違える事がありました。いやー先入観って厄介ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ネタバレしてます。 とにかく最初から終盤近くまではノンストップで読み進めるほど面白かったんですが オチとタイトルの意味には「えー…」でした 途中迄が面白すぎたのか… ○○が○○だとは結構早いうちに見当が付くし、内容も「○○じゃ普通だから気持ち良いラストの為には△△だろな」と思ったらアタリ。 いや物語は筋だけ楽しむものではないにしろ、謎が解明されていくと言う筋が重要視された話だけあってかなり不満… 死刑囚の嗜好についてとか犯罪に対する思いとか被害者の少女の考えとか書き込める事は一杯あるだろうに… っていうか子供を手に掛けた犯罪者なんかもっと苦しめばいいんだ…とかすら思ってしまうし…(笑) てふてふ荘〜は全くの凡作だったし 夏光もオチにがっかりしたし… 筋ではなくあの描写力を活かした作品を熱望。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デヴュー作「夏光」は、疎開した少年と、地元で疎まれている少年の話が衝撃的でした。 彼らをもう少し長く読みたいと思いましたが、短編集でしたから無理でしたが。 その二人のイメージで表紙を見直したら、悲しくなりました。 いくら少年でも肌の化粧は必要だと思います。自費出版並みではないかと。 本作「プロメテウスの涙」は、祝!装丁 祝!長編。 まず、表紙を見て「よかったね。乾さん」と、お祝いを述べたくなりました。 カバー裏は装丁関係者?の名前が4人も書かれていて、お金がかかっているかんじです。 そして、まるまる一冊涼子と祐美が出ています。この二人は「羊たちの沈黙」のクラリスと アーデリア・マップに似ています。比重は前者が対等と、後者はクラリス主役という違いこそ ありますが、いいパートナーです。PS刑務官も「羊…」のバーニーを思わせます。 表紙からつながるグロテスクな描写が、一種の売りかとも思いますが、乾さんは情の深さがいいのです。 最初の少女の清らかさが、物語のはじまりにもなり、ラストの救いにもなっています。後味の良さをどうぞ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーは、チックという病気のような発作を日常的に起こしてしまう9歳の女の子と、電気椅子でも薬でも全身癌にかかっても、死ねずに安楽死も出来ない状態のアメリカの死刑囚とのある運命的なつながりの話。 場面が日本とアメリカで展開するのだが、この二つがいつか結びつくのか?とは読んでいて気づかなかった。 しかし不思議な話である。 この作者はいつもこんな作品を書いているのだろうか? この作者のファンというのは、こんな作品が好きなのだろうか? ちなみにプロメテウスというのは、人類に「火」を教えてしまったため、神様から罰として死ねない体にされた上に木に貼り付けにされて、毎日鷲に肝臓を食べられているにもかかわらず行き続けていた土星の神様らしい。今でも生きているのか?(笑) この死刑囚も死なないのだが、その描写がすざましい。体中を癌に侵されて、無事なのは脳みそと目玉だけ。体中からうじがわいていて、口をあけても中からうじが出てくるという状態。ただアメリカは人権運動が盛んなので、このような状態でも安楽死はさせられないらしい…。この描写を読むだけでもこの本の価値はあるような…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いずれ全国区レベルの作家になりそうな著者の待望の初長編……なのだが。うーん、困った。ネタは二十年前のB級ホラーのようだし、タイトルのセンスはさらに三十年逆行している(デビュー作もタイトルと装丁で損している)。正直、膨大な新刊が並ぶ書店で、これを誰が手に取る? 出版社はもうすこし、戦略を練って欲しい。 デビュー作における、戦時中の疎開先で描き出される焼けつくような夏の空気感と、少年たちが抱える焦燥感が肌身を通して、リアルに伝わってくる筆力は、おどろくほど影を潜め、冒頭から説明過多な、ごつごつしたリズムの悪い文章に気をそがれる。 幼女殺害で死刑が執行された男は、なぜか死なず、五十年以上の時を経て、醜い肉塊同然に成り果てた現在もまだ、生存している――そこに、海を隔てて、ふたりの精神科医がかかわる。 ずぼらでのろまなタイプと、理詰めでドライなタイプというヒロインを含めて、いずれのキャラクターも、類型的で顔が浮かんでこないキャラばかりで、会話になると誰がしゃべっているのかわからなくなる(視点が変わった際、うまく脳内で切り替わらないことがしばしば、あった)。陰影が深く、息づかいさえ伝わってくる『夏光』の主人公らに比べると、いちじるしい後退だ。 また男のキャラは無能か、醜悪な人間しかおらず、ミステリー的に見れば、たいしたことのない謎を、誰も解こうとしないため、自動的にヒロインにその役目が回ってくる。といっても、メールのやりとりだけで、ヒントは次々飛び込んできて、本人は自宅と仕事場の往復ばかりで場面転換はほとんどない。動きにとぼしいぶん、サスペンスに欠け、先への期待が一向に高まらない。 死刑囚が収監された部屋における描写も、紋切り型の連発で(死臭という言葉が繰り返される)『夏光』の五感を 刺激してくる喚起力はなく、場面におけるキモとなるヒロインが死刑囚にナイフを差し込むところも、B級映画的でチープな感触しか与えてこない。そのため、テーマ的には神話的なモチーフを扱った深遠なものになるはずが、上滑りしている。そもそも、コンビニの年齢認証システムで30〜50代のボタンを押されるのが気になってしょうがない(くどいほど繰り返される)涼子や、ただすっきりしないから、とりあえず片づけておくかといった風情の祐美といったヒロインふたりにとって、肝心の謎そのものが、どこか他人事のように感じられ、結果、衰えが目立ちはじめた女ふたりが友情を勝ち得るというありふれたオチに収斂し、神話的モチーフと交わることなく分離したまま終わる。 表現についても一行で済むところを三行、四行とつづけているところも目につき、文章がリズムを生み出さず、冗長だ。東野圭吾のそぎ落としたストイックな文体を見習ってもらいたいとも思った。 散々、批判ばかり描いたが、一読して感じたまっさらな感想で、それだけ失望が大きかったことを物語っている。それも作者への期待の裏返しからくるものだ。 傑作をすでに世に出してしまった作家には、もはやレベルを下げた作品は許されない。期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『夏光』で圧倒的なデビューを果たした著者による 初の長編小説。 決して死むことのない死刑囚と 奇妙な発作を起こす少女。 一見なんら関係もないようで、 実は不思議な因縁で結ばれた両者。 かつて同級生だった二人の心理カウンセラーが 二人の間で複雑に絡み合った糸を解きほぐすサスペンス(&ちょっと百合?)風味の作品です。 国境はおろか科学と宗教、此岸と彼岸の境界をも越境する 壮大なストーリーもさることながら、 本書で大きく目を引くのは 西尾康之さんの『Drawn The Sands』を用いたカバー。 打ち上げられ死にかけている人魚のオブジェが 本書の内容と相俟って 類書にはない、独特の風味をかもし出しています。 映画の原作になりそうな感じの、 エンターテイメント性に富んだ作品なので 表紙にギョッとした方も気軽に読んでいただければなぁと思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!