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渇水都市
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渇水都市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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江上さんと言えば、銀行や金融関係の内部情報に精通し(当たり前ですが)、その中で展開する人間関係の描写がフィクションにしてもノンフィクションにしても実に生き生きと、あるいは生々しく紡がれています。 今回の作品は、「水」という人間の生活に必須な物質であり、安全保障上や戦略的物資としても重要な題材として物語を展開していく。 奇想天外な部分もあるが、現実問題として「水」を取り巻く世界の環境はすでに経済として捉えられ、水を征服するものが世界を支配する可能性すら示唆されている。だから水源や水源涵養林、さらには森林が投資や投機の対象になっているのだろう。 江上さんはそんな現況を捉えながら、近未来を見据えて、水をめぐる紛争を東京のある地域で起こる水不足と原因不明な疾患という文脈のなかで権力と対峙する勢力を主人公を設定して展開する。 人間の生命の根源を成す「水」それを取り巻く人間の欲望、権力、愛情、そこに読者は何を読みとるのか、それが江上さんの投げかけた問いなのだろうか。 | ||||
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北東京市を舞台にした2040年の水道事業を近未来小説で仕上げたSF作品。 財政難に喘ぐ自治体は地方自治が行う水道事業を民間に委託した。 しかもその民間は世界最大規模の水道事業者。 電力と同様大事業者には安く一般家庭には高額な料金体系で市民の生活を圧迫している。 ここまでは良いが後は空想小説でオモシロオカシク展開し水道を市民の手に取り戻す内容。 2040年の物価がどの程度かが全く分からないので、作品中の水道料金が果たして高いか安いか全くわからない。 また本自治体以外の水道のあり方などの比較がないためいくら空想とはいえ切実感がなかった。 一般文学通算1037作品目の感想。2015/06/01 19:00 | ||||
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こんなに面白くない小説は久しぶりです。 ストーリーはもちろん、言葉選びにもその組み立てにも文章にもセンスが感じられない。 どういう種類の志を持って書かれたものなのかわからない。 これを読了することと、褒めるポイントをが見つけることは大変困難と言わざるを得ません。 こんな内容でも出版してもらえるなんて…。 | ||||
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近年まれに見るひどい中身。馬鹿馬鹿しくて途中で何度も読むのを止めようと思いました。リアリティーも何もあったものではありません。かといって劇画にもならない。こんな本を出版すべきではないと思います。 | ||||
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古くは堺屋太一氏の「油断!」など、資源が危機的状況に陥って…などの作品はありましたが、ここまでご都合主義の作品は見たことがありません。 主人公の正体に至っては噴飯ものです。 いまどき、「テレパシー能力(笑」とか「心を合わせるんだ!」とか、ギャグで書いてる風にしか思えません。 とどめは某宇宙戦艦アニメの必殺武器「波○砲」!も、もうやめて(笑 小学生低学年の少年少女に「水って今大変なことになってるんだよ」って教えるきっかけにはなるかもしれません。 | ||||
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2050年には、中国が世界第一の経済大国になっているだろう。 これは、エコノミストや投資専門家の多くが指摘する未来予測である。 この小説の時代は2040年。場所は、仮空の北東京市。「官から民へ」の流れに従い、民営化された水道事業をフランスのWE社が牛耳ろうとしている。WE社は、あこぎな手段を使って、水道事業の世界制覇を着々と進めつつある。 その頂点に君臨するのが、ワンという中国人だ。この設定も、中国人が世界経済の支配者になっていることを示唆している。 物語は、青斑病という謎の病いがはびこる中、海原剛士が死魚の調査に赴いたダム湖で渦にまきこまれ、「水の国」に到達する。そこで彼は、思いもかけない身分を告げられ、新たな世界が回り始める……。 卓抜な設定、ツイストの効いたプロット、ロマンに満ちた登場人物の行動が魅力的だ。随所に経済問題や水事業に関する作者の創見が散りばめられていて、興味深い。 この小説は近未来SFという見方もできるが、私はむしろミステリアスファンタジーとして読んだ。モーツァルトのオペラ「魔笛」を連想するからだ。 深刻なことを決して深刻ぶらずに、さらりとファンタジーの様に楽しませる。それでいてサプライズに満ちている。ここに、江上氏ならでは、周到なレトリックがある。考えぬかれたすばらしい小説だと思う。 巻をおいて、ふと冷静になったとき、これからの時代、水を大切にしなければいけないと思うのは、私だけではあるまい。 | ||||
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既に始まっているといわれている水戦争について、 どのように臨場感あふれる作品に仕立てているか を期待して読み始めた。 しかし、期待は裏切られた。 現実のデータもいくつかは反映されているようだ が、ストーリーはおとぎ話のように進む。 問題認識はされているようだが、自身の解決策を 提示することなく物語りは終わってしまったよう だ。 現実の問題を近未来に反映させた作品として、森 氏の「東京スタンピード」や中村氏の「シカゴファ イル2012」を読んでいたので、水問題をどの ように料理してくれるかを期待したが、残念な結 果となった。 | ||||
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これまで江上氏は自身の経験の株主総会、合併、人事抗争、金融検査、その他、銀行に関わる題材をこなしてきた。あり得ない設定や、あまりにリアル過ぎる設定に、いかがなものかと思いながらも読んできた。その双壁が「円満退社」のドタバタ劇と、「合併人事」の29歳総合職女性行員の物語であった。その後「いつもそばにいるよ」という全く銀行を離れた題材に新境地を垣間見た。とは言っても、どうも映画「Ghost」を思い浮かべてしまう。そして今般「渇水都市」という新作に接し、「円満退社」「合併人事」「渇水都市」と不作三役揃い踏みと相成った。設定、展開は不快である。舞台は財政の極端な悪化に悩む北東京市。そこにフランス資本の水道事業のグローバル企業、WE社が日本に上陸する。どこの国も自治体は財政難から水道事業を民間に委託するようになり、WE社は各国政府に取り入り、その国の水道事業を一手に引き受け始めた。アジアにも進出し、中国で成功し、日本に触手を伸ばす。そして水道事業の民営化を模索する破綻都市の北東京市は全てをWE社に任せる。この設定自体に呆れ返る。またCEOはワン・フーという華僑だ。その秘書がタン・リーだ。斯様なワンだタンだという名に日本の水道が管理されるストーリーに途中で読むのを止めた。そもそも数十年先の隣国は瓦解している。江上剛氏は新境地を開拓するにしても、より現実的な企業小説を書くべきだ。むしろ「Moratorium」法に関連するような零細・中小企業小説を書いた方が江上氏らしい良い作品になるはずだ。 | ||||
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これまで江上剛さんの作品は全て読んできました。 金融と人物描写の秀逸さは、他の金融小説とは比べようもありません。 その江上さんが本作では近未来小説に挑戦したようですが、 正直がっかりしました。 安易な人物設定といい、登場人物が用いる言葉の軽さといい、 せっかく購入したハードカバーも読み進めるのに時間がかかりました。 著者としては、新たな境地に踏み込まれた意欲作だったのかもしれませんが、 ファンとしては正直、残念な気持ちでいっぱいです。 これまで、著者の作品を常に内容を立ち読みすることもなく、 自宅に持ち帰るまで我慢できずに、近くの喫茶店で読み始めてしまう楽しさが あったのですが、今後は店頭で検討してから購入する必要があると感じてしまう ほどの「駄作」でした。 編集者の方も、きちんと著者と向かい合って、せっかく新たな分野に踏み込む のなら、それなりのフォローをすべきではなかったでしょうか。 | ||||
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金融・経済小説で有名な著者の新境地開拓の作品です。 これまで江上作品を読んでいる人でも 何も知らずに読むと驚くかもしれない近未来SF小説。 江上作品には必ずと言っていいほど著者の実体験からくる 核心の一言が散りばめられていますが、それは今回も健在です。 ふとしたキッカケから大きな使命を担い、期待を一身に背負うことになる主人公。 ----------------------------- 人生には、他人から本当に信頼され、あなたについていくといわれる事態が、 一度や二度はあるに違いない。その時、逃げ出してしまえばそれっきりだ。 しかしその信頼を受けとめたら、違う人生が開けるのだ。 どんな結末になろうとも、自分は自分の役割を果たし、 人々の信頼に応えたと自信を持って言い切りたい。それさえできれば満足だ。 ----------------------------- この主人公の一言を読むと、 著者自身が銀行員時代に大事件の渦中にいたにも関わらず、 困難から逃げずに突き進んできた信念を感じます。 江上剛の挑戦を感じる本作、お薦めです。 | ||||
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