空想探偵と密室メイカー
評判
空想探偵と密室メイカーの評価:
4.00/5点 レビュー 5件。 C ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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空想探偵と密室メイカーの評価:
4.00/5点 レビュー 5件。 C ランク
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本作品は、題名に「密室」と付いていることから、密室殺人を扱ったものであることは想像できます。
しかし、私は、特段、密室殺人に期待して読み始めたわけではなかったのです。
ところが、思わぬことに、これがよく出来た密室ミステリでした。
2011年というごく最近に、これほどの「密室ミステリ」の進化系が生まれていたとは、意外な収穫です。
本来、私が本作品を手に取ったのは、その風変わりな設定からでした。
今では古典と呼ばれるミステリに登場した名探偵たち。
彼らを「空想」し、会話できる女性、雨崎瑠雫と、その「空想」を感じ取り、名探偵たちと会話もできてしまう(つまり、瑠雫と空想を共有できる)青年、宇都木勇真。
このふたりが、密室殺人事件に遭遇し、「空想探偵」を操りながら、謎に迫る──というお話です。
この「空想」という一種の超能力めいたものが、著者のデビュー作である「キョウカンカク」で題材となった、その名も「共感覚」という特殊能力に通じるところもあって、そうした一風変わった設定から紡ぎ出されるストーリーを楽しめたら…というのが、当初の狙いでした。
実際、ジョン・ディクスン・カーの創造したフェル博士の「空想」とともに、「密室講義」を駆使しながら、密室の謎を解くシーンなどは、その趣旨にかなったもので、物語前半はそれなりに楽しむことができたのです。
ところが、後半に入って、予想外の展開があり、「単なる密室ミステリ」でないことを窺わせる、著者の企みが明らかになってくるに従って、「こんなアプローチもあったのか」と感心することしきりです。
もともと、ジョン・ディクスン・カーの諸作を読み漁っていたうえに、数か月前に、「哲学者の密室」(笠井潔)という上下巻合わせて1000頁ほどもある「密室超大作」を読んだばかりだったので、しばらくは、優れた密室ミステリには出会えないと思っていたのですが…。
何とも嬉しい、見込み違いでした。
なお、作品の冒頭で紹介されていたアガサ・クリスティの「ポアロのクリスマス」。
未読ですが、秀逸な密室ミステリのようですね。
今度機会をみて、読んでみることとします。