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子犬のように、君を飼う



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【この小説が収録されている参考書籍】
子犬のように、君を飼う (光文社文庫)

子犬のように、君を飼うの評価: 2.30/5点 レビュー 10件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

読後感のすこぶる悪い作品

大石作品は、その取り扱う内容にもかかわらず、不思議と読後感が悪いと感じることがあまり無かったのだが、この作品に関しては、読み終わるといつまでも不快さとムカツキが尾を引いた。

ムカムカとした腹立ちは読んでいるあいだじゅう続き、そして、男が娼婦のガキを日本に連れ帰り、マカオでの絶望生活から救ってやるという一見ハッピーエンド的な結末に至ってみても、イヤな気分は一層、増すだけだった。

それは、二人の関係が、最初から最後までお金を間にはさんだものでしかなく、金によってしかつながっていれない関係だからだ。

これから二人で日本での生活をスタートさせてみたところで、うまくいくとはどうしても思えず、二人の前途に立ちはだかるあまりに困難な未来に、暗澹たる気分になるばかりだ。

きっとこの、あまりにも幼なすぎる娼婦のガキは、日本で平穏な暮らしをはじめてみても、男によって地獄から救われたことに感謝をしながらしおらしく生きていくということなどできもせず、男とマカオの高級ホテルで暮らした2週間にわたる贅沢三昧の生活ばかりを思い出しては、つまらぬ制約ばかりの日本での日常の中で、次第に男を恨み、憎んでいくことになっていくだけのような気がする。

不甲斐ない日本人のモテない男と、「貧困」という絶望的な恐怖にあえぐ幼い中国人娼婦の少女の、マカオというグロテスクな「富」を背景にした、何ともやりきれない話だ。
子犬のように、君を飼う (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:子犬のように、君を飼う (光文社文庫)より
4334745288

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