影武者徳川家康

評判

影武者徳川家康の評価:

4.48/5点 レビュー 147件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全137件 101〜120 6/7ページ
No.37
(5pt)

不思議なくらい。

徳川家康影武者説って結構有名なところですね。どの小説を見ても記載が
あります。漫画家の小山ゆうの「あずみ」にすら、秀忠に殺害される影武者が
描かれています。表に立っていたのはすべて影武者だったと言う人すら
拝見したことがありますね。その死因が天ぷらではないというのは、少し
歴史小説、他の関連を読めば分かるくらいで、どれを信じればいいのか
分からない。それが戦国時代だと思います。

 あまりにも大胆。あまりにも勇敢。その影武者が仕切っていた時代を最も
早く設定、話をスタートさせる。隆慶一郎ならでは、と言ったところだと
思います。

 これも有名なお話ですが、実際に政治的手腕を発揮していたのは天海で、
その人自体が明智光秀なんではないかと言う、もはや訳の分からないお話
すらあります。
 影武者の真のBrainは天海。本当の軍隊は道々の輩。影の大奥。すべての
要因が作り出す壮大な冗談が、現実のものになっていく。

 歴史とは、解釈であって、他の物理、化学、数学なんかと異なり、証明の
手段を持たない。それが基本的な主張であり、こんな冗談があっても
いいだろうと言うくらいのスケールです。一行一行に驚きが隠されていて、
上中下とかなりの長編ですが、これもあっという間でした。

 大奥と初めて見える二郎三郎。秀忠を徐々に翻弄していく二郎三郎。
読みどころは満載です。徐々に魅力的になっていく二郎三郎に、魅せられて
いく隆慶一郎の去りがたしと言った終わり方がまた読者の共感を
呼ぶのでしょう。

 隆慶一郎自身は、影武者説に実は半信半疑なのではないかと思える節が
他の作品でありますが、それも良しでしょう。

 最高の作品の一つとしてお勧めします。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.36
(5pt)

自分が死ぬことを勘定にいれずに、今やるべきことを即やる。

隆慶一郎の作品は、Byカスタマーさんのレビュー《作中では、身震いするほど魅力的で人間味あふれる漢(おとこ)達とともに苦悩し、歓喜し、何度も涙しました。》のように大きな感動があります。命知らずの、死ぬことを屁とも思っていないようなみごとな男の生き様があります。

 私は、小学4年生のとき、国語の教科書で、ひとつだけ解らないことがありました。それは、宮澤賢治の最期の様子でした。


 病気で寝ていたときに、ひとりの農夫が肥料のことについて たずねに来ました。賢治の病気がたいへん重くなっていることを知っている うちの人たちはことわろうとしました。しかし賢治はせっかくたずねてこられたのだから、と言って、ねどこから起き上がると、一時間にもわたって、ていねいに教えてあげました。
次の日の昼すぎ、賢治は、安らかに息を引きとりました。


 小学校の担任の先生は、ここは無理して応対せず、ゆっくり休んで病気が良くなってから教えればもっと沢山の人に教えられるのだから断るべきだった、と言ってました。そのときは担任の話に一応納得していたのですが、心に引っかかるものがあり、二十才の頃、ともかく、そういう生き方をした人がいたことを、心に留めておこうと思いました。でも、宮澤賢治の行動の意味はわかりませんでした。

 そして、小学四年生のときから数えて四十数年後、隆慶一郎のメモに、これから書く予定の小説があって、その中に宮澤賢治の名があったのです。

 このとき初めて宮澤賢治の最期の行動の意味がわかったのでした。賢治は隆慶一郎の描く小説の命知らずの主人公たちと全く同じだったのです。自分が死ぬことを勘定にいれずに、今、どうすべきかを即やっていたのです。 みごとな生き方だったんだなと思いました。

 隆慶一郎の作品に感動した方々に是非とも紹介したい本があります。「般若心経物語」です。この本の作者は、好きな小説家として、隆慶一郎と中島敦をあげています。この本は宮澤賢治の「眼にて云ふ」の詩の中の《きれいな青ぞらとすきとほつた風》を中心として、様々な先達の生き方や物語が書かれています。隆慶一郎がシナリオをかいた、映画「にあんちゃん」の原作、小学生の日記「にあんちゃん」のお話も出てきたりして慟哭します。隆慶一郎の書いてきたことと共通する大切な何ものかがあります。

 影武者徳川家康のことを具体的に書かないでしまいましたが、隆慶一郎の作品に大きな感動を頂いた私としては、なんだか書いたも同然な気分になってしまいました。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.35
(4pt)

アクションから知的バトル、そして仲間

柳生の攻撃に対するアクションのハイライトは(中)で終わってしまったので、後はあまり面白くないのかな、と思ったがどうしてどうして、ここでは静かだが智謀のやりとりが面白い。予想されるように、中心テーマは大阪の陣。猿飛の登場などもパンチが効いている。ただ真田幸村のその後の扱いはやや物足りなかった。最後に向けて、仲間内の和みはこの作者の持ち味でもあるが、(上)のレビューにも書いたように、個人的好みからすると、この辺は何か面映くもあって微妙なところだ。
あとがきの詳しすぎるぐらいの解説を読むと(縄田一男)、作家が本気で影武者家康説を信じていて、それに基づく事実としての歴史小説を構築したことがわかって興味深かった。

影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)より
4101174172
No.34
(4pt)

+アクション

予想通り、ここへ来てからは柳生と風魔+武田忍者の忍者合戦というアクションの比重が高まって楽しい。まさか柳生兵庫が出てくるとは思わなかった。しかしアクションを除くと歴史の記述のようでやや退屈か。

影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)より
4101174164
No.33
(5pt)

人間を描く魅力

面白い。これまで『吉原御免状』のシリーズ、『一夢庵風流記』、『捨て童子松平忠輝』など読んできたが、間違いなくこれが作者の最高傑作だろうと思う。
 作者は時代小説のかつての大御所の一人。時代小説といえば、どちらかというとニヒルなハードボイルドが主流かという気もするが(最近はまた違う感じだが)、この作家には一種大らかなロマン主義があって、読者によってはそれが魅力だろう。ここでも、他の作品に共通して登場する「道々の者」と呼ばれる自由人たちや、その自由な独立国のモチーフなどにそうした面は現われていて、作者の嗜好がよくわかる。個人的にはハードボイルド趣味なのか、これまでは、それなりに楽しみながらも、やや物足りなくもあった。が、この作品ではそうした好みの問題以上に、プロットのスケールの大きさと厳しさとが際立っていて、それが読ませる。
そのプロットとはいうまでもなく家康が途中から影武者だったという着想である。題からしてすぐわかるわけだが、どういうわけか、この点にはあまり興味を覚えてこなかった。奇想天外すぎて面白さの質まで思いが至らなかったせいか。だが影武者が入れ替わるとすると、そこには困難の大きさと、それを乗り越えていくことのとんでもない冒険性がある。それはたとえばル・カレなどの上質のスパイ小説にも似ているように思うが、国の命運を左右するスケールと、政治的駆け引き、陰謀策謀渦巻く知的なバトル、そして直接の暴力的なアクション、秘密に絡む複雑な人間感情と心理、などが複雑に錯綜してくるわけで、これが面白くないはずはない。
 多少歴史解説めいた中盤がやや刺激を欠くものの、特に最初のほうは面白い。人物の言動とその描写からにじみ出る人間自体をこれほど楽しめる小説を読むのは久しぶりだ。いわば人物の一挙手一投足が、人間というもののの様々な味わいを描き出すためにある感じ。
 なお、家康を影武者とするのは、作者の単なるアイデア上の離れ業ではなく、どうやら史実に照らして本気で信じているらしいのもわかった。この種の歴史秘話としては、宮本武蔵複数説や、チンギスハン=義経説が有名だが、ここではそうした仮説自体が、謎解きや材料としてよりも、そのまま小説の核として具現しているのがすばらしいと思う。

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.32
(5pt)

影武者徳川家康上・中・下

以前映画で、関河原の戦の最中、家康の首が切られて飛ぶシーンを観ました。題名を忘れてしまったので、本で読みたくなりました。これは素晴らしい力作です。なるほどと思います。上中下と長いですがおすすめです。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.31
(5pt)

完全なるフィクションなのだが・・・

(上巻)の前半から完全なるフィクションが展開される。だが史実と整合性が取れている場面があるから、あり得るかもしれないと何度も思わせるほど説得力ある。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.30
(5pt)

おもしろ過ぎる!

家族中から薦められて、昨日から読み始めてますがおもしろすぎます!今まで読んだ歴史小説のどれよりもお気に入り!!まず、着眼点がすごい!しかもものすごく説得力あります!登場人物も個性的で魅力的ですし、生き生きしてます。あたし的には忍びの六郎が1番好きです。強くてかっこいいんですが、かなり天然ボケなところがツボにハマった。忍びなのに喜怒哀楽がはっきりしてて、びっくりしやすいところがカワイイです!漫画版とか出てるらしいですが不要じゃないかな。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.29
(5pt)

最後まで目が離せない

同名の週刊少年ジャンプ掲載の漫画から、この作品にたどり着きました。 しかし、原作のほうがはるかに奥深く、もっと大勢の人に読まれるべき存在だと思います。人間の持つ知恵の凄みというものが実感できる作品です。 数奇な運命というものが、人をいかに成長させ変化させていくのか。もっといえば、立場という物が人に与える影響の大きさを知ることが出来ました。 漫画の方は、「花の慶次」にくらべて、今ひとつの感がありましたが、原作はこちらのほうが重厚です。痛快さよりも、したたかさ、しぶとさがメインになっているところが、なかなか味わい深いです。 ただ、男が男に惚れてしまうような良い男ぶりや、敵役の女々しいまでの卑劣さ、そして女たちの妖艶さは健在です。人間を描く天才、隆慶一郎氏の世界を堪能してみて下さい。
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)より
4101174172
No.28
(5pt)

作者の思考力の奥深さに驚嘆

同名の週刊少年ジャンプ掲載の漫画から、この作品にたどり着きました。 しかし、原作のほうがはるかに奥深く、もっと大勢の人に読まれるべき存在だと思います。人間の持つ知恵の凄みというものが実感できる作品です。 数奇な運命というものが、人をいかに成長させ変化させていくのか。もっといえば、立場という物が人に与える影響の大きさを知ることが出来ました。 漫画の方は、「花の慶次」にくらべて、今ひとつの感がありましたが、原作はこちらのほうが重厚です。痛快さよりも、したたかさ、しぶとさがメインになっているところが、なかなか味わい深いです。 ただ、男が男に惚れてしまうような良い男ぶりや、敵役の女々しいまでの卑劣さ、そして女たちの妖艶さは健在です。人間を描く天才、隆慶一郎氏の世界を堪能してみて下さい。
影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)より
4101174164
No.27
(5pt)

滅びの美学に酔う

終焉に向かって動き出すチーム二郎三郎。歴史の流れに最後まで抗う姿に、隆慶一郎の「滅びの美学」を見た。読めば読むほど、これが歴史の真実ではないかと思わざるを得ない。小説はかくあるべし。最後に、本書の装丁に賛辞を贈りたい。色使いも落ち着いており、イラストはまさに影武者を思わせる。こんなに小説の内容とあっている装丁はめずらしい。
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)より
4101174172
No.26
(5pt)

先が読みたくて・・・

とにかく先が読みたくて仕事も手につかないほど面白い。きまった史実の中で、チーム二郎三郎はどう泳いでいくのか。そして、大阪の陣へどうなだれ込んでゆくのか。非常に楽しみである。この人の作品には、人間 隆慶一郎の世界観が随所に現されており、あー、こういう人だったんだなぁと思うと、短い作家生活が惜しまれる。
影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)より
4101174164
No.25
(5pt)

わくわくする

小説はもちろんうそっぱちだ。だけど、こんな嘘をついてほしい。こういう胸がわくわくする嘘を。この先の展開が非常に楽しみである。この人の小説って、本当に面白い。まさに作家っていう感じがする。急逝が惜しまれる。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.24
(5pt)

もの凄く奥の深い作品でした。

同名の週刊少年ジャンプ掲載の漫画から、この作品にたどり着きました。しかし、原作のほうがはるかに奥深く、もっと大勢の人に読まれるべき存在だと思います。人間の持つ知恵の凄みというものが実感できる作品です。数奇な運命というものが、人をいかに成長させ変化させていくのか。もっといえば、立場という物が人に与える影響の大きさを知ることが出来ました。漫画の方は、「花の慶次」にくらべて、今ひとつの感がありましたが、原作はこちらのほうが重厚です。痛快さよりも、したたかさ、しぶとさがメインになっているところが、なかなか味わい深いです。ただ、男が男に惚れてしまうような良い男ぶりや、敵役の女々しいまでの卑劣さ、そして女たちの妖艶さは健在です。人間を描く天才、隆慶一郎氏の世界を堪能してみて下さい。
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4101174156
No.23
(4pt)

惜しいところ。

題材といいキャラの立ち方といい話の引っ張り方といい、文句なしに面白いのですが、惜しいところもありました。男性キャラはみんなイキイキしているのですが、せっかく家康の側妾をどうだまくらかすのかといった見所なのに、女性たちが何も抵抗なく二郎三郎を受け入れてしまうところとか、気が強いと何度も書かれているお梶の方の気の強さが逸話として書かれていないので薄っぺらな感じがしました。女性作家の方がその辺は得意そうですね。一向一揆について小説にしては詳しくて、私には面白かったです。小説なのに作者の意気込みが強すぎて話が脱線していくというのは、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』にも顕著です。偽家康を亡き者にしようとする秀忠・宗矩ペアの飽くなき挑戦と、二郎三郎・風魔衆側との攻防は面白くて途中でやめられません。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.22
(5pt)

幸せでしたわ…

故・隆慶一郎の代表作。エンターテイメントとしての完成度を歴史書の衣裳で包んだかのような仕上がり。読み終えたときの、熱く静かな充実感は、傑作ならでは生まれ得ぬものでしょう。一つ一つの言葉の選び方・遣い方、特に台詞は秀逸。ラストのお梶と二郎三郎の台詞は、脚本家・池田一朗の面目躍如といったところです。
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)より
4101174172
No.21
(5pt)

キャラ立ち抜群の時代小説

時代小説なんてほとんど読まない私でも、怒涛のごとく読み切ってしまいました。上・中・下巻の大作ながら、そのボリュームがまったく気になりませんでした。実はこれが影の史実なのでは?、と思い込んでしまうほどの描写。主人公・二郎三郎と、それを取り巻く数々の魅力的な脇役たち。特に二郎三郎は影武者ながら、自分を含む“道々の輩”のためのユートピアを作り上げることに心血を注ぎ、今時の施政者ではまずありえないよなぁ、と思わず考えてしまいます。作者が、すでに鬼籍に入ってしまったのが悔やまれます。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.20
(5pt)

これこそ

これこそ歴史の真実では、と思えるくらい、すばらしいストーリー展開。キャラクターも秀逸で、私の中の秀忠像と三成像が変わってしまいました。群馬県の太田市には、東照宮のあるところに世良田、徳川という地名があります。興味のある方、行ってみては?
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)より
4101174172
No.19
(4pt)

衝撃的大作!

関ケ原の合戦以降の徳川家康は影武者で,二代将軍秀忠との間で凄まじい暗闘が展開されていた,という大胆で壮大な構想に基づき,影武者家康の死までを描いた,衝撃的な大作.『徳川実紀』などいくつもの史料に照らされながらの内容は史実と思えるほどで,本当に影武者だったのではないか,と疑ってしまう.通説と異なる秀忠像,柳生像をはじめ,著者独特の漂白の民に対する考察なども新鮮で歯切れ良く,すばらしい作品だと思う.読み終わると,影武者家康がある種のユートピアを作ろうとした街,駿府に行ってみたくなる.ただ一箇所,上巻で描かれる影武者の若き日,一向一揆での活躍のくだりはやや冗長かも.でも,それを補って大いに余りあるお勧めの作品.
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156
No.18
(5pt)

歴史小説の金字塔

本作品は著者の出世作である。長編の本作品は家康があっけなく暗殺されるあたりから始まるところに驚かされる。そのための苦肉の策として影武者世良田二郎三郎が家康の身代わりになった。というより本当に家康に成り代わった。影武者家康自身も完全にその気になって采配をふるっているが、秀忠はその事を知っていながら事実を言い出せないもどかしさが面白い。その上、ようやく秀忠の時代が来ると思ったら、今度は影武者家康の大御所政治で秀忠を翻弄する。このあたりは少し笑ってしまった。著者は家康影武者説の証拠をいくつも挙げていて、なかなかリアルな印象だ。ただ、本作品は地方新聞の連載小説として掲載されたためか、作品全体の構成が少し緩慢になっている感を受ける。しかしこの卓越した着想が、その程度の事は凌駕してしまう。本作品は歴史小説界の金字塔だ。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)より
4101174156