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犬なら普通のこと
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犬なら普通のことの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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出版直後に買いながら、本棚の奥に放置されていた本でした。「あらくれ」をしまい込むときに発掘してようやく初読みとなりました。 たぶん、あの頃、悪党同士が殺し合って最後はほぼ全員が死ぬという傾向の本に飽きていたのだと思います。 古びてはいないけど、ウインズロウ的な作品を日本人が頑張って書いたという以上の意味も感じられませんでした。 | ||||
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ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんが以前エッセイで書いていた罵倒語を思い出した。 イモ、サバ、ジキコ、三流、サラリーマン これをバンマスに言われたら、クビだと言うのだ。 ジキコは乞食のことだろう。自分で何することなくお恵みを待つことの否定に違いない。 サラリーマンもそのニュアンスだろうか。 唯々諾々と組織に従う心性のことではないだろうか。 洋輔さんはバンドマンにとって、サラリーマンは複雑な思いを感じさせるものだと書いていた。 否定、羨望の両方がある、と。 その気持ちは僕にも分かる。 僕もまた似たようなことを思うからだ。 僕はサラリーマンと聞くと、直ぐに犬を思う。きっとネクタイが首輪をイメージするからだろう。 潤沢とは言えずとも、暮らすには困らない金があるとき、首輪のついた犬でなくてよかったと思う。 野良でよかった、と。 しかし明日どうしよう?という中で暮らしているときは、ご主人様から餌を貰えることを羨みもする。 野良の自分を恨んでしまう。 矢作俊彦+司城志朗『犬なら普通のこと』(早川書房)が上梓された。 HTbookCoverImage.jpg 暑熱の沖縄。ドブを這い回る犬のような人生。もう沢山だ―ヤクザのヨシミは、組で現金約2億円の大取引があると知り、強奪計画を練る。金を奪ってこの島を出るのだ。だが襲撃の夜、ヨシミの放った弾は思いがけない人物の胸を貫く。それは、そこにいるはずのない組長だった。犯人探しに組は騒然とし、警察や米軍までが入り乱れる。次々と起こる不測の事態を、ヨシミは乗り切れるのか。血と暴力の犯罪寓話。 この小説の「犬」とは、野良犬のことなのだろうか。 それとも飼い犬のことなのだろうか。 「犬にとっては普通なこと」とは、どんな汚いことでも飼い犬ならご主人様の言いつけなら当然という意味か。 野良ならばどんな目に遭っても仕方ないということだろうか。 そんなことを思いながら最後まで読み通した。 途中からはストーリー展開は予想できる小説だった。 でも、それは決して否定ではない。 寧ろどんな風に、この悲劇をまとめ上げるのか、救うのか…と思いながら読んだ。 矢作の作品だ。 虫けらみたいに踏み躙られてお終いということはないだろう。 ここで言う犬が、野良か飼い犬か、どちらだろう。 実際に小説の中でも、こんな台詞が出てくる。 「犬が噛んでいいのは飼い主の手じゃない。ドッグフードだけだって。君らはそう言いたいわけか」 「やめてくれよ。うちの国じゃ犬は大統領の娘がホワイトハウスで飼うものだ」 「いや。ここは君の国とは違う。犬はドブを這い回るんだ。やることはあまり変わらないけどね」 どちらだって構わない。犬は犬だ。 大きな組織の庇護の許、食い扶持には困らないが、手を汚し続ける犬がいる。 ドブを這い回り、虫けらみたいな踏み潰されるものの、明日を夢見る犬もいる。 どちらだって犬なのだ。 そんな犬に必要なものは何だろう。 やっぱり音楽に違いない。 彼らの魂を、そして出来ることなら僕の心を慰撫する撮りの羽のような音楽が欲しい。 そんな風に思いながら、僕は本を閉じた。 登場人物の一人、エリマキは言う。 男には二種類しかいませんよ、プロと馬鹿。 しかしエリマキを殺したヨシミはこう言う。 「男には二種類しかいねえよ」ヨシミは嗄れ声で言った。「死ぬ奴と笑う奴だ」 プロも馬鹿も、死ぬ奴も笑う奴も。 皆、その魂が最後には平安が訪れると良い。そう思う。 | ||||
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「暗闇にノーサイド」、「ブロードウェイの戦車」の名コンビが生んだクライム・アクション作品。 1970年代の東映実録やくざ映画を思わせるギラギラした雰囲気漂う力作に仕上がっている。 もともと矢作氏が映画のシナリオとして書いた作品なので、映画を思わせる表現が多いのも頷ける。 甘っちょろい小説が多いとお嘆きの方は、ぜひ一読を。 | ||||
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矢作・司城コンビだと矢作単独作品より舞台設定のスケールが大きく、アクションも多い、というのがこれまでの印象。今回の舞台は沖縄に限定されていて、その分、以前の作品より人物描写が細やかな気がする(、って、以前の作品のこと、あんまり覚えてないんだけど)。 例えば主要登場人物の名前。「ヨシミ」「彬」「森」「早枝子」、それぞれに曰くがあり、それがメインストーリーに挿入されることで、彼らが追い込まれる/突き進む心理にリアリティが出てくる。 本作を読んでいる期間にナンの意図もなく、たけしの映画「アウトレイジ」をDVDで見た。こちらもヤクザ同士の話で、追い込まれ/突き進み感も似たようなところがあるんだけど、登場する個々人の背景描写はなく、たけし独特のちょっとした“間”以外は息つく暇もない。そういう意味では本作は「ロマンチストなのかな?司城は」といったシーンがいくつかあって、ホッとする。ま、このへん、「ぬるいな」と思う人もいるかもしれないが、それは好き好きの範疇であって作品のテンポには影響していないように思う。 矢作ファンの延長線上で合作も読んでいる、というのが正直なところだけど、矢作作品は主人公を軸に話が進むので、本作のような複数の登場人物の視点で物語が進むというのはとても楽しめた。本作の後も合作が出ているようなので早期文庫化を切に望んでいる。 | ||||
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このミス2010で5位という事もあって購入しました。出だしから引き込まれる展開ではありますが、なにぶん 銃の描写や改造に関する知識がないと楽しめません。また、ところどころ海外翻訳小説か?と思える位にわか りずらい文章も多く、ちょっと長く感じてしまいました。 結末としてはとても楽しめる作品ですが、息をもつかせぬ展開があるかと思いきや、中だるみな部分もあり、 クライムノベル好き向きですね。ミステリーというよりエンターテインメントとして楽しめます。 | ||||
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このミス2010で5位という事もあって購入しました。出だしから引き込まれる展開ではありますが、なにぶん銃の描写や改造に関する知識がないと楽しめません。また、ところどころ海外翻訳小説か?と思える位にわかりずらい文章も多く、ちょっと長く感じてしまいました。結末としてはとても楽しめる作品ですが、息をもつかせぬ展開があるかと思いきや、中だるみな部分もあり、クライムノベル好き向きですね。ミステリーというよりエンターテインメントとして楽しめます。 | ||||
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矢作氏の本を読むのは、「暗闇にノーサイド」等角川三部作以来。 詳細なプロットは思い出せないが、主人公たちがやたらにカッコ良かった記憶が 鮮明に残っている。 本作は、馳星周あたりが描きそうなヤクザ、麻薬取引、騙し合いと言った ドロドロした話が、同氏特有というべきか、舞台を沖縄に設定したおかげか、 結構楽しく<カラカラ>と描かれており、一夜にして、これだけの人数が撃ち殺されたにしては、 読後感は悪くないです。 書評には、<先が見えない...>とかあったが、海外ミステリーなら普通にありそうな <主人公=分岐点に差しかかった中年男、の思惑から事態がドンドン離れていく> <坂道を転げ落ちる>話で、さほど強調されるほどでもないと感じた次第。 しかし途中,クスクス笑える所あり、銃撃戦は迫力あり、やけくその中年、若者の はじけぶり(この主人公二人の関係が「傷だらけの天使」の修と亨のもじりみたいな...) あり、最後のオチも用意されており、(後に特に残ることもないが、)それでも 十分なエンターテインメント小説として楽しめた次第。 (同氏の場合、題名に凝るようなところがあり、本書も題名で損している所は無いか?) ただ、登場する女性の話が悲し過ぎて、なんか救われない。矢作氏の 心境の変化か?昔なら早枝子なんか、もっと弾けて、公安の警官なんか 自身で撃ち殺してくれた気がするのだが...時代は変わる、矢作氏も 変わる、ということか...(昔の主人公たちの爽快さ、は間違いなく 消えたと思う。) ところで、副社長の柴田なんですが、この本を映画化するなら 岸辺一徳しか考えられないっーぐらい、似させていると思ったんですが、 如何です? | ||||
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矢作氏の本を読むのは、「暗闇にノーサイド」等角川三部作以来。詳細なプロットは思い出せないが、主人公たちがやたらにカッコ良かった記憶が鮮明に残っている。本作は、馳星周あたりが描きそうなヤクザ、麻薬取引、騙し合いと言ったドロドロした話が、同氏特有というべきか、舞台を沖縄に設定したおかげか、結構楽しく<カラカラ>と描かれており、一夜にして、これだけの人数が撃ち殺されたにしては、読後感は悪くないです。書評には、<先が見えない...>とかあったが、海外ミステリーなら普通にありそうな<主人公=分岐点に差しかかった中年男、の思惑から事態がドンドン離れていく><坂道を転げ落ちる>話で、さほど強調されるほどでもないと感じた次第。しかし途中,クスクス笑える所あり、銃撃戦は迫力あり、やけくその中年、若者のはじけぶり(この主人公二人の関係が「傷だらけの天使」の修と亨のもじりみたいな...)あり、最後のオチも用意されており、(後に特に残ることもないが、)それでも十分なエンターテインメント小説として楽しめた次第。(同氏の場合、題名に凝るようなところがあり、本書も題名で損している所は無いか?)ただ、登場する女性の話が悲し過ぎて、なんか救われない。矢作氏の心境の変化か?昔なら早枝子なんか、もっと弾けて、公安の警官なんか自身で撃ち殺してくれた気がするのだが...時代は変わる、矢作氏も変わる、ということか...(昔の主人公たちの爽快さ、は間違いなく消えたと思う。)ところで、副社長の柴田なんですが、この本を映画化するなら岸辺一徳しか考えられないっーぐらい、似させていると思ったんですが、如何です? | ||||
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沖縄を舞台に、うだつのあがらないヤクザが一攫千金を狙って勝負に出るが、計画は頓挫し、更なる混沌を招いていく、と言う話。アメリカ軍(ヤンキーマフィア)や公安警察も入り乱れ、ドラマは目まぐるしくラストに向かっていく。途中ダレる部分もあったと思うが、最後の壮絶な戦いがそれを打ち消す。沖縄を舞台にしたノワール小説で、この作家の本は初めて読んだが面白かった。銃の仕掛け等の描写も興味深かったし、アクション小説が好きならお勧めの作品。 | ||||
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沖縄を舞台に、うだつのあがらないヤクザが一攫千金を狙って勝負に出るが、計画は頓挫し、更なる混沌を招いていく、と言う話。アメリカ軍(ヤンキーマフィア)や公安警察も入り乱れ、ドラマは目まぐるしくラストに向かっていく。途中ダレる部分もあったと思うが、最後の壮絶な戦いがそれを打ち消す。沖縄を舞台にしたノワール小説で、この作家の本は初めて読んだが面白かった。銃の仕掛け等の描写も興味深かったし、アクション小説が好きならお勧めの作品。 | ||||
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『暗闇にノーサイド』、『ブロードウェイの戦車』、『海から来たサムライ』の角川3部作から25年。 そうか、そんなに経っていたんだなあ、という感慨で、一気に読みました。 『海から来たサムライ』は一昨年、『サムライ・ノングラータ』(同名のコミック原作があったけど)という名前でリライトされましたが、全く新しい小説での合作というのは、いつかは実現すると信じてきまものの、そろそろあきらめかけていただけに、今回『犬なら普通のこと』が上梓されたということを聞いただけで、魂が震えました。 でも、あまりに久しぶりだったせいか、最近自分が違う分野の本ばかり読んでいたせいか、読後感としては、ちょっぴりクラシックな感じが強いように感じられました。でも、もう一度読み返してみるつもりです。そうすると、じわじわわかってくることがあるかもしれないと思うので。 でも、自分の中では今年読んだ一番の小説にはなると思います。実は「悪党パーカー」シリーズを読んでないので、そちらのほうも、呼んでみたくなりました。 お二人の合作が、これからも次々と出されることになれば、ホントこの時代に生きててよかったぁ、とういうことになるのでしょうか。よろしくお願いします。 | ||||
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『暗闇にノーサイド』、『ブロードウェイの戦車』、『海から来たサムライ』の角川3部作から25年。そうか、そんなに経っていたんだなあ、という感慨で、一気に読みました。 『海から来たサムライ』は一昨年、『サムライ・ノングラータ』(同名のコミック原作があったけど)という名前でリライトされましたが、全く新しい小説での合作というのは、いつかは実現すると信じてきまものの、そろそろあきらめかけていただけに、今回『犬なら普通のこと』が上梓されたということを聞いただけで、魂が震えました。でも、あまりに久しぶりだったせいか、最近自分が違う分野の本ばかり読んでいたせいか、読後感としては、ちょっぴりクラシックな感じが強いように感じられました。でも、もう一度読み返してみるつもりです。そうすると、じわじわわかってくることがあるかもしれないと思うので。でも、自分の中では今年読んだ一番の小説にはなると思います。実は「悪党パーカー」シリーズを読んでないので、そちらのほうも、呼んでみたくなりました。 お二人の合作が、これからも次々と出されることになれば、ホントこの時代に生きててよかったぁ、とういうことになるのでしょうか。よろしくお願いします。 | ||||
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『暗闇にノーサイド』、『ブロードウェイの戦車』、『海から来たサムライ』を書いたコンビが25年ぶりに書いた合作ということで、読んでみた。 25年前は、冒険小説やハードボイルド小説、全盛期のころで、私もよく読んでいた。その後、矢作俊彦は路線変更ということで、ミステリから離れて行ったが、たまに読んでいた。 久しぶりに読んだこの作品は、正統的な犯罪小説。帯にはあのリチャード・スタークの「悪党パーカー」シリーズにオマージュを捧げる作品という記述があるが、うーん、そこまではいってないかな。 沖縄のヤクザ間の抗争、銃やクスリの密売、悪徳警官や米軍といった舞台仕立てはなかなかなもんなんだけど、どうもストーリーにも乗れず、登場人物にも感情移入できず、自分にとっては何か欲求不満が募る作品だった。 25年前ならともかく、ちょっと古いかな。でもコンビ復活は、素直に祝いたい。今後も出してくれるといいけど。 | ||||
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『暗闇にノーサイド』、『ブロードウェイの戦車』、『海から来たサムライ』を書いたコンビが25年ぶりに書いた合作ということで、読んでみた。25年前は、冒険小説やハードボイルド小説、全盛期のころで、私もよく読んでいた。その後、矢作俊彦は路線変更ということで、ミステリから離れて行ったが、たまに読んでいた。久しぶりに読んだこの作品は、正統的な犯罪小説。帯にはあのリチャード・スタークの「悪党パーカー」シリーズにオマージュを捧げる作品という記述があるが、うーん、そこまではいってないかな。沖縄のヤクザ間の抗争、銃やクスリの密売、悪徳警官や米軍といった舞台仕立てはなかなかなもんなんだけど、どうもストーリーにも乗れず、登場人物にも感情移入できず、自分にとっては何か欲求不満が募る作品だった。25年前ならともかく、ちょっと古いかな。でもコンビ復活は、素直に祝いたい。今後も出してくれるといいけど。 | ||||
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