浅草に天から降った死骸、天神坂に出現する髑髏、日本橋の橋上で人間消失―早稲田の不良書生・阿閉君が持ち込む、珍聞奇聞から選りすぐった「夭都東京」の七事件!サテ、下宿館主人の“縁側探偵”こと間直瀬玄蕃は如何にしてその綾を解きほぐすのか?近代化を遂げんとする昭和

血を吐く松。迷路での人間消失。

昭和初期、東京で相次ぐ猟奇事件。

「赤いマントと青いマント、どっちがいい?」戦中の東京中の少年少女を恐懼せしめた怪人・赤マントは実在したのか?『肉付きの面』『歌い骸骨』『魔女の箒』―「奇し物」の蒐集家たちが完全会員制「第四赤口の会」に集う。

「……り……に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。

目撃された殺人と消えた犯人、そして目の前を落下する女、鍵を飲み込んだ被害者に雪の足跡…いつの間にか現れた「彼」の前に開かない「扉」はない。

『日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか』――昭和九年の大晦日、銀座のバーで交わされる奇妙な噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。

幼い頃、引き取られた百巳家で蛇神を祀る奇習と怪異の只中に“私”は過ごす。成長した“私”は訳あって再びその地を訪れる。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。