円環
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あらすじ
北欧ミステリ界トップランナーの新境地!スウェーデン・ウプサラ市郊外の高速道路を走行中のBMWが、突然暴走し菜の花畑で炎上した。死亡したのは、運転中の大手製鉄会社幹部。一週間後、石油業界のキャンペーンを手がけていた広告会社幹部が第2の爆破事件で命を落とす。被害者はどちらも気温変動や環境破壊に関係していた。容疑者に挙げられたのは、15年前に先端技術の活用を拒否したがためにある誘拐事件の解決に失敗して辞職し、森で隠遁生活を送る元警部ルーカス・フリセル。当時の彼の部下で今は国家作戦局(NOD)の主任警部エヴァ・ニーマン宛てに、彼からと思われる犯行予告の手紙が届いていたのだ。エヴァは、立ち上げられた特捜班Novaの曲者たちを率いて事件の捜査にあたり、第3の事件を警戒しながらフリセルを追うが――。『時計仕掛けの歪んだ罠』で翻訳ミステリファンの度肝を抜いた、北欧ミステリ界のトップランナーが贈る驚愕の新シリーズ、ここに誕生!(「BOOK」データベースより)
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評判
円環の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
円環の総合評価:
6.00/10点 レビュー 3件。
感想一覧
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地球環境破壊の主犯と目される企業への爆弾テロが連続的に発生し、エコテロの犯行宣言のような文面が主人公の女性刑事に送られてくる。
実は、冒頭から文明を拒否して自然の中で生活を送る「プレッパー」(サバイバリスト)の元刑事が描かれ、彼が事件の容疑者としてストーリーが展開していくのだが、さすがにミステリーらしいひねりと企みが何重にも加えられていて、最後まで飽きさせない。
近年の流行なのか、問題を抱えた刑事たちの寄せ集めチームが各人の個性を発揮して活躍するスタイルとなっており、アフガン難民の刑事やHSP(Highly Sensitive Person)の診断を受けた刑事もいるのは、人種的多様性や移民問題、精神疾患への社会派的な配慮であろう。
ただ、最終局面で単独捜査によって真犯人を探り当てたソーニャ・リド刑事がその情報をチームに伝えずに単独行動に走ってしまう場面は、差し迫ったテロ防止の点でも自らを死の危険にさらした点でも重大すぎるルール違反であり、警察小説としては破綻しているのではないか。
ちなみに、ヨーロッパでは2010年代に入ってからイスラム原理主義などのテロが相次ぎ、テロが日常的な危険として感じられていることを背景として理解する必要がある。
「エコテロ」については、近年の芸術作品に対する汚損行為などが思い浮かぶが、こちらは人を殺傷しないし芸術作品を傷つけないように配慮しており、いわばデモンストレーションにとどまっている。本書のような多数の人を殺傷するエコテロの設定は不自然に感じる(テロの真の動機が別にあったとしても)。