手のひらアストラル
- 青春ミステリ (357)
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 青春はともかく,小粒で無理の多い謎に,『ミステリ』という言葉への疑問を覚え, 進路に悩む主人公の女子高生が,その中で自分を見つけていく流れになっていますが, 謎との絡め方も強引に映り,これなら普通に彼女たちの青春物語でいいように感じます. また,飾り気のある言い回しが鼻についたり,なじみの薄い,難しい漢字を使ったり, 『級友』と『クラスメイト』など,意図がわからない一つの場面での言い換えだったり, ミステリとしての弱さもそうですが,作風自体が今ひとつ自分には合わなかった印象です. このほか,シリーズの二冊目だそうで,そちらを知らずに戸惑ってしまったのは否めず, キャラクタや関係,前巻でのことなど,やはりそちらは読んでおいた方がいいようです. | ||||
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世界中の<闇>と向き合うような物語ばかりを読んでいると、その色彩は限りなく黒に近いグレイの奔流となって、溢れかえります。休息は必要なのだと納得させながら「手のひらアストラル "The Way She Goes"」(吉野泉 創元推理文庫)を読みました。五つの物語が収められた連作短編集です。舞台は著者が良く知っていると思われる福岡のどこか。主人公<吉野泉>は高校二年生。将来の進路を決める大切な時間。彼女はその高校生活の中で見ることになる、或いは感じることになる現象を探偵役=大学院生の飛木さんの力を借りて、解き明かそうとします。 (1)彼女たちの行方 「奇跡」は何色?公立高校の進路。同級生が落とした生徒手帳。その何故を解き明かす二人。論理と推理。デリケート・バランス。 (2)蟹使いのリベンジマッチ 音楽にも色はあるのだろうか?Q大学、オープンキャンパス。ロボット相撲大会。オランダの物理学者。問題はフェアに提示されている。 (3)夏休み明け前 「形がにているからこそ色も同じに見える」。「銀河鉄道の夜」。大学の付属図書館。大切なこれからの進路。<吉野泉>と飛木さんのダイアローグが素敵だ。そして、<吉野泉>と芽衣子の会話に、その暖かさにもらい泣きするところだった(笑) (4)手のひらアストラル 表題作ですが、おそらくこの作家にしか書きえない秀作だと思います。程よくバランスの取れた<吉野泉>の価値。 (5)黄色い駅へ 夢。黄色い駅で降りるはずの黄色い合羽を着た少年。そして、ふたたび「奇跡」は何色ですか? 「新参者」(東野圭吾)以降、連作短編集と言いながら、一つ一つの短編に仕掛けられた伏線が(5)で見事に収斂します。そして、表題作でもある(4)、そして(3)の推理とそれを裏打ちする透徹した感性のようなものがとても心地良いものでした。 言ってしまっていいのか、「臨床真理」(柚月裕子)、「読書嫌いのための図書室案内」(青谷真未)と同様のテーマが清冽な音楽のように奏でられていますが、中では本作が最もしっくりとおさまりが良かったと思います。 | ||||
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