魔物を抱く女: 生活安全課刑事・法然隆三
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①前回『ハーシュ』同様、倒錯エロスによる性的猟奇殺人がテーマである。超高級デリヘルが舞台になるが、こういう作品は下品な文体になりやすいが、著者の作品は格調高い文体である。そして、精神科医、一流会社課長などそれなりに社会的地位が高い人物が登場する。英文学者であり、大学教授でもある著者の生活も反映されているのだろう。 ②デリヘルの風俗嬢もまた昼間はCA、一流ゲーム会社課長など社会的地位が高く、東大経済学部や早稲田政経等一流大学在籍や卒業の高学歴者が登場する。しかし、風俗嬢に転落し、金目当てに生きている女性たちが登場する。高級デリヘルが超一流ホテルを利用しているのも面白い。普通は新大久保等のラブホテルが多く利用されているのではないか。製薬会社が接待用に医者を会社枠でデリヘル利用しているのも面白い。十分あり得る話である。 ③一方、この小説は本格的な警察小説でもある。最近のミステリー業界の傾向を踏襲している。本庁と所轄の主従関係や刑事の私生活も覗き見えるのも面白い。刑事の年若の精力旺盛な妻や囮捜査にデリヘル嬢に扮して命懸けで挑む女性警察官など、女性が小説のエロス的濃厚さを高めるのに貢献している。意外なのは、風俗業界に蔓延るヤクザが脇役に徹していることだ。 ④風俗取り締まりが職務の中年刑事と若いハンサムな警察官の凹凸コンビの活躍も面白い。続編にも期待したい。 どこまでも倒錯したエロスを追求するのは変態的であるが、低俗になりやすい風俗小説を格調高く仕上げるのは著者のミステリー作家としての力量である。 面白いので一気に読める。 今回もお勧めの一冊だ。 | ||||
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