真犯人の貌 川口事件調査報告書
- 虚実混交小説 (8)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
真犯人の貌 川口事件調査報告書の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実際に起きた不可解な事件(フィクション)の真相を追うジャーナリストが主人公。 作者得意のフェイク・ドキュメント。 2008年、八王子市で、一家が就寝中に、家族の誰にも気づかれずに寝室から若夫婦が忽然と姿を消す。しかし、寝室には致死量に匹敵する血液が残されていた。 そして、失踪した夫の実兄が逮捕されるが、裁判の末、無罪となる。 ジャーナリストの杉山は、裁判から疑問と不穏なものを感じて、事件の真相を追い続ける。そして徐々に真相に迫っていくのだが・・・ 作者には得意のパターンがあるようで、一人ではなく、家族が忽然と行方不明となる話もよく書かれている。そして、容疑者が同じ家族、というところも共通点だ。普通の日本家屋で誰にも気づかれずに若夫婦が連れ去られることが果たして可能なのか?とも思うが、歴史をたどれば実際にこういう事件もあったのだろう。 徐々に真相に迫っていく過程は非常に面白いが、またとても気分の悪いものだ。この作者の小説は下手なホラーよりもずっと怖い。 作者の小説で扱われる事件は、この本も含めて非常に残酷で凄惨なものだが、被害者も加害者も極めて一般的な社会生活を送る人間であり、特に被害者に突然降りかかる残酷な仕打ち、またそれに家族関係が絡んでくる様子は、胸が苦しくなるような恐ろしさを感じる。 殺人事件なんて起きると、マスコミに関係者が破滅に追いこまれるのを想像するのは容易いが、被害者も加害者もその家族や関係者すべてが、マスコミの餌食になるだけでなく、社会的にもそして自分の内面からも追いつめられ、破滅していくのだとあらためて感じた。 毎回、怖い思いをしながら、作者の小説を読むのは、ただの「怖いもの見たさ」かもしれない。嫌な気分が尾を引く小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謎は謎のままにしておくのが良い。犯人の貌(かお)はほぼ明らかになっているからだ。どうもこの小説は話が込み入っている。著者も書いていて、混あまりに乱したのではなかろうか?死んだ登場人物の一覧が最後のヒントである。殺された者。事故死した者。病死した者。随分と多くの人間が死んでしまうが、今回は謎のままの結末で良しとしたい。こういう結末のミステリー小説もあって良い。著者の作品には、登場人物の愛と憎しみには、恋愛が決定的に重要であることを示している。これが殺人事件の共通項である。曖昧な結末を埋めるのは、読者の想像力と推理である。紙を用意して書きながら整理してみるのが良い。お勧めの一冊だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本自体が、教師夫婦失踪事件、通称「川口事件」を追ったジャーナリストが書いたという体裁の フェイクドキュメント。前川作品でこの形式は、『死屍累々の夜』に次いで2作目となりますね。 死屍~は衝撃的で面白かったので、本作も期待したのですが、どうしても粗が目立ってしまい、 読後も余韻ではない「う~ん・・・??」というモヤが広がってしまった。 詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、事件の主犯は地頭が良いのに倫理観がぶっ壊れてる サイコパスなのに、犯行が極めて稚拙で運任せ。死屍~の犯人は、メチャクチャな大量虐殺を実行するも、 強烈なカリスマ性で、被害者も加害者もコントロールしていく様が非常にリアルなので、事件の流れも 納得しながら読み進められたのですが、本書の場合は犯人グループが1人でも裏切ったらアウトな犯行で あるにも関わらず、死屍~のような洗脳のプロらしさが伝わらない。なので、事件自体が計画通りに進み、 裏切り者も世間にバレず処理する流れが、ただただ不自然なご都合主義に感じてしまい、読み進めるほど 不満が蓄積する。 特に、「USBが警察に渡るのを利用するくだり」は、それは無理だろとツッコミ入れてしまった。 そして、終盤に向けて証拠が積み重なるのに、なかなか犯人にあと一歩届かない警察と主人公に歯がゆい思いを 募らせ、「私と○○(犯人)の戦争が始まれば~」「そのときに備えて、あらゆる準備をしておくつもりだった。」と、 最終決戦を想像させる書き方から、やったれ!犯人潰したれ!とワクワクしながらラストスパートかけて読み進めると・・・・・・ 「えっ?なにこれ・・・・・」 前川作品は、割と煙に巻いたような終わり方をすることが多いのですが、それが良いときと悪いときがある。 今回は、私にとっては悪い煙でした。残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2人の教師夫婦が大量の血を残して忽然と消えた川口事件。当初逮捕された被害者の兄は無罪となり、事件の真相は闇に沈む。 しかしジャーナリストである私が調査を継続していくと、全く違う事件の様相が姿を現した。 果たして真犯人は?というストーリー。 話自体は丁寧に書かれていますし、スリリングな感じもあります。 ボリュームも丁度いいし、展開も早いのでそれなりに楽しめます。 ただ内容の地味さと相俟って、「最高」とまでは言えない内容になっています。 同氏のファンでなくても普通に楽しく読めるのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 4件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|