(短編集)
さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ
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文章のテンポが私には合っていたようで読みやすい小説でした。 ただ内容が・・・可もなく不可もなくと評していた方が言っておられたのが全て。 表紙の画は可愛いいことが一番優れているところかな。 | ||||
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好きな作家には二つの種類がある。ファンになってからブレイクした作家とそうでない作家だ。香納諒一は残念ながら後者だ。ちなみに池井戸潤など前者で私がファンになったころは銀行を舞台にした地味な,でも読んではずれのない短編連作(その中には例の倍返しもあった)を書いていたが,その後のブレイクぶりは皆さんご承知のとおり。 さて香納諒一。日本で数少ない一人称ハードボイルドの書き手として,このジャンルが好きな私はデビュー当時から応援してきた。でも今一つパッとしない。この「一人称ハードボイルド」っていうジャンル自体自体もう徹底的にパッとしない。読書人口の中心が女子供と女になりたい男と子供のままでいたい男に移っちまった今の時代(これ,確か原りょうの言い回し,てへ),そりゃいないよ一人称ハードボイルドの,それも良作を読みたい人間なんて。で,必然的に,香納諒一は売れない。売れないから今一つ腕も上がらない(失礼!)。 と思っていたら,本屋で偶然この「さすらいのキャンパー探偵」シリーズを発見。チラ見したら主人公はお馴染みの辰巳氏ではないの。で,シリーズ3冊出ているうち,本屋にあった2冊を購入。 読んでみると,これは結構いい。いい意味で力が抜けて読みやすい。文章は相変わらず達者だけど,出くわす事件は,あっさりと書いているからでもあるけど,昔のような重みが抜けていて,私のような初老のじじいには読みやすい。 目の付け所も面白い。最近の車中泊ブーム?を取り入れて,辰巳氏,風景カメラマンとして観光地を巡りながらの車中泊探偵。これって,一人称ハードボイルド+車中泊しながらのトラベルミステリーっていう新ジャンル?? 内容もほどよく軽くて,最近は時代小説に走りがちな私にはちょうどいい(50歳過ぎてから一人称ハードボイルドの分厚いやつを読み切る元気がない・・・)。1冊に3話という長さもちょうどいい。 辰巳氏には,この調子で日本中を回って歩けばいずれネタの付きかけてる二時間サスペンスからも原作にしたいっていうお呼びがかかりそう。そうすればもっと売れて注文が来る。個人的には,香納諒一がブレイクしなかった一番の理由は,売れなかったから。逆説的だけど,大沢在昌の鮫,池井戸潤の半沢的な「出会いがしらのホームラン」的な作品があれば香納諒一はもっと読まれた作家だと思う。そして書くことでもっともっと上手く面白くなった作家だともう。そういう意味で,香納諒一にはこのシリーズは大事にしてほしい。やっと香納諒一がブレイクするぞ,という期待も込めて星4つ。 | ||||
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ヴァナゴンと呼んでいたミニバスとはまた違うのかな?この表紙絵のワゴン車は、ちょっとおしゃれを気取った移動販売に利用されることが多いが、燃費・メンテ・大きさの面で、全国を股に掛けるプロのカメラマンとか探偵が実用に供するとはとても思えない。そこらへんをどう描くのか楽しみにしていたのだけど、このミニバスは結局表紙絵以上の活躍をすることはなかった。雨が強い時はドライブインに泊まるしね。 主人公は妙に内省的で良い子ちゃんで印象が薄い。3冊まとめ買いしなくてよかった。 | ||||
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辰巳翔一のその後を描いた中編シリーズの開幕である。 この探偵には、既に三つの顔がある。写真週刊誌カメラマン。私立探偵。そして廃墟カメラマンだ。香納諒一が小説家として踏み出して間もない頃、この探偵は初めて生み出された。既に中年という領域に足を踏み入れていたぼくの眼には、若い作家の作品とは思えないくらい、大人びた作品としての仕上がり具合に驚かされている。絶賛したくなったのが『春になれば君は』(文庫化に当たって『無限遠』と改題)である。 その頃は写真週刊誌カメラマンの立場を追われてやむなく探偵家業に追いやられるという傷ついた役柄であった辰巳翔一。彼はその後『虚国』(文庫化に当たって『蒼ざめた眠り』と改題)で、廃墟カメラマンとして復活。何と廃墟を集めた写真集がそこそこヒットしたという設定。そして彼は事件に巻き込まれ、またもや探偵としての天性の能力を発揮して去ってゆく。 この新シリーズでは、カメラマンという職業を探偵に被せることによって、旅する探偵という設定をイメージさせている。いわゆるシリーズ映画がそうであったように、不滅のヒーローは、日本のどこの場所に顔を出してもおかしくないというシナリオを、辰巳翔一も見事に手にしたわけである。 そもそもが、日本の土地や風景、またそこに住む人間たちの描写の中に、現代という時代を描いているシリーズでもある。新に作られる街と、滅びゆく建築物。それらのどこか寂しい、時の墓場のようなイメージとしての風景群は、辰巳翔一の眼を通して印象的なネガに焼き付けられているかに見える。それはかつての二つの長編でも、この中編集でも共通する日本の現在という地平であるように窺える。 それらの風景を訪ね歩く道具として、ついに辰巳翔一の足となったのがワーゲンバス。本書を皮切りに三か月連続で出版されることになったこの『さすらいのキャンパー探偵』という驚きの設定は、われらが主人公にキャンパー探偵という第四の顔をもたらしたようだ。 キャンピングカーに魅せられているらしい作家自らの分身的意味合いはますます強くなり、作家人生の初期に作り上げた探偵像は、今も三十代という設定でありながら、過去の精神的古傷を引きずりつつ、現在の事件に果敢に関わってゆく。 作者特有の、一行一行手作りで仕上げてゆく丁寧な文章は、短編でも中編でも同様に際立つ。緻密な構成という横軸に、無骨だが芯も弱さもある男の人生という縦軸を絡ませて、完成度の高いタペストリーを編み上げてゆく。三作ともにミステリとしてのアイディア、構成力、意外性含めて、完成度が高い。ますます円熟味を増した作家による、愛すべきキャンパー探偵は今も書き継がれているロング・シリーズとなってゆくらしい。 今月も来月も新刊が出るという。エキサイティングな読書の秋となりそうだ。 | ||||
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気にいた事は、表紙がワーゲンタイプ2だったし、初めて読む作者だった。字数が、多くないし、さらっと読めた点。ただ、次回作は、買わないかも。 | ||||
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