復讐者たち
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
復讐者たちの評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
復讐者たちの総合評価:
7.67/10点 レビュー 9件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
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その復讐者たちが個人的、或いは組織的に復讐を執行している手を止めさせたのが「イスラエル建国」というのはまことに前向きな展開だった。
どれほど怨念に燃えていても、国家がないユダヤ民族が、イスラエルという国家を持ったことで否応なく国際政治に登場し、建国のために復讐者たちが本国イスラエルに召喚され、復讐から建国へ(具体的にはイスラエル軍を構築する国家的事業や、対中東戦争)ベクトルを変えていくパラダイムシフトは、個人の怨念を現実世界で炸裂させることができる限界を示唆するものだった。
それは、サイモン・ヴィーゼンタール(ジーモン・ヴィーゼンタール)という、アメリカでユダヤ人追求の団体を作り上げた人物は生涯を掛けてナチス追跡を続けたが、それは個人としての活動であり、それが団体となっていった水準で、国家というレベルでは虐殺も報復も、全体では取り扱うなかでの一部門にすぎなかった。
もう一つ意外なことがある。
アーリア人至上主義の筈のナチスは、誰が見てもラテン系の南米で巨大なネットワークを作り上げた世界的構想を持っていた。
本来は世界大戦に勝利したあとのドイツが南米を支配するための下ごしらえだったらしいのだが、戦後も長く南米諸国でナチスが潜伏した土壌となったのは、アーリア人至上思想とやらも第三帝国のビジネス上の必要性からで、しょせん思想なぞ支配のための道具か、と美学の下のありふれた現実にま、そんなもんですよね、という覚醒効果がありました。
大日本帝国はこの種の国際的なネットワークの構築には失敗しただけに、ドイツの視野の広がりは感じさせられた。
全般に、これほどのジェノサイドをされたのだから、この人たちの反応は当然だよね…という感想でした。
そして2020年代、ガザ地区を支配するハマスとイスラエル軍が民間人虐殺の応酬を展開している惨状を見ると、中東側の政権担当能力、統治能力の拙劣さはともあれ、絶滅など不可能であることをイスラエル以上に知悉している国家はあるまいと思われるのにこの状況は、人と同じく、国家も原体験から逃れることは出来ないのか、という複雑な感慨を催させる。
後世という別な視点からもその歴史を検証させる、さながらユダヤ人という民族、イスラエルという国家の精神分析のようなルポルタージュだった。