時を盗む者
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
時を盗む者の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
時を盗む者の総合評価:
10.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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本書奥付を見ると1990年12月発行としてあるから、評者がこの本を読んだのが26年も昔になる。
この本の書き出しを読み始め、女性人類学者エリナー・フリードマン・バーナルが一人でバックパックを背負い人里離れた奥深い渓谷へ調査に行くところの描写が印象的であったから微かな記憶が残っていた。
ナヴァホ ・インディアン居留地(Navajo Indian Reservation)は、アリゾナ州北東部、ニューメキシコ州北西部、コロラド州南西部ににまたがり約20万人のナヴァホ人が居住している。
居留地の部族は政府をもち、警察も裁判も行う(重要犯罪は連邦裁判所)。
このようなことは多少映画や他の小説などで評者も知識としてあったが、刑事ものミステリとしてこのような背景を設定した著者のトニイ・ヒラーマンのナヴァホ族警察警部補ジョー・リープホーン・シリーズを評者が読んだのは多分この一冊のみだのだろう。
本書『時を盗む者』は、マカヴィティ賞長編賞受賞、エドガー賞 長編賞ノミネート、アンソニー賞長編賞ノミネートなど評価されベストセラーになった作品と訳者の大庭忠男氏のあとがきで知った。
この物語は、ニューメキシコ州ウインドウ・ロックのナヴァホ族警察署で引退を決意したジョー・リープホーン警部補が主人公である。
ウィンドウ・ロックから北に100マイル近く離れたシップロックという街のナヴァホ族警察署の刑事ジム・チーは、先住民遺跡盗掘犯が二人殺された事件の捜査を始めたのだが、やがて事件は、行方不明になった女性人類学者エリナー・フリードマン・バーナルを、リープホーンが捜索する事件と交錯することから、リープホーンの下でジム・チーも事件解決に奔走するというストーリーで進んでゆく。
タイトル「時を盗む者」という言葉の意味を、リープホーンが失踪したエリナーを捜査する過程で訪れた地衣植物学者のアーノルド博士が話すことから評者は知ることができたので下の・・・内にそのアーノルド博士の言葉を転載したい。
・・・「エリーは人類学者です」アーノルドのくすくす笑いは微笑みに変わった。「それを普通の英語に翻訳すれば、廃墟の略奪者、墓地荒らしということになりますな。とくに古い墓をね。古器物を威厳あるやり方で盗む教養ある人物というところですかな」アーノルドは自分のウィツトが気にいって笑った。「ほかの連中がやると、文化の破壊者と呼ばれます。競争のための言葉ですよ。何者かが先手を打って、考古学者より先に持ち去ると、彼らはその連中を、”時間の盗人”と呼びます」そういう偽善にたいする自分の見解を示したことで彼は上機嫌だった。・・・
・・・内のアーノルドの言葉が、このミステリのテーマであり、事件の鍵ともなっているような印象を受けながら本書を読み終えた。
それにしても評者が大昔に読んだこんな面白いミステリの内容を忘れてしまっていた我が脳みその劣化を嘆きながらの再読でした。
特異なジャンル(先住民の物語など白人には敬遠されそう)を開拓した著者トニイ・ヒラーマン氏の才能と個性を評価したい。