ラストボール
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物語全体に漂う陰鬱な空気を最後に全て吹き飛ばすようなスカッとするラストが兎に角良い。日本ミステリー大賞受賞の前作『茉莉花』はヤクザが主人公のハードボイルドであったが、この第二作は元高校球児のスポーツライターを主人公にしたスポーツ・ミステリーである。 主人公のスポーツライターの島野は神奈川の高校野球の強豪校の4番を務めた元高校球児であった。島野は13年前に事故死したライバル校のキャッチャー・中尾の戦術ノートを手にしたことから、高校野球界を巡る秘密に触れていく。そして、島野が後悔仕切れない、あの夏の真実は 前作の『茉莉花』も最後の最後まで読ませてくれたが、本作もまた期待通り、最後の最後まで読ませてくれた。そんな物語の舞台設定とストーリーの面白さに、今後の著者の活躍が非常に楽しみになる。 | ||||
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タイトルに惹かれて購入。著者は昨年の日本ミステリー文学大賞新人賞の受賞者(本作が受賞第一作)らしい。巻末の著者略歴には大の高校野球ファンのようにも書いてあった。相当なマニアであることは読んでいてもわかる。一時期はやった“飛ぶバット”のくだりやピッチングマシンに関する説明など、野球好きを喜ばせるマニアックな描写がいくつも出てくるのだ。使われる語句もしかりで、たとえば練習試合には「れんし」、二軍戦には「B戦」とルビをふっているあたりにもファン心をくすぐられた。 反面、ミステリーとしては、きわめてオーソドックスな印象を受けた。スポーツライターとなった元高校球児が、12年前に起きた旧友(ライバル校の捕手)の不審死を皮切りに、22年前の八百長疑惑に迫るといった内容は、どちらかといえばありがち。似たような野球ミステリーは過去にもあったように思う。ただ、謎解きの仕方はやはりヒネリがきいていた。メインアイテムとしてスコアブックを用いているのだ。(実際、スコアブックによる図解がなされている)これはかなり珍しいのでは。もしかしたらミステリー史上初かもしれない。ともあれ、そんな仕掛けにもグイグイ引きつけられた。 すべての謎が解き明かされたあと、ちょっぴり物悲しくなったのもよかった。全体的にノスタルジーを感じさせる作風なので、クライマックスに向けてうまく収束したように思う。 決して派手さはない。だが、高校野球ファンを満足させる(たぶん、そのために書いた)秀作ミステリーであることは間違いないだろう。 | ||||
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